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第1回再生土問題に関する検証委員会議事要旨

1 日時

平成19年3月28日(水曜日) 午前10時から12時まで

2 場所

鴻の巣会館 3階 ホール(城陽市)

3 出席者

【委員会委員】
楠見委員、寺島委員、中室委員、見上委員、水野委員、森澤委員、山田委員、横山委員、藤城委員、木村委員、栗栖委員
*中室委員は欠席

【オブザーバー】
上田課長(環境省近畿地方環境事務所)
開田主査(財団法人城陽山砂利採取地整備公社)

【事務局】
京都府:田辺環境技術専門監、越智環境政策室参事、笠間不法投棄等特別対策室長、岩佐山城北保健所技術次長、その他関係職員
城陽市:松本まちづくり推進部次長、その他関係職員

4 議題

(1)委員会の設置及び運営について

  • ア 再生土問題に関する検証委員会に係る申し合わせについて
  • イ 委員長の選出について
  • ウ 検証委員会の運営及び傍聴要領について

(2)事案の概要及び経過について

  • ア 城陽市域における山砂利対策の概要について
  • イ 再生土問題に係る主な経過について

(3)検証委員会の当面の進め方について

(4)土壌検査結果について

(5)水質検査結果について

(6)その他

5 審議内容

(1)委員会の設置及び運営について

  • ア 再生土問題に関する検証委員会に係る申し合わせについて
     案のとおり決定した。
  • イ 委員長の選出について
     満場一致で水野委員を委員長に選出した
  • ウ 検証委員会の運営及び傍聴要領について
     検証委員会は原則公開とし、議事録で公開する。
     傍聴要領は案のとおり決定した。

(2)事案の概要及び経過について

  • ア 城陽市域における山砂利対策の概要について
    城陽市域における山砂利対策の概要について、事務局から説明が行われた。
  • イ 再生土問題に係る主な経過について
    再生土問題に係る主な経過について、事務局から説明が行われた。
  • 逆有償が判明した証拠は。
  • (事務局:京都府)廃棄物処理法に基づく報告徴収により伝票確認をして逆有償であることを確認した。
  • 日本興産株式会社から提訴された京田辺市事件で産業廃棄物不該当確認訴訟の結末は。
  • (事務局:京都府)第一回公判を待たずに提訴が取り下げられたので、それをもって終結した。
  • この検証委員会ではどこまで議論をするのか。
  • すべてのことを議論する必要はなく、それについても検証委員会の中で議論していけばよいのでは。
  • 逆有償であるから産廃と考えて議論を進めるのか、あるいは認定できないので生活環境保全上支障があるかどうかと言うことで議論すればいいのか。
  •  廃棄物かどうかは廃掃法上は客観的に決まるものかもしれないが、取引をしているかは一つの要素。
  • 有価物だから保管しているという抗弁が成り立つ。これが全てではないが、調査して逆有償であると認定したことで有価物ではないとは言える。
  • 逆有償であることは産業廃棄物の定義のかなりの部分だが十分条件ではない。日本の場合、性状と物によって決められている。資料に「総じて泥状を呈していない。」とあるから、汚泥でなくなってくると産廃かどうかわからなくなってくる。曖昧な部分がある。10トンダンプ16,300台分のうち3,000台分だけを産業廃棄物と認定できるとした根拠が分かりにくい。
  • (事務局:京都府)京田辺市の事案では投棄時点の性状が泥状であることを目視で確認し、環境省にも照会した上で不法投棄であるとして行為者を告発した。山砂利採取跡地の事案では性状は現認していないが、京田辺市の事案から判明した事実をもって同時期に搬入された3,000台分については産廃と推認してもよいとの回答を環境省から得ている。3,000台分は3事業者の3箇所に埋められているが、それを特定することはできない。
  • 事務局は、山砂利採取跡地における整備計画等の資料を出来る限り委員に配付されたい。 

(3)検証委員会の当面の進め方について

 検証委員会の当面の進め方について、事務局から説明が行われた。

  • 1、2年前から城陽の井戸から水銀やヒ素が検出されているが、ひょっとして再生土と関係があると困る。雨水によってアルカリが地下に浸みこまないよう、覆土が遅れるようならビニールシートをかぶせるぐらいの緊急対策はやるべきだと思う。
  • 再生土問題について1年以上前から知っていたが、その時は降雨でアルカリが地下へ移行することを早急に防止すべきと申し上げた。覆土を急ぐのは雨水の地下浸透防止である。アルカリ性の浸透水がヒ素、水銀の自然の溶出性に影響を与えないか懸念がある。検証委員会の議論を待っていると梅雨や台風期になる。覆土にかかわらず、とりあえず雨水浸透防止を執ることが必要ではないか。
  • 山砂利採取地のこれまでの調査、構造について早急に教えていただきたい。城陽市内の地下水の動きをしっかりとつかむ必要がある。飲料水の80%を地下水に頼っていることから、定点観測等の詳細な調査を行うことが必要。
  • 地下水を見ていると、その水質に影響があると気にしている。この地域はれき層で出来ているので、雨水はさっと通る地質である。
  • 埋立土も含めて土壌と考えてよいのか。土壌の定義は何か。
  • (委員長)学問的な意味での土壌ではなく、搬入された土という意味と理解いただきたい。
  • アルカリは高いが有害物質については問題なしだったが、そのままにしておいてよいのかという心配がある。緊急対策でビニールシートをかぶせるのは賛成だが、その対策をとるのはpHが高いからなのか、水銀などがしみ出している可能性があるからなのかを確認したい。また、城陽市としても地下水の流れを把握するために調査箇所を増やしている。
  • 城陽市の3つの水道水源は100メートル程度の深いところにあり、第1浄水場は比較的山砂利採取地に近いが、特に第3浄水場は採水位置の上部に粘土層を挟んでおり、また、地下水の流向は水源に向かっておらず、常に水質検査もして安全と言える。
  • ヒ素、水銀に関心が集まっているが、地下水の環境基準をぎりぎり超えたところである。ただし、今、増加気味と言う懸念はあり、公社の審議会で調査されている。
  • ヒ素、水銀については、環境省も自然由来が結構あるとしており、ヒ素はこの近くでは結構出るとされている。再生土は土壌検査で有害物質の問題がなかったことから、再生土からの重金属の溶出はないが、再生土を通って浸透する雨水が、再生土の下の山砂利層とか地下水の帯水層の中でそこの性状をアルカリ性に変えることによって、ヒ素や水銀が絶対に溶出しないとは言えない。 
  • 再生土からは有害物質は検出されなかったが、地下水のヒ素、水銀の問題と関係がある可能性が少しでもある場合には、緊急措置をする必要がある。このことは委員の意見の一致があったことから、委員長から京都府、城陽市に申し上げることとする。
  • 当面のスケジュールとして、次回は4月25日に現地調査を行う。

(4)土壌検査結果について

 これまでの土壌検査結果について、事務局から説明が行われ た。

  • pHの測定はどのような方法で行ったのか。
  • (事務局:京都府)現場では一定量の再生土をビーカーに採取し、一定量の水を入れて撹拌して溶出させ携帯型pHメーターで測定した。検査機関ではJISの方法により測定した。
  • 測定条件の詳細を示されたい。
  • セメント臭がしたと言うことはセメントが混ざっているのか。セメントが混ざっているのであればpHが高いのは当然である。アルカリの原因は何か。塩素濃度やそれ以外のデータがあれば見せていただきたい。
  • ヒ素、水銀の経時変化がわかる資料があれば提出していただきたい。
  • (事務局:京都府)建設汚泥が発生現場から中間処理事業者へ運ばれるときに、泥状物であるため、運搬するための一定の堅さになるようにセメント系のものが入れられたり、また、中間処理業者はセメント系の固化材ではなく、生石灰を入れていたことによるものだと考えられる。
  • (事務局:城陽市)石灰系の臭いをセメント臭と表現したものである。
  • 土質検査結果をみせていただきたい。
  • (事務局:京都府)後日、提示することは可能である。

(5)水質検査結果について

 水質検査結果について、事務局から説明が行われた。

  • 水の通しやすさの判定のため透水係数等もとっておく必要があるかもしれない。再生土の下の土を採って調査いただけないか。
  • 池の水質のデータが示されたが、地図を見ても再生土と採水地点の高低が分かりにくい。その説明をしていただいた方がよい。堰堤の中を浸透して雨水が池に入っているが、pHには影響はほぼ見られない状況であることも見ておいたほうがよい。今まで対策が執られていないため、これから高アルカリの影響防止対策を執るためにも、再生土に雨が降って浸透して自然の土壌等からの重金属等の溶出性を変えないか、アルカリが飲料水等へ影響しないかといったプロセスを検証すべきだ。再生土中の浸透性も検証しないといけない。もう一度有害物質がないことの確認をし、その下の土、地下水へのアルカリの影響を確認すべきだ。土壌にはアルカリ緩衝作用があり、アルカリが浸みこんだから、そのままスッと影響があるということにはならない。浸透防止とモニタリングを実施するのが重要ではないか。対策を講じるためには、必要なデータをきっちり整えることが望ましい。
  • 今日の意見を踏まえて事務局でデータを整理の上、委員会に提示されたい。

6 今後の予定

次回は、4月25日に現地調査をした後、会議を開催することとなった。 

7 参考

<議事録(全文)>

<会議資料>

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