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丹後の海の生き物(コノシロ)

コノシロ

  内湾の漁港や河口域に棲む身近な魚です。コノシロはニシン科の魚で、プランクトンや珪藻土を餌にしています。約1年で15センチほどに成長し、成熟します。3年で体長25~30センチほどになります。
  産卵期は春。日没後に河口域でマイワシの卵と形のよく似た浮遊卵(海中を漂う卵)を生みます。京都では年間40~60トンの漁獲があり、主に定置網と刺し網で獲られています。防波堤からのサビキ釣りで釣れることもありますが、大きさの割に引きは強くありません。
  コノシロと言えば、幼魚を使った関東のシンコ寿司やコハダ寿司が有名ですが、京都には、成魚を使った久美浜のコノシロ寿司があります。こちらは、にぎり寿司ではなく、寿司飯の代わりにおからを使った姿寿司です。秋から冬にかけて、ほどよく脂の乗ったコノシロを使います。
  家庭で料理する場合は、酢締めにすると小骨が軟らかくなって美味く頂くことができます。春には卵の煮付けもぜひご賞味下さい。

京都府立海洋センター主任研究員 上野陽一郎
 (平成19年5月30日、京都新聞掲載)

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