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ヤリイカの姿は、スルメイカやケンサキイカ(しろいか)に似ていますが、それらと比べると、外套膜(胴)が槍のように細長く、腕(下足(げそ))は短いのが特徴です。
京都府沿岸では「冬いか」と呼ばれ、主に1、2月に定置網で漁獲されます。秋には水深100~200メートルの海底付近に生息しており、沿岸の水温が15度以下に下がると、産卵のために接岸してくると考えられています。卵は数十個一緒に指状の寒天質の鞘に入れられ、海底や海藻、沈木の枝などに産み付けられます。
雌は煮付けや湯通しなどで、雌より大きい雄は主に刺身で食されます。特に雌は卵の食感が好まれ、「子持ちいか」として珍重されています。でも、日本海のヤリイカ資源は近年減少傾向にあるので、心して味わいたいものです。
京都府立海洋センター主任研究員 竹野功璽
(平成18年2月15日、京都新聞掲載)
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