本文へ

文字の大きさ : 大きくする | 元に戻す

文字の大きさを変更する機能は、スタイルシートが無効なため使用できません。


丹後の海の生き物

ウミウシ

ウミウシ

 熱帯のサンゴ礁では色とりどりの魚が見られます。丹後の海にもそれに劣らず美しい色の生き物がいます。ウミウシと呼ばれる体全体が軟らかい生き物です。ウミウシは巻貝の仲間ですが、進化の過程で貝殻を持たなくなったのです。硬い貝殻を捨てて裸になりましたが、体に毒を蓄えて敵から身を守っています。きれいな色は害敵への警告色だと考えられています。
 水産上の有用種ではないので今まであまり研究されていませんでしたが、近年、世界中の海で次々と新種が発見されています。京都府沿岸にはおそらく百種類を越えるウミウシがいます。磯場を潜水していて、よく見かけるのはアオウミウシやシロウミウシです。その鮮やかな色彩とゆっくりと動く姿に調査を忘れ、思わず目を奪われてしまいます。 

 京都府立海洋センター主任研究員 和田洋藏
 京都新聞掲載


ページの先頭に戻る