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トビウオ
夏の日に船で海へ出ると、トビウオが波間を飛ぶ光景によく出会う。大きな胸鰭を広げて海面近くに漂っているトビウオは、航跡波に追い立てられるようにして空中へ飛び出すと、鰭を翼として海面上を滑空していく。
日本近海で見られるトビウオの仲間は20数種類あるが、丹後の海で多いのはホソトビウオとツクシトビウオの2種である。小型(全長25cm位)で頭の形が丸い前者は「丸トビ」、大型(全長30〜35cm)で頭が角張っている後者は「角トビ」、「角アゴ」と呼ばれている。
定置網で年に100〜250トン水揚げされているが、漁獲の主体を占める「丸トビ」は近年減少傾向にある。白身が多く淡白で、塩焼き、刺し身、干物、練製品など用途も広い夏の魚である。
京都府立海洋センター 主任研究員 竹野功璽
京都新聞掲載
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