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(6) 捕食
 
 
カタクチイワシは卵〜稚仔期、未成魚〜成魚期の各発育段階で多くの魚類に食べられています。若狭湾で漁獲されるカタクチイワシを食べる魚の胃内容物を調べて、餌の依存度合をみたところ、以下のようなことが明らかになりました。(図5)
 マアジは2月から5月中旬までは甲殻類を主体に、一部イカ類(スルメイカ幼若個体)を食べていましたが、5月下旬にはカタクチイワシの仔魚(シラス)を食べるようになりました。6月上旬にはシラスに加えてカエリ期の稚魚も食べていました。さらに、6月下旬にはカタクチイワシ未成魚を専ら食べており、カタクチイワシの各成長段階のうち漁場に多く出現するものを主に食べていることがわかりました。10〜11月のマアジもシラスを集中的に食べており、カタクチイワシの秋季発生群にとってもマアジによって食べられる割合が大きいものと考えられました。また、捕食していたマアジの食性は魚体の大きさに関わりなく、大型の高齢魚であってもシラスを集中的に食べていました。
 マサバは、8月上旬から中旬に尾叉長17〜20cmに成長し、その段階にはカタクチイワシの未成魚を食べていました。しかし、尾叉長20cm以上に成長した8月下旬以降は、アミ類やイカ類を食べていました。マサバはアミ類などの甲殻類を主食としており魚類も食べますが、魚類のうち成魚ではカタクチイワシのほかマイワシやワニギスも食べ、未成魚ではカタクチイワシが主体であるという報告もあります。マサバ当才魚は春季に発生したカタクチイワシの未成魚を食べていますが、シラス期や成魚については選択的には食べていない可能性があります。
 その他に、マサバと同属のゴマサバはシラスを集中的に食べている個体もあり、マサバと食性が少し異なっている可能性が示唆されました。また、秋季から冬季にかけて、体長20〜30cmのアカカマスがカタクチイワシを専ら食べており、ブリ、シイラ、タチウオ、サワラもカタクチイワシ未成魚および成魚を食べていました。
 このように、主要魚種の餌生物としての依存度合から、カタクチイワシは海の生態系の中で重要な位置を占めている魚種といえます。
 
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