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令和2年度京都府高齢者サービス総合調整推進会議(令和2年10月9日開催)の開催概要

1 開催日時

令和2年10月9日(金曜日) 午後2時30分~4時30分

2 場所

京都府医師会館 310会議室

3 出席者

出席委員(20名)・オブザーバー
西村 周三 会長(京都先端科学大学 経済経営学部経済学科 経済経営学部長 教授)
空閑 浩人 会長代理(同志社大学 社会学部社会福祉学科教授)
北川  靖 委員(一般社団法人京都府医師会副会長)
北村 泰子 委員(一般社団法人京都府歯科医師会常務理事)
中島 すま子 委員(公益社団法人京都府看護協会会長)
井上 基 委員(公益社団法人京都府介護支援専門員会会長)
荻野 修一 委員(一般社団法人京都府老人福祉施設協議会会長)
宇都宮 将征 委員(一般社団法人京都府介護老人保健施設協会理事)
藤田 一彦 委員(社会福祉法人京都府社会福祉協議会副会長)
齋藤 嘉子 委員(一般社団法人京都府作業療法士会事務局福利部制度対策委員会委員)
木村  奈緒 委員(一般社団法人京都府言語聴覚士会副会長)
内山 貴美子 委員(公益財団法人京都SKYセンター高齢者情報相談センター所長)
福本 淳子 委員(一般財団法人京都府老人クラブ連合会副会長)
西村 惠美子 委員(京都府連合婦人会事務局長)
大西 幹子 委員(日本労働組合総連合会京都府連合会支部女性委員会事務局次長)
内藤 雅子 委員(一般社団法人京都ボランティア協会事務局長)
荒牧 敦子 委員(公益社団法人認知症の人と家族の会京都府支部代表)
北 広光 委員(京都府町村会(和束町福祉課長))
髙城 順一 委員(京都府国民健康保険団体連合会理事長兼常務理事)
渡辺 隆 委員(京都府後期高齢者医療広域連合副広域連合長 事務局長事務取扱)
田中 超 オブザーバー(京都市保健福祉局健康長寿のまち・京都推進室介護ケア推進課長)

欠席委員(6名)
山脇 正永 委員(京都府立医科大学 大学院医学研究科 総合医療・医学教育学教授)
楠本 正明 委員(一般社団法人京都府薬剤師会副会長)
清水 紘 委員(京都府慢性期医療協会会長)
久野 成人 委員(一般社団法人京都私立病院協会副会長)
麻田 博之 委員(一般社団法人京都府理学療法士会会長)
田村 雅之 委員(京都府市長会(福知山市福祉保健部長))

4 内容 

(3)報告事項 

1.第9次京都府高齢者健康福祉計画の策定趣旨及び策定スケジュール

2.第1回会議(書面開催)における御意見

3.京都府の高齢者人口等の将来推計

4.保険者機能強化推進交付金等の評価結果

 

(4)協議事項

1.第9次京都府高齢者健康福祉計画策定のポイント

2.自助・互助・共助による介護予防・生活支援の推進方策

3.高齢者ができる限り自立した生活を送るためのケアマネジメントとサービス提供、地域包括ケアのあり方

 

<質疑・意見交換>

◆協議事項

 1.第9次京都府高齢者健康福祉計画策定のポイント

 2.自助・互助・共助による介護予防・生活支援の推進方策

○2025年問題・2040年問題を考えると、要介護認定者が一気に増加するが、これまでの家族構成とは異なることが想定され、今まで表立って出て来なかった家族介護が担う部分が減り、施設に若干ウエイトが移ると考える。そのあたりを視野に入れていただきたい。○ヤングケアラーを取り上げていただいたのはありがたい。それに加え、「家族介護と仕事の両立」を今後、どのように捉え、次期計画に落とし込まれるのかを伺いたい。

(事務局)ヤングケアラーは若くしてご家族の介護やお世話をされている方のことだが、当事者を発見し、関係者に繋げていくことはまだ難しい状況にある。今後の課題・検討事項ではあるが、一つは学校現場やいろんな民間団体を通じて、当事者といかに繋がるか。その上での支援策については、ヤングケアラーの方を含め家族介護者の方の介護やお世話の負担をいかに軽減していくか、特にヤングケアラーの方は学校に通えないという課題もあると聞いているので、例えば学校現場とどのように連携していけばよいか、ということも今後検討していきたい。

○資料6の議題1に記載の生活支援体制整備事業について、自助・互助・共助を拡げていくという趣旨は大賛成で今後も強力に進めていただきたいが、現行の総合事業で生活支援体制整備事業が必ずしもうまくいっているとは言えないと書かれている。私も確かにうまくいってはいないと思っているが、地域による違いが随分あるため、一律の仕組みではなかなか難しいと感じている。また、コーディネーターの人員確保も大きな問題だと思っている。私の近隣でやっているコーディネーターは、市や社協の職員であり、別の仕事を持ちながら、コーディネーター業務を兼務しているのが実態であり、専属で責任を持ってその地域を取りまとめる、というスタイルはなかなか取りにくいと感じている。京都府は、現状をどのように見て、全般的な課題は何だと考えているか。また、新しい計画ではどういう位置付けにしていこうとしているか。

(事務局)介護予防・日常生活支援総合事業は、まさに住民の方同士の支え合い、つまり互助にベースに置いたものになるため、一朝一夕に作りあげることは難しく、苦労しながら取り組んでいるという状況。現時点で進めている取組としては、一つは市町村でボランティアの育成等の取組をされる際に支援をさせていただくもの。さらに、知事が新たに打ち出した施策で「地域交響プロジェクト交付金」という取組があり、こちらは高齢者の支え合いだけでなく、例えば子育て・地域防災・地域での支え合いの活動に対して補助金を交付し、こうした取組を支えていこうという趣旨のもの。こうした支援を通じて、地域の取組を広げていきたいと考えている。

○総合事業については、資源の関係が一番大きいと感じる。田舎は資源が少ないが、隣近所などの助け合いがあるので、総合事業までいかなくても、ゴミ出しや小さな助け合いはできていると思う。しかし、地区別に見ると、出来ているところと出来ていないところがある。また、行政全体の問題なのかもしれないが、これらの事業が住民になかなか浸透していない。介護保険制度も出来て20年程経つが、制度自体の周知もまだまだ進んでいないことが課題。

○お金を貰うようになると無償の活動が減退する心配もあるので、その辺を慎重に考える必要があるが、特に都市部に関しては、ある程度お金のやり取りがある仕組みも検討願いたい。

○多様な担い手による生活支援体制整備が必ずしもうまくいっていないことの要因はいろいろあると思うが、一つはそのマネジメントをする立場であるケアマネジャーや地域包括支援センター側の課題ということがある。一方で、既存の介護保険の事業所では、いろいろな事情で総合事業のサービス自体を引き受けてもらえないという声も聞く。市町村が主体になって進めていかなければいけないことだが、市町村と京都府の間で温度差があるのではないかとも感じている。市町村の担当者と京都府との話し合いができる場や、市町村同士で成功事例等を発信していくような仕組みがあるのかどうか、教えてほしい。

(事務局)この間コロナの影響もあり、特に今年度に入ってからはうまく出来ていないところもあるが、市町村と府の連携として、従来から取り組んでいるのは、圏域会議と言って、圏域ごとに保健所も入り、市町村との取組を一緒に考えるということをしている。地域の資源の把握も大変難しい部分があり、先程申し上げた「地域交響プロジェクト」の取組の中では、実際に地域での支え合いに取り組んでいただいている団体やNPOに集まっていただき、活動の紹介や互いに連携できる部分を模索する、パートナーシップミーティングという取組を進めているところ。

○12章について、今はコロナ禍で、外国から来られる実習生等がストップしているような状態だと思うが、同時に有効求人倍率もだいぶ下がってきている。介護の担い手を積極的に確保してほしいが、日本人と外国人の人材確保はどちらを優先されるのか。

(事務局)外国人材の活用については、担当者が本日欠席しており直接はお答え出来ないが、ただ人材の確保を進めていく上で、あくまで外国人の人材確保というのは全体を補完するもの、と考えている。外国人材に過度に期待することは難しいと思っており、介護職場のイメージアップや働きやすい職場づくりにつながる支援、ICT化の導入、業務の効率化等を進めていく中で、全体で継続していける仕組みを作っていけないか、と考えている。

○介護ロボットの導入については、どのようなイメージのもので、どのように導入していこうと考えておられるのか。

(事務局)医療介護総合確保基金という基金の制度があり、その中で、人材確保に対する支援策の一つとして、介護ロボットやICT化の導入支援がある。ロボットと聞くとすごく大げさなイメージがあるが、例えば介助を手助けするパワースーツや、身近なもので言うとセンサーやICTツールの導入といったものも取組の一つだと思っている。ICT機器の導入支援については、基金による補助金が可能。

○ネット環境がなかなか施設の中に整っていないところがあるので、電子カルテやネット環境を整える支援等はあるか。

(事務局)ICTの導入支援事業は、今年度から行っており、その中でケアの記録から報酬の請求まで一貫してICT化を図るという取組に対して補助金を用意している。

○介護現場はIT化・ICT化によってどれだけ負担を軽減できるか、どれだけ肉体的に厳しい労働条件か、現場作業よりも事務作業が多い等、現場からも具体的な提案があるといい。

○コロナ禍で面会が出来ないのでオンライン面会となっているが、施設でオンライン環境が整っていないところも多く、老老介護で在宅でもそういう環境がないから、結局来ないといけないという問題がある。そういう環境が整うことが必要で喫緊の課題。もう一つ、コロナ禍で、職員は、フェイスマスクをして入浴介助等をしているが、熱中症になるとの声もあり、その状態でお風呂の介助等を行うのが本当に大変で、職員が疲弊していく状況にあるのをどう解決していったらいいのか困っている。もう一点は、老健で働くスタッフは、スタッフ自体も結構高齢化していて、パソコンを中々使えないスタッフもいるので、紙カルテみたいなのを使っているところもある。音声で入力できるようなものもあったら便利だと思う。

(事務局)京都府でも、現在、来年度の予算の編成時期に当たっており、今いただいたご意見を今後の事業に活かしていけるよう検討して参りたい。

 

◆協議事項

3.高齢者ができる限り自立した生活を送るためのケアマネジメントとサービス提供、地域包括ケアのあり方

○「自立した生活を送るため」ということがなかなかうまくいっていないというのは、そのとおり。ケアマネジメント側の問題としては、ケアマネジャーの養成・育成に当たり、地域同行型研修という、ケアマネジャーと主任介護支援専門員が現場に一緒に行って研修する、という研修スタイルがあるが、まだ取り組めていないので、それを取り入れていくのも一つの方法。もう一点は、サービスを担っている事業所側の課題があり、地域のケアマネジャーの支援は地域包括支援センターが行うが、地域に存在するサービス事業所の支援や課題にどう働きかけていくかというのは、地域包括支援センターでも関われない部分があり、そのあたりは何か対策を考えていけたらと思う。

(事務局)特に在宅で療養されている方のケアについては、ケアマネジャーが作成するケアプランが基礎になるので、その充実に向けて今後の研修等に活かしていきたいと思う。もう一つ仰っていただいた、サービス事業所の課題は例えばどんなことか。

○質の高いサービスの提供がなされていない、自立支援に向けた予防的な取組が不十分または限定されている、というのが現場の課題。

(事務局)国の方では、VISITというデータ活用が進められており、リハビリテーションを含め、提供されているケアがその方にとって有効なのかというエビデンスを蓄え、今後のケアに活かしていこうという取組である。また、特に困難事案というような、要介護度の高い方や生活上事情を抱えておられる方については、各関係機関や多職種で議論いただき施策の改善に役立てていく、地域ケア会議という取組があり、市町村と連携して進めていきたいと考えている。

○ケアマネジャーの中立性の維持がなかなかできないことが課題。ケアマネジャーが独立して生計を営むことは大変難しく、事業所に雇用されている状態でないと食べていけないという問題をどうやって解決するか。事業所で働きながら仕事をしている場合、2ヶ所の事業所から介護を受けておられる方が、どちらかを選択する際に担当のケアマネジャーが勤務している事業所を断りづらい。現場からそういう問題をどうやって解決するかという知恵を出すことが大切。

(事務局)利用者本位のプランになっているかどうか、が重要だと考えており、その点についても保険者の視点で点検いただくケアプラン点検を、今後も介護支援専門員会と連携しながら取り組んでまいりたい。

○「アドバンス・ケア・プランニング」について、認知症の介護をされている家族と、施設や担当医師との終末期に対する認識のずれで、大変だったことがあった。それぞれの個人的な事情があるため、これが終末期だということを定義するのは難しいとは思うが、ある程度一定の目安や指針みたいなものがあればと思った。

(事務局)認知症の方に限らず、比較的お元気な時からいざという時にどのようなケアを受けたいか、を大切な人、ご本人やご家族、身の回りの方と話していただくのは大変重要。ただ、そこにさらに必要となるのは専門家からのサポートを受ける、ということであり、医療や介護についてどんなサービスがあるのか、という理解がないと適切な判断ができない。府医師会にもご協力をいただき、こういった取組の普及に努めているところ。認知症については、ご本人にとってもよりよいケアや生活に繋がるよう認知症の診断を受けられた初期の方を対象に、ご家族と一緒に認知症の進行や必要なケアについて学んでいただくという本人家族教室という取組を進めている。

(会議後にいただいた御意見)

○ダブルケアも課題の一つと考えており、部局を越えた横断的取組が必要なのではないか。

○在宅介護をめざすためには、介護する側の環境整備は大変重要な課題。仕事と介護の両立は、大変難しく、介護される側が重症化するにつれ、さらにその期間が見えないことで、離職を判断せざるを得なくなる。また、年齢層が高いため、介護していることを相談できず、職場での実態把握が難しいと聞いている。ひとりで抱え込んでしまわないためにも、誰かに頼っても良いと思えることが必要であり、安心して頼れる行政サービスはもとより、そのような制度の周知が必要だと考える。どんな良い制度を作ったとしても、利用する側に届かなれば、意味がない。

○コロナ禍では、高齢者の集いの場をつくりだす地域の支え合い活動の支援や担い手育成など基盤づくりの必要性はますます高まっている。基盤づくりに当たっては、当面の間は感染防止対策に十分な配慮が必要と考えられるので、感染予防に必要な物品の支援、また対面でなくともコミュニケーションを進められるICT機器など多面的な支援が必要になると思われる。

○現在、情報通信技術の普及が加速しており、高齢者が情報難民として取り残されている状況が見られる。高齢者にとって敷居の低いコミュニケーションツールの提供や利用支援の仕組みを構築していただきたい。

○生活支援体制整備事業は市町村による事情の違いはあるが、第2層の取組状況が全体として遅れていると感じる。次期計画には、第2層の取組を一層充実させるための支援策を盛り込んでいただきたい。例えば生活支援コーディネーターの業務の明確化、専任化、スキルアップなど府としてこれまで以上のより具体的な指針や数値目標なども示していただけたらありがたい。

○社会福祉法の改正によって今後取組が進められていく「重層的支援体制整備事業」についても、府としての方針・計画を示していただきたい。

○介護家族支援は大切な視点だと思う。家族にどこまでの介護負担を担わせるかは別として、介護離職ゼロに向けた基盤整備やヤングケアラーの課題に積極的に取り組んで下さろうとする姿勢に感謝します。

 

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