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フサイワズタ

学名 Caulerpa okamurae Weber-van Bosse
分類 緑藻綱イワズタ目イワズタ科イワズタ属
分布  フサイワズタの仲間のイワズタ属は暖海性の海藻で、日本列島沿岸では25種が確認されています。そのなかでは、フサイワズタは比較的北のほうまで分布しており、北海道南部以南の日本各地、朝鮮半島、中国に分布しています。
 京都府では丹後半島の北部で、水深1メートル程度の浅い岩盤の上に生育しているのをよく見かけますが、伊根の青島周辺では水深10mくらいでも見られます。
生態・利用  からだは小さな粒を房状に付けた直立枝と岩を這うように伸びた茎状部からできています。春から夏にかけて直立枝が伸び、10センチ程度になります。形態的に分化しているように見えますが、藻体全体の細胞質は繋がっており、からだ全体を大きなひとつの細胞とみなすことができます。
 京都府内での分布量は少なく、一般には食用にされていません。しかし、漁業者のなかには個人的に密かな楽しみとして食べる人もいるようです。透明感のある緑色が涼しげで、適度な塩味があり、夏にふさわしい海藻と言えるでしょう。ただし、冷蔵庫に入れて冷やすと、しおれたようになってしまうので注意が必要です。
 イワズタ属の中には、沖縄地方で「海ぶどう」と呼ばれるクビレズタがあります。プチプチとした食感がおもしろく、「グリーンキャビア」と呼ばれることもあります。沖縄では名産品となり養殖されることもあるクビレズタですが、京都には分布していません。
 また、同属のイチイズタの変異株は地中海で大繁茂し、社会問題となっています。元々は水族館で観賞用に育てられていたものが海に流出し、急激に広まったと考えられています。この変異株は繁殖力が非常に強く、繁茂した場所には魚や他の海藻がすめなくなるので「キラー海藻」と呼ばれています。日本沿岸でも変異株は見つかったことがありますが、冬季の低水温により枯死したようです。しかし、観賞用に販売されることがありますので、今後も注意が必要です。

海中のフサイワズタの様子 フサイワズタ拡大写真
岩の上に生育するフサイワズタ
(2005年7月5日京丹後市
網野町遊で撮影)
フサイワズタの拡大写真
(水平方向に匍匐する茎状部と直立する枝)

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