ページの先頭です。

共通メニューをスキップする

京都府トップページへ

府政情報 | 暮らし・環境 | 教育・文化 | 健康・福祉・人権 | 産業・しごと | 地域振興 | 京都の魅力・観光

ここまでが共通メニューです


サイト内の現在位置です: 京都府トップ農林水産業海洋センター

ホソエガサ

学名 Acetabularia caliculus Lamouroux
分類 緑藻綱カサノリ目カサノリ科カサノリ属
分布  ホソエガサは、本州中部以南に分布しています。海外では、オーストラリア、フィリピン、ポリネシアなど暖かい地方の沿岸に広く分布が確認されています。本種は、貝殻の上に生育し、波の穏やかな内湾の砂地で見ることができます(写真左)。京都府では、海洋センターのある栗田半島機崎(はたさき)でのみ生育を確認しています。しかし、もっと調査を行えば、ほかの場所でもホソエガサを発見できるかもしれません。ホソエガサが比較的多く分布している能登半島では、海草のウミヒルモが生育している場所でよく見られるそうです。あとで述べるようにホソエガサは絶滅が危惧される種なので、分布域を確認することは重要なことです。
利用・生態  ホソエガサは、全長3cmほどの小型の海藻で傘を開いたような形が特徴的です(写真右)。ホソエガサを含むカサノリ類を食用などで利用することはありませんが、細胞遺伝学の実験材料としてよく使われています。これは、カサノリ類が核を仮根部にひとつしか持たないという珍しい特徴のためです。核のはたらきの重要性を示す実験として生物学の教科書などで紹介されています。
 ホソエガサは京都府沿岸では夏にみられます。6〜7月ごろ水温22℃以上になると肉眼で観察できるようになり、24℃程度でカサを発達させます。また、9月を過ぎ水温が22℃を下回るころまでに配偶子を放出し、藻体は抜け殻となります。配偶子は接合してから、貝殻の上で発芽し、糸状に伸びて貝殻の中にもぐりこみます。そして、再び生長に適した水温になるのを待っています。
 ホソエガサは、貝殻に依存して生きているので、生育できる場所が非常に限られています。新たな貝殻が供給されなかったり、貝殻が土砂で埋もれてしまうと、ホソエガサは生きていけません。沿岸の開発による土砂の流入や海水の流れの変化が、ホソエガサの生息地を減少させた要因として考えられています。かつてはよく見られたホソエガサも今では絶滅を心配されるようになりました。環境省レッドデータブックでは絶滅危惧T類に指定されており、その生息地の保護が強く求められています。
ホソエガサ ホソエガサ
貝殻の上に生えるホソエガサ ホソエガサを水槽に入れたところ
(右端の黒棒は1cmを示す)


ページの先頭に戻る

お問合せ先一覧 | サイトマップ | ご利用案内 | 個人情報の取扱い | 著作権・リンク等 | このサイトの考え方

Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.