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丹後の海の生き物(アサリ2)

  日本三景のひとつである天橋立によって仕切られた阿蘇海。この阿蘇海において重要な漁業資源のひとつがアサリです。近年アサリの資源量は全国的に減少の一途を辿っており、阿蘇海においてもそれは例外ではありません。このような事態を受けて、海洋センターでは、資源を回復・増大させるための手段として、同じ海域産の稚貝の移植放流や食害生物の駆除などを提案するとともに、限られた資源を有効利用するため、小型貝を大型貝にまで育て上げる垂下育成技術の開発に着手しました。
  そして、試験を進める中で、阿蘇海で垂下育成したアサリは、漁獲されたアサリよりも身入りが良く、特に春から夏前(3~7月)にかけては全国的に見てもトップクラスの身入りを示すことが分かりました。既にこの時期に4cm以上の大型貝にまで育成可能な条件が明らかになってきており、現在、阿蘇海アサリ垂下育成の事業化に向けた実証試験も地元漁業者により実施されているところです。
  今後、この大型で身入りも良好な育成アサリが「丹後とり貝」「育成イワガキ」に次ぐ、京都府の新たな特産品として世に広まっていくことを期待しています。

(平成23年6月29日 谷本尚史)

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