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丹後の海の生き物(マコガレイ)

マコガレイ

 

  マコガレイは、北海道南部以南の日本沿岸や東シナ海の水深数十~百数十メートルの海底に生息しています。丹後では、近縁種のマガレイとともに、「口細」と呼ばれています。マガレイとの違いは、眼の間に鱗があること、無眼側の縁辺に淡黄色の帯がないことです。特徴である小さく細い口は、海底の泥の中にいるゴカイ類・貝類・ヒトデ類などを吸い込んで食べるのに適応していて、口先が少し延びる構造になっています。
  丹後ではわずかに定置網や底曳網で水揚げされる程度で馴染みが薄いようですが、刺身・洗い・塩焼き・煮付けなど、大変おいしい魚です。身は絹のようにきめ細かで、弾力感や甘みもあります。大分県日出で獲れたものは、江戸時代、参勤交代の折、多大な手間をかけて、活魚で将軍家に献上していたほどで、今でも「城下がれい」として全国的に有名です。
  マコガレイの旬は初夏から産卵前の晩秋です。店頭に並んだ「口細」の中から眼の間に鱗のあるマコガレイを探し出し、一度食べてみてはいかがですか?

京都府立海洋センター技師 藤原邦浩
 (平成19年10月10日、京都新聞掲載)

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