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ホソエガサ
以前は日本沿岸各地でみられたようですが、今では環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されるほど生育場所が減少しています。ホソエガサは、英名では人魚のワイングラスというロマンチックな名前で呼ばれており、波のおだやかな砂地の貝殻上に生える全長3センチほどの小さな海藻です。そのため、貝殻が土砂などに覆われると生育できません。沿岸域の開発などで分布場所が奪われたのです。当所の潜水調査によって、栗田半島沿岸にわずかに分布しているのが確認されました。
ホソエガサの仲間は、2〜3億年前の太古の海に広く分布していたことが化石の発見で分かっており、生きている化石と呼ばれています。私達の世代で絶滅させることのないよう、保護が強く求められています。
京都府立海洋センター主任研究員 和田洋藏
京都新聞掲載
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