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(2) 目合の拡大に向けた検討
図5 目合の2脚長。「キス網」の14節と実験に使った9節、8節、7節の目合(実寸大)。
 底曳網に入り船上まで引揚げられた小型魚は、他の漁獲物などに押しつぶされて、そのほとんどが死んでいます。底曳網で未成熟な小型魚を獲らないためには、小型魚が生息する場所での操業を禁止すれば解決されます。しかし、実際には小型魚と大型魚の生息域が明確に分かれているわけではなく、大型魚の漁獲だけを期待して操業しても、やはり小型魚を混獲してしまいます。網の中に入った小型魚を他の漁獲物と一緒に船上まで引揚げずに、海底近くで網から逃がすには、コッドエンドの目合を大きくすれば可能となります。
海洋センターでは、目合の大きさとその目合から逃げることができるヤナギムシガレイの大きさを調べるために、海洋調査船「平安丸」の桁曳網(コッドエンドの目合14節)の内側に9節、8節、7節の袋網を取り付けて試験操業を行いました。なお、9節の2脚長は約3.6cm、8節は約4.3cm、そして7節は約5.0cmです(図5)。


図6 ヤナギムシガレイの9節、8節、7節の網目選択性図6 ヤナギムシガレイの9節、8節、7節の網目選択性
調査の結果を図6に整理しました。ここで、網目選択率が0%とは、網に入ったある大きさの魚のうち全ての魚が目合から逃げることを意味し、100%とは逆に全ての魚が逃げることができず、漁獲されることを意味します。また、網目選択率50%とは、ある大きさの魚が網に入り、そのうち半分が逃げて、残りの半分が逃げずに漁獲されることになります。例えば、9節の目合では、体長約7cm以下の魚は全てが目合から逃げることができ、体長約11cm以上の魚は全てが逃げることができず漁獲されます。また、体長約9.5cmの魚では、網に入ったうちの半分が目合から逃げ、半分が逃げることができず漁獲されます。
7節の目合になると、体長約10cm以下の全ての魚が目合から逃げることができ、体長約13cmの魚の半分が逃げることができ、全く逃げることができない体長は約15cmとなります。このように、目合が大きくなるにしたがい、目合から逃げることができる魚体の大きさは、大きくなります。


図7 目合を拡大したときの漁獲されるヤナギムシガレイの体長組成の予測。白い部分が目合から抜けて保護される。
 この調査の結果から、船上で投棄されている体長10cm前後の小型魚は、「キス網」のコッドエンドを9節にすると約50%が、8節にするとその大部分が、また7節にすると全てが目合から抜けて保護されることが分かりました。さらに、7節では未成熟でありながら、漁獲の主体となっている体長13cm前後の魚体の約50%を保護することができます(図7)。

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