ここから本文です。

丹後の海の生き物(シャチブリ)

シャチブリ2

  ある日、見たことのない魚が底曳網に入りました!丹後半島沖、水深160メートルの海域で捕獲されたこの魚は「シャチブリ(鯱振)」です。全長85センチ、細長く、ブヨブヨし、色は透明な紫で弱々しく、海の暴れん坊の鯱とはほど遠く、ある地方では「幽霊」とまで呼ばれています。
  しかし、海で泳ぐ姿は、ヨットのように背鰭を凛とたて、胸鰭を広げ悠然とし、鯱を彷彿とさせてくれます。餌は海底にいるエビなどで、突き出た吻の下のよくのびる口を近付けて一気に吸い込んでしまうと言われています。主な分布域は九州・沖縄周辺で、日本海で発見されるのはやや珍しいです。
  近年、南方系の魚をよく目にします。変わりゆく海の生態系にあわせた海の暮らしを提言するよう、今後も精力的に研究いたします。

京都府立海洋センター技師 藤原邦浩 
(平成20年4月9日、京都新聞掲載)

お問い合わせ

農林水産部海洋センター

宮津市字小田宿野1029ー3

ファックス:0772-25-1532

ngc-kaiyo@pref.kyoto.lg.jp