(3)資源管理シュミレーション(資源管理の模擬計算)
そこで、資源管理シュミレーション(資源管理の模擬計算)を実施しました。一例として、春の時期に漁場面積の30%を操業禁止区域にした場合について(図7)、具体的に説明します。
漁獲量と資源尾数に注目します。なお、今回のシュミレーションでは、漁獲が増えても魚の値段は変わらないと仮定していますので、漁獲金額の推移は漁獲量の推移と同じです。
(図7)の白丸が資源尾数、黒丸が漁獲量です。横軸の1が管理実施年になります。管理実施年の資源尾数は、これから管理をはじめるわけですから、現状と変わりません。しかし、漁獲量は、これまで操業していた漁場の内30%で操業できないわけですから、現状に比べ減少します。しかし、漁獲が減少した分、産卵親魚や小型魚は保護されますし、翌年には保護された産卵親魚が卵を生むわけですから、資源尾数は管理実施年の翌年から増加します。毎年、資源管理を続ければ、この繰り返しが続き、資源尾数は順次増大します。ただ、漁獲量は、現状よりも狭い漁場になるわけですから、数年間は現状よりも減少します。現状よりも多い漁獲量をあげるためには、資源尾数そのものが相当増大していなければなりません。図7の例では、資源管理を始めた年から数えて6年目から、漁獲量が現状より多くなります。
以上のような資源管理シュミレーションを、想定される18例についてそれぞれ実施しました(表1)。現在、この資源管理シュミレーション結果も参考にして、アカガレイの資源管理のためには、どの手法を採用するのがよいのか、関係漁業者の真剣な議論が開始されています。
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