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丹後の海の生き物(イトヒキアジ)

イトヒキアジ

  イトヒキアジは、世界中の温帯域から熱帯域の暖かい海に広く分布するアジ科の魚で、日本近海では南日本に多く生息しています。
  若魚の時には、写真のように背ビレと尻ビレの一部が糸を曳いたように長くのびており、その魚名の由来にもなっています。なかには、この糸状の延長部分が体長の2倍以上になる個体もいますが、成長とともに短くなります。また、若魚の体型はひし形ですが、成長すると細長い体型に変化します。
  成魚は最長1メートル近くに達しますが、対馬暖流に乗って丹後の海に回遊してくるイトヒキアジの大半は体長20センチ未満で、これらの若魚の一部が定置網で漁獲されます。
この魚は食用になるほか、若魚はそのユニークな姿形から観賞用として人気があります。水族館でよく展示される魚種の一つにもなっていますので、もし訪れる機会があれば、優美に遊泳する様子をご覧になってください。

京都府立海洋センター主任 熊木 豊

(平成19年4月11日、京都新聞掲載) 

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