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第6回再生土問題に関する検証委員会議事要旨

1 日時

平成19年10月19日(金曜日) 午前10時から12時30分まで

2 場所

城陽市消防本部(署)3階大会議室        

3 出席者

【委員会委員】
寺島委員、見上委員、水野委員、森澤委員、山田委員、横山委員、山内委員、木村委員、栗栖委員 

【オブザーバー】
高山調査官(環境省近畿地方環境事務所)

坂上常務理事(財団法人城陽山砂利採取地整備公社)

4 議題

(1) 搬入された再生土に係る対策について

(2)産業廃棄物を搬入させないための対策について

(3)地下水への影響に係る市民の不安に対する方策について

5 審議内容

(1)搬入された再生土に係る対策について

(委員長)これまでの議論で問題点は煮詰まってきたので、今日はもう一度最初から全般にわたって御議論をいただいて、できれば次回には最終報告書をまとめるという方向で議論を進めたいと思う。

  • 資料「検証委員会 検証・検討状況(主な意見等)について」により委員長から説明

(委員) 再生土が埋め立てられているのは、山砂利採取という平面的な大きな自然改変事業の中の一部分に止まっている。全平面に再生土が埋め立てられているとすればこれは大変であるが、堤と言う特殊な形状で埋められている。こういう部分的、局所的な影響は、科学的には否定できないが、総合的に見て再生土の影響が山砂利採取事業をやっている事業所外の周辺に影響が及ぶことはほぼないと思う。 
 また、飲料水と貴重な水資源の地下水に影響を及ぼすことはまずないと考える。 

(委員長)この問題の一つの焦点は、公社が行った井戸水のモニタリングの結果で、2箇所でヒ素が、1箇所で水銀が検出されたことである。これが一番ポイントであり、今回の再生土の搬入と関係がある話かどうか。もう一つは、将来的にpHの高い再生土の影響で、自然に存在するヒ素が溶出されて、影響を与えるのではないかという、この2点である。 

(委員)公社のモニタリングによって山砂利採取事業所敷地内の2箇所で環境基準を超えるヒ素を検出しており、原因究明のために地質ボーリング調査等を実施している状況だが、結論的に言えば再生土の影響によって出ているとは考えにくい。

(委員)地盤工学的には、試験結果を見る限りでは、将来、どういう基礎として使うかということで変わってくるが、現状ではそのままにしておいても問題がないと思う。

(委員長)1万6千数百台のうち3000台、これがおそらくは京田辺市と同時期なので、京田辺市に搬入された再生土については、汚泥の状態であった。従って、これは廃棄物処理法違反で告発され、起訴もされた。
 ところが城陽の方は、告発時には約1年ぐらい経って、既にある程度固形化しており、その時点で汚泥という確認ができなかった。たぶん搬入された時は汚泥だったけれども、その後、固形化されたので現時点では搬入された時に汚泥であったという確実に立証できる証拠がない。おそらく同じ時期だから同じものだろうという推定が働くが、確実な証拠がないということで、不起訴になったというのが刑事告訴の状況だと思うので、改めて確認しておきたい。

(委員)pHが高いという話がこれまでもあったが、今の再生土のpHが高いものを中和させるような行為は、できるのか、できないのかその辺のことをこの際お伺いしたい。

(委員長)何かその薬剤を撒いて、中和することはできないのか。

(委員)私も直接の専門家ではないけれども、おそらく地表から酸性のものを撒いて地下にある土壌の塊を中和するというのは、簡単なものではなく、そんなにうまく混ざるわけがないと思う。それからもう一つは、汚泥状のものに、例えばセメントのようなものを混ぜて強度を増しているとすると、今度は酸を入れてpHを下げてやると、コンクリートが酸性雨に洗われて強度が落ちてしまうということを積極的にやることになるので、逆に固形状態じゃなくて、元の状態に戻る可能性もある。そういうことも確認して対応した方がよいのではないかと思う。

(委員)再生土は高アルカリだけれども、そのアルカリは外に出てくるのか、というところに興味がある。大量に溶け出してくるのであれば地層の緩衝作用をオーバーすることになるが、これだけの地層の中に少量溶けだしても問題は無いのではないかと思う。
 例えば高アルカリが自然の中に入った時にどうなるかと言えば、時間とともに中和してくるわけで、例えば酸性雨が降ったらそうなる。
 それからもう一つ、中和させるための中和剤の方が、ずっと悪いのではないかと思う。今までの地下水への、地下鉄の工事でも、入れた薬剤の方がはるかに悪いという場合がある。そのへんのことを十分注意してやるならやるということだが、やる必要はないと思う。

(委員)事業所の敷地でヒ素や水銀の地下水濃度が変化しているし、事業所外では民有の井戸で水銀が出てきている。これは自然由来のもので、山砂利採取地域全体での地表面条件や降雨浸透条件、その他、地下水流動、地下水位、流れ方の長期的な変動などの中で出たり出なかったりしていると判断している。
 残土埋立てが行われている事業所内では確かに地下水のヒ素が環境基準をオーバーしており、その事業所では再生土も使われているけれども、私が事業所外に再生土の影響が及ぶことはまずないと種々の条件や知見を踏まえ、総合的に判断している。それから城陽の水道水に利用するようなレベルでの影響はない。
 敷地内で環境基準を超えるヒ素や水銀の件だが、これについては自然であれ人為であれ、基本的には事業所外に影響を及ばさないことが原則になる。どういう原因か、公社が現在、究明をしようとされているが、それぞれの事業者も、自分の所の足元の地下水で環境基準を超えているわけなので、それは人為的なものか自然なのかによらず、どういう状況になっているのか、影響はどうかなど、十分に関心と、或る意味での責任感を持って対応していただきたいと思う。公社は当然、その原因究明をいろんな観点からやっていただけるものと思っている。

(委員長)次の覆土の行政指導に至るまでの法的検証について、これは何度も議論してきたが、京都府では、搬入された10トンダンプ約16,300台分の再生土のうち約3,000台分を産業廃棄物と判断された。
 現物を確認して産業廃棄物と判断したわけではなく、京田辺市に搬入されたものと同じ物が搬入されているはずだから推定するという判断をした。廃棄物処理法に基づく措置命令は発出できないということで、行政指導により、山砂利採取業者に覆土を行わせることにしたという経過があった。この一連の経過と行政の判断について、どうなのかということで検証を行ってきた。 

 京都府は、搬入業者を委託基準違反で告発したが、平成19年5月11日不起訴処分となった。委託基準違反というのは、廃棄物処理法で廃棄物処理業者でないものに産業廃棄物の処理を委託したということで廃棄物処理法違反だということである。それは、先に言ったように搬入された段階ではどろどろの汚泥の状態だったのではないかということが1つ、ところが現時点ではかなり強度が進んでいる。最終的に持ち込まれた当時は汚泥であったかどうかについて、検察庁としては証拠が乏しいということで不起訴としたと理解している。

 再生土が持ち込まれたことは違法である。現に廃棄物の処理としては違法であるが、これに対して何ができるかということについては、法律の規定に従うことになる。問題は措置命令が出せるかどうかということだが、生活環境保全上の支障が生じ又は生じるおそれがあるという場合は撤去という措置命令が出せる。

  ところが、今回は措置命令までは出せるかどうかは難しいのではないかという判断に至った。これは特に有害物質が含まれていなかったという要素が大きかったと思うけれど、そういう判断をしている。これは行政が権力を行使して措置命令を出すというのは法律の根拠がないとできないので、今回のケースでは措置命令を出せないという判断については止むを得なかったのではないのかということが1点である。

 次にどういう行政指導をするのかについては、特に制限があるわけではない。しかし行政指導は行政手続法の規定があり、相手方の同意がなければ、従わせることはできない、従わせるように強制することは違法である。要するに事実上でも行政の圧力で強制させることは厳に慎まなければならないというのが行政手続法の規定にあるから、それを強制するということは違法になるであろうと思う。 

 それから行政指導の内容だが一応、制約はないが、自ずと限界があり、あまりにも不当な要求を業者等にする、あまりにも過大な要求をするというのは行政指導が行き過ぎであるという議論になると思う。その場合に対策の効果と費用との比例原則という行政法、一般にも通じる原則から行政指導には自ずと限界があるのではないかということである。

 更に行政指導の範囲を逸脱して相手方を従わせることは違法であるということになるが、行政がこれに代わって公金で措置をした場合には、場合によれば違法な支出として、例えば住民訴訟などの裁判で自治体が敗訴することもあり得ないわけではないと思う。一方で、主な市民意見はここに書いたように「撤去すべきだ」という御意見である。この前、市民の方から御意見を拝聴した時には、もうほとんどの方がこの意見であり、私も心情的には非常によく分かる。違法に持ち込まれたものが撤去されて元の状況になれば一番いい、不安感もなくなるが、法的にそれを実現させるということはなかなか難しいのではないかというのが今回議論してきただいたいの方向性である。

(委員)項目的に4点あり最初に措置命令を出す要件のところの、「おそれ」という言葉があるが、これは単なる不安は含まないということを再確認しておく必要がある。現実的なおそれであるから、有害物質の数値が上がってくる等が見られない限りは措置命令を出せないということなので、法の要件、読み方としてはそこが一番重要なところになる。
 2つめは行政指導の一般の性質の説明ということで御理解いただけたと思うが、行政指導について先ほど委員長からお話にあったように相手方の同意がいるというのが非常に重要なポイントである。少し飛ぶけれども市民意見のところに一番最後に「撤去させている事例があるのに何故覆土なのか」という紹介があった。 

 前回、御意見をお伺いしたが、この時、「行政の指導によって撤去させている」という言い方になるが、実は撤去したのは相手方の事業者が合意したからで、任意にそれに応じたからだという中身が入っているわけで、行政指導をすれば「させられる」ということはありえないということをここで再確認しておく必要がある。

 そうすると強制的にできるというのは法の要件である生活環境保全上の支障が現に生じているか生じているおそれ、おそれの範囲には含まれないのであれば、その要件を満たすような事情が発生した場合に措置命令ができる。それ以外の場合は、行政指導しかできない。行政指導は繰り返しになるが、強制力を伴わないので、相手方が任意に従ってくれる、話し合いの中でそういうことが必要だと納得してもらってその限りで応じていただくという関係が生じた時のみ有効になることを再確認しておく必要がある。

 「行政が撤去すべきである、再生土を撤去すべきである」ということについていくつか更に具体的な検討項目が出てくるが、まず「再生土を撤去すべきである」という時の根拠法令が見つからない。措置命令ができないのであれば、何に基づいて行政的な手段を使って、撤去するのかという法的根拠を見つけるのが難しいということになる。行政指導でやるのであれば、業者側がそれに対して任意に応じる、同意する、任意の中には渋々応じるというのも入るが、応じるということが必要になる。

 産廃認定としての認定がそもそも前提としてできるのかという議論が出てくる。撤去すべきという感情はもちろんよくわかるが、法律の議論として論点を貫徹することは非常に難しいのではないかと思う。その下に「行政にも責任がある」という言葉があり、この場合についての責任は適正な措置をとらないといけないという責任と行政が加担する、あるいは不作為によって住民に被害がおこった場合の損害賠償責任という大きな2つの責任がありうるが、いずれにしても前者については行政が措置を執らないといけない責任は先ほどの法的根拠等からまず出てこない。

 また、現実に被害が起こった場合の損害賠償、あるいはそのおそれというのも現在のところでは先ほど委員長が言われたように出てこないということになっている。結局、法的措置としては、今までとられている範囲をこえるようなものは考えにくいのではないかというのが全体としての感想である。

(委員)確かに法的に措置命令は出せないというのは私もそうかなと思っている。ただ実際に特に逆有償で入っているわけで、そういう意味でいえば再生土を受け入れた山砂利業者は一定の利益を生じているので、違法ではないが、ただ実態の話としてどうなのかという率直な市民の意見がある中で、行政指導の余地というか撤去に向けた行政指導なり、話し合いなりができるのではないかという思いがある。

(委員)行政指導というのは、最後の最後に法的効果を出すか出さないか。法的効果というか強制力を持つか持たないかというのは相手の任意にかかっているというしくみである。
 行政手続法という法律の条文では真摯に従っている間は行政指導はできるけれども、明確に拒否の意思表示をした以降に行政指導するのは違法であると書かれている。
 中身について合理的根拠に関わるわけで、今までシートをかけるとか覆土であるとかいう行政指導をして従っていただいている方法である。根拠を示して行政指導をするというところまでは少なくても問題ない。あとは費用とかの計算で従っていただけるかどうかという現地での対応となる。

(委員長)京田辺市の事件も産廃でないということで争っている。汚泥でなくて土なのかということが多分、争いになっているのではないかという気がする。それでこちらにどういう状況で持ち込まれたのか、汚泥という状況で持ち込まれたのか、汚泥といえない土という状況で持ち込まれたのか、1年経っており、現状では固形化しているのでそこの証拠は先ほどから言っているようにない。
 もう1つは城陽の件は、堰堤の補強として使われている。汚泥の状態で持ち込まれたのか、汚泥の状態で持ち込まれたのに気付かなかったのかという疑問があるということになると京田辺市に持ち込んだ物は検察の主張によると汚泥ということになるが、同じ時期に持ち込まれたからといって、こちらは同じ物だったという推測が成り立つのかということについても確定的には言えないものがあるという気がする。

(委員)今、委員長の御発言の中で少しわかりにくかったところがある。仮に汚泥と認識されれば行政指導をかけて撤去命令は出せるのかである。措置命令が出せるのかどうかは、単なる不安でなく生活環境保全上の支障があるかどうかという判断で、汚泥かどうかというのは別の問題だと理解したが、これは間違いか。

(委員長)私の理解では、それぞれ要件が違う。つまり、産業廃棄物を資格のない者に委託したということで、廃棄物処理法違反、これは産業廃棄物かどうかというのが問題になる、それは刑事事件の話。刑事事件で委託義務違反として処罰するためには、産業廃棄物を資格のないものに委託をしたということで問題になるので、まさに汚泥かどうかということが問題になる。
 行政が出す措置命令の方は、産業廃棄物かどうかだけを要件にするのではなくて、生活環境保全上の影響があるかどうかを問題にしているから、仮に産業廃棄物の不法投棄であったとしても、生活環境保全上の影響があるという要件にあたらなければ措置命令までは出せないのではないかというのが私の理解である。

(委員)基本的にはまず産業廃棄物3,000台分、これについての撤去の働きかけが可能であると思う。あと16,300台分の全体の部分についてはpH対策、これは別個にあると思うが、いわゆる撤去という話になれば産業廃棄物として認定されている3,000台分の扱いが重要ではないかと思う。

(委員長)私の理解では、当初まず産業廃棄物であったというのは、先ほど申し上げたように確定的には言えない。仮に産業廃棄物の状態だったとしても、汚泥の状況だったとしても現在は固形化している状況である。pHが高いから再生土を撤去しろということであればこれは16,300台全部を撤去せよということにならざるを得ないのではないか。例えば今、汚泥の状態で積み上げてある、これは産業廃棄物なので現在も産業廃棄物だからこれを撤去しろというのはわかる。
 しかし、今は、少なくても産業廃棄物として認定できるかどうかわからない。そうすると元産業廃棄物だったから3,000台分だけ撤去せよと残りの13,000台はいらないという議論は筋が通らないと思う。

(委員)私の認識では、再生土について、日本興産から京田辺市に入った同じ時期に不適切処理されたものが産業廃棄物として認定されたと思っている。それと元々逆有償で入っていたということもあり、総合的な判断で産業廃棄物と認定されたのではないか。ただ有害性はないけれども産業廃棄物としての有害性の部分とは関係なしに処理の仕方として産業廃棄物として認定されるケースもあると考えている。

(委員)京都府が認定したということは取り敢えず不起訴のところで否定された。京都府の認識がそうだからという論理を法的な意味で貫徹するのは無理だと思う。「京都府が当初、言ったじゃないか。だから、そのとおりにやれ」というのは不起訴処分で多分リセットされているという理屈が成り立つだろうと思う。

 城陽市の条例でも何らかの対策がとれるのではないかと考える。行政指導をするという主語がどこかよく分からないが、公社なのか府なのか城陽市なのか。城陽市の条文上でいえは、何らかの措置がとれるわけで、京都府が認定したから京都府の認定どおりやりなさいということではない。廃棄物処理法の条文上は委員長のおっしゃったとおり汚泥かどうかということであり、19年5月11日の不起訴というのは、これは重い話になってくると思う。

(委員)公社は公共残土と民間残土の埋立てをするという機能を持っており、イメージ的に跡地の用地なり土の移動そのもの、地域全体を公社が管理するイメージであればそうではなく対象が限定されている。それから市の条例は、もともと公共残土だけが公社を通じて入っていたが、民間残土は急崖地の復旧をするという事業所の責任でやってきたという経過があり、だいぶ量が増えてきているので、きちんと条例に基づいて管理していこうということで公共残土と民間残土を対象にした。

 ただ今回のケースは、いわゆる採取場の認可は京都府がやっているわけで、その時に当然、採取場の後の安全対策として堰堤の補強とか、これは京都府の方で管理してもらっている。その中で「堰堤を補強しなさい」という指導がされて補強するために建設資材として入ってきた。そうすると市の条例というのは、全てのものを対象にするということになっていない。

 今の条例を見ていただいたらこれを援用して広く適用したらというのはわかるが、もう一度条例制定の経緯なり、運用の実態なりからいうと今の時点に遡ってというのは難しいという思いがある。また、産業廃棄物として認定され、対応されているわけだから、やはり京都府の所管として指導してほしいというのが私どもの考えである。

(2)産業廃棄物を搬入させないための対策について

(委員長)再生土は「資材」という名目で搬入されたが、城陽市の条例上で定めている「資材」と「土砂等」の概念があいまいではないかという意見が出されたので、城陽市では現在、条例改正を検討しており、しかるべき改正をしてきちっとしたらどうかということがある。
 それから、検査・監視体制が一番問題であり、十分であるかどうかについての検証を行った。山砂利採取跡地の復原に向けた全体計画を示した上で個別の埋戻しを検討し、目的にあった埋戻し材(残土)とその他の資材の基準等を決めるべきではないかという意見が出されており、公社では、19年度から、荷下ろし現場での目視検査、夜間パトロールの毎日実施などの監視強化を図ることとしておられる。

(委員)条例を見直して、山砂利採取跡地に入ってくる土砂類、資材も含めて全て監視下におき、チェックできる形でいきたい。ただ建設資材を許可の対象にするのは非常に難しい面もあり、跡地に入ってくるダンプカー、土砂等を積んでくるものについてはすべてをチェックする。
 建設資材についても、今回のように本来の建設資材であればこんな問題は起こらなかったので、それらについても市だけの体制では難しい面もあるが、京都府の御指導もいただきながら届出制というような形で事前のチェックと事後のチェックという形で対応していきたい。

(3) 地下水への影響に係る市民の不安に対する方策について

(委員長)特に井戸水の安全性について、再生土の搬入やヒ素、水銀の検出などから、地下水や上水道に対する市民の不安感を払拭するために、城陽市あるいは公社が実施している措置の検証・検討を行ってきた。
 民間の井戸水の水質検査で、140箇所のうち1箇所の井戸で水銀が地下水環境基準を超えて検出されているということであった。ただ、この井戸では平成3年頃にも同じように水銀が検出されているようなので、再生土の搬入とは関係ないのではないかというのが大方の御意向でなかったかと思う。
 それから市民の不安感を払拭するための方策については、まず科学的データをきちんと出すこと、それから情報公開を徹底して行うことが必要になる。基本的には城陽市の方で情報公開をしっかりやっていくということが不安を解消するための最大の策であるという意見が出されている。
 山砂利の採取という大規模な自然改変が長期間にわたり行われ、将来にわたる地下水への不安感につながっていると思われるため、環境の保全、防災対策などの総合的な地域計画を示すことが必要ではないかという意見も出された。

(委員)再生土の問題は、非常に限定的で実際的に生活環境に影響を与えることはないであろう。そしてそれを確実に確認するためには、覆土とモニタリングが重要で、万一実際的な影響が生じる可能性が生じた時には対応をとるということを前提にして、生活環境への影響を防止できると考えている。
 現状では地下水だけの情報をみても何かぽつんぽつんとしている感じである。流向、流速、水位、水質、これも外部の要因、条件が変動することによって何か変化が生じているのかどうか、動向を科学的にきちんと把握することが大切である。そのための計画や実行がないと城陽の地下水保全で市民が不安に感じることに対処できないのではないかと思う。私はそれの方が重要で、それが実行される中で再生土問題に対処するための情報が得られてくるし、また対応ができると考えている。

(委員長)私も基本的に同じ意見だが、今回の再生土の問題で市民の不安が拡がったというのは、単に再生土の問題だけでなく大規模開発というのが背景にあると思う。大規模開発がなくて再生土の問題だけなら、これだけ大きな不安感が及ぶようなことはなく、やはり漠然としたあの大規模開発自体に不安感があると思う。その中の再生土の問題だということを城陽市もきちんと認識される必要があると思う。

(委員)私もまったく同じような感じを持った。私としては、城陽市としてこの地域の飲料水源としての保全をどの程度重要視されているかもう少しきちんと検討される必要があると思う。ある時点において、例えば地下水に頼らない、例えば府営水道を利用する方向に行くという考えがあるのかどうかとか、この地域に対する水源についての方針を持たれるべきであると思う。もし、当分の間、水源の保全を重要視されるのであれば、もっと水源の監視体制が必要であると思う。

(委員)水源については、城陽市は上水道の80%を地下水でまかなっており、非常に厳密な調査をし、監視体制においており指摘のとおりきちっと安全対策、水源確保について、十分な対策がとれていると思っている。来年ぐらいには地下水面の構造を解明できる見込みになっているので、それを踏まえながら安全な水源確保の対策を更にしていきたいと考えている。

(委員長)次回は事前に各委員から提出された意見をまとめて最終的な報告書を作成し、承認いただく形にしたい。よろしくお願いしたい。 

6 参考

<会議資料> 

 次第(PDF:16KB)

 資料(PDF:674KB)

 

 

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