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ニギスはシロギスに姿が似ていることから似鱚と書きます。ただし、分類上は全く違い、ニギスは背中の後方に脂ビレを持つことから、大きくはサケの仲間、シロギスはスズキの仲間です。丹後では水深150メートル前後の海底近くに生息し、底曳網で年間150トン程度が水揚げされています。店頭では沖ギスと呼ばれています。
体長約15センチ、2歳で成熟し、春と秋の年2回卵を産みます。主に3~4歳で漁獲され、寿命はおおよそ5年です。漁船に揚げられたばかりの魚体は大きな鱗に覆われ、青みがかった鮮やかな銀色をしています。ただ、鱗は剥がれ易く、店頭ではこの鮮やかさは見られません。また、鮮度低下が早いため、漁業者は獲ってすぐに冷海水に漬けたり、砕氷をかけたりして鮮度保持に努めています。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成18年9月13日、京都新聞掲載)
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