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夜光虫
桜の花も散り、海水も温んでくると、「海が赤いペンキを流したようになっている。何ですか?害はないですか」といった問い合わせが、毎年、海洋センターに寄せられます。
この状態の海水を手ですくうと、半透明の小さな卵状で粘性の高い「つぶつぶ」が手に付着します。世界中の海にごく普通に生息しているプランクトンで、夜光虫と呼ばれている発光生物です。この夜光虫は、薄いピンク色をしていて、比重も軽く、一度海面に浮かんでしまうと、そのまま浮いていることが多く、風などで集められると、赤いペンキを流したような赤潮状態になります。
人や魚などの生物に害を与えることはありません。 夜間に、夜光虫の赤潮の海に出てみると、船の航跡、海面で跳ねている魚、投げ入れた石の波紋など種々の刺激を受けて夜光虫が青白く光る、幻想的な光景に出会えます。
京都府立海洋センター 所長 桑原 昭彦
京都新聞掲載
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