選定理由 | かつてはミチオシエなどと呼ばれるくらいに平地の砂地に普通に見られた種類であるが、急速に衰退して産地の確認が必要となった。 |
---|---|
形態 | 日本産ハンミョウの中で随一の美麗種。どの昆虫図鑑にも掲載されている。 |
分布 | 北海道を除いて、ほぼ日本全土に分布、地域的変異があって、亜種名がつけられている島嶼もある。 ◎府内の分布区域 冠島の記録は見ないが、丹後半島から南山城村まで広く分布。ただ普通種であったためか記録数は意外に少ない。 |
生態的特性 | 幼虫、成虫ともに肉食性である。幼虫はやや湿った粘土質の土壌に穴を掘って生息していて、その巣の付近の地表性の昆虫や小動物を引きこんで食べるという。 |
生息地の現状 | 府内で本種が命脈を保っている産地の調査が必要である。 |
生存に対する脅威 | 平地における開放空間の減少と道路のアスファルト舗装による交通量の増加が本種衰退の主因と思われる。 |
必要な保全対策 | 平地における開放砂地空間を意識して確保することが必要となるであろう。 |
改訂の理由 | 2000年ごろまで都市近郊の平地や浅い山地で普通にみられたが、その後都市域の道路や平地の開発整備に伴って、個体数の減少とともに分布域が狭くなった。 |
執筆者 芦田久(補筆:吉安裕)