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京都府レッドデータブック2015

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京都府の甲殻類相およびその他の淡水産無脊椎動物

府内で確認された淡水産大型甲殻類は6目13科21種群で、うち外来種はアメリカカブトエビ、フロリダマミズヨコエビ、カワリヌマエビ属の数種、アメリカザリガニ4種群である。ここには小形甲殻類プランクトン種や小型底生動物は含まれていない。

大型甲殻類には、(1)ミゾレヌマエビやモクズガニのように、卵サイズが近縁種に比べて小さく、幼生期をプランクトンとして海で過ごし、稚エビ期に河川に遡上する両側回遊種、(2)ミナミヌマエビ、サワガニのように、卵サイズが比較的大きく、幼生期を卵内で過ごし、稚エビや稚カニでふ化する直達発生種、(3)ヌマエビ、スジエビ、テナガエビのように、幼生期をプランクトンで過ごすが、その時期に必ずしも塩分を必要としない種が知られている。

(1)のグループは、海に注ぐ河川にしか生息しないため、府内では大阪湾に注ぐ淀川水系および日本海に流入する小河川から報告がある。(2)のグループは、主に河川の上流域や支流に生息し、府内では淀川水系、日本海に流入する小河川での記録がある。(3)のグループは、淀川水系等の河川のみならず、府内のため池や水路など様々な淡水環境に広く生息している。ナリタヨコエビは琵琶湖固有種であるものの、琵琶湖から流出する宇治川にも生息が確認されている。さらに、宇治川には外来のフロリダマミズヨコエビが多数生息している。このように、同所的に生息する種であっても、府内に生息する甲殻類各種の生活史および起源は様々である。ただし、府内各地の水生動物相については、調査が不十分であるため、今後さらに新たな記録種や分布域が見つかる可能性は高い。

甲殻類以外の淡水産無脊椎動物では、刺胞動物門1目1科1種、外肛動物門1目1科2 種、海綿動物門1目1科2種、扁形動物門2目4科7種、環形動物門5目9科10種群が、文献調査及び府内の河川、ため池等の現地調査で確認されたが、調査に出るたびに新記録種が発見されており、研究が進めば今後さらに記録種が増えるのは間違いない。

種の選定基準

種の選定に当たっては、(1)京都府内の生息地が限られ、絶滅の危険が増大している、(2)個体数が非常に少ない、(3)かつては普通種であったが、最近は著しく減少している、(4)隔離分布をするなど全国的にみて特異な分布をする、(5)京都府がタイプ産地になっている、(6)情報が不足している、という6つの事項に配慮した。そして、京都府のカテゴリー定義にしたがって、府内での記録が少なく、かつ近年の生息が確認されていない種を絶滅寸前種、府内での生息地が限られ、個体数が少ないか減少している種を絶滅危惧種、府内における個体数がもともと少ないか近年著しく減少している種を準絶滅危惧種、情報が不足している種を要注目種とした。

選定種の概要

府内で確認された甲殻類21種群およびその他の淡水産無脊椎動物22種群の計43種群から、絶滅危惧種1種、準絶滅危惧種2種を選定した。これらの3種は、いずれも生息環境の悪化、農薬等の流入、外来種との競合によって、全国的に生息数が減少している種である。そのほかに要注目種として3種を選定した。これらはいずれも、近縁の外来種の影響などにより減少の恐れがあるものの情報が不足している種である。

執筆者 竹門康弘、西野麻知子

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