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丹後の海の生き物(イタヤガイ)

イタヤガイ

  イタヤガイは「何の因果で、貝がらこぎなろうた」と鳥取の民謡「貝殻節」でも唄われた砂底に棲む二枚貝です。ホタテガイの近縁種なので、似た形をしていますが、ホタテガイは北海道などの冷たい海に、イタヤガイは山陰地方などの温暖な海に棲んでいます。
  丹後では最近はあまり採れないので、市場では見かけません。貝柱が大きく美味しいので、地元の特産品にしようと、昭和50年代には丹後の海で養殖の試みが行われました。しかし、ホタテガイが安価で出回るようになったことや、養殖種苗が思うように手に入らなかったことなどから、残念ながら試験は続きませんでした。
  今でも宮津湾のトリガイ漁の網に混じって入ることがあります。機会があれば一度味わってみたいものです。

京都府立海洋センター 海洋生物部長 西廣富夫(現、京都府水産事務所長)
 (平成18年1月4日、京都新聞掲載) 

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