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フシスジモク

学名 Sargassum confusum C. Agardh
分類 褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属
分布  本種の分布範囲は広く、樺太南部から九州西岸までの内湾から外海にかけて分布しています。久美浜湾のような内湾から丹後半島外海域まで波あたりに関しては様々な条件の場所で生育できるようです。
 京都府では島陰半島、丹後半島南東部、丹後半島北岸部、また久美浜湾などに分布しています。
生態  フシスジモクは、藻場造成などで新しい基質を設置するとホンダワラ科海藻のなかで一番最初に入植することが多い種です。このことは、これまでに網野町ツンダメ、丹後町竹野、伊根町蒲入で確認されました。また、本州北限の青森県でも同じようにフシスジモクが初期に入植したそうです。フシスジモクには新しい基質に固着しやすかったり、幼体なども植食動物に食べられにくいなど、他のホンダワラ科海藻にはない特殊な能力があるのかもしれませんが、今のところ未解明です。
 しかし、時間がたつとフシスジモク以外の種が優勢になってきて、フシスジモクは少なくなってきます。宮津市養老では、砂をかぶる転石や岩など他のホンダワラ科海藻が生育しない場所でしか、フシスジモクは見られません。
 一般にフシスジモクは春から夏にかけて成熟しますが、能登半島の内湾側では秋に成熟するフシスジモクが見つかっています。そのため、日本海の内湾的環境を備えてた丹後半島南東岸でも、秋成熟が見られるかもしれません。
 久美浜湾には、水深1m以浅にホンダワラ藻場がありますが、そこには他の海域のものより葉が小さく主枝や茎が細いフシスジモクが優占していました(写真右)。なぜ久美浜湾のフシスジモクは他の海域のものと形態が異なるのか?フシスジモクは他のホンダワラ類よりも久美浜湾の低塩分環境に強いのか?そもそも本当に同じ種なのか?など興味ある疑問をいくつも提供してくれます。
入植したフシスジモク 久美浜湾のフシスジモク

久美浜湾で優占していたフシスジモク
(2005年10月12日 久美浜湾神崎)
ホンダワラ科海藻の中で
最初に入植したフシスジモク
(2005年1月19日 伊根町蒲入)
成熟したフシスジモク
成熟したフシスジモク
(2005年4月14日 伊根町蒲入)


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