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丹後の海の生き物(アオサ)

アオサ

 

  アオサは、全国各地の内湾や河口域、漁港内など波当たりの弱い場所に生える海藻です。府内では、舞鶴湾や宮津湾、久美浜湾などで周年見られます。アオサの仲間は国内では11種あり、藻体の大きさも数cmから1m近くのものまでさまざまです。
  生長が速く、短期間に繁殖を繰り返すうえ、体の一部がちぎれて増殖する(栄養繁殖)こともできるので、しばしば大発生します。海岸に大量に打ち上げられ、腐敗して悪臭を発生する場合もあり、厄介者扱いされることも。
  生長には窒素やリンなどの栄養塩を多く必要とし、富栄養化した海域でよく繁茂します。瀬戸内海や東京湾などでアオサが大発生するようになったのは1970年代からで、その原因は海の富栄養化や埋め立てによる潮流の変化などとされています。
  魚貝類や家畜の飼料に利用されるほか、身近な所ではアオノリの代用品として焼きそばやお好み焼きに使われています。

京都府立海洋センター主任研究員 竹野功璽
(平成19年11月21日、京都新聞掲載)

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