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翼手目ヒナコウモリ科

クロホオヒゲコウモリ

Myotis pruinosus Yoshiyuki, 1971
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
クロホオヒゲコウモリ (C)前田喜四雄

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選定理由

樹洞を昼間の隠れ家にするコウモリであり、それが存在する大木が激減し、樹洞が消失し、隠れ家がなくなりつつあるため。

形態

日本では最も小型のホオヒゲコウモリ類に属し、コウモリとしては地味であまり目立つ特徴はない。

◎近似種との区別 小型ホオヒゲコウモリ類の褐色の体毛と異なり、黒い体毛に銀色の金属光沢を帯びる刺毛が特徴である。

分布

本州、四国、九州の標高の比較的低い樹洞をもつ大木の残る林から記録があるが、分布地はあまり多く知られていない。

◎府内の分布区域 南丹市美山町京都大学芦生研究林の林内の大木が残されている地域から知られるのみであるが、ほかでも大木が数多く残されている原生林などで発見される可能性がある。

生態的特性

昼間は樹洞を隠れ家にし、夕方に隠れ家から飛び出して、飛翔する昆虫類を採餌する。出産は初夏であり、産子数は1である。昆虫類が飛ばない冬期には冬眠する。

生息地の現状

本来は照葉樹林帯の樹洞を昼間の隠れ家にするコウモリであると思われているが、日本から照葉樹の原生林が全て消失し、現在では夏緑広葉樹林帯(ブナ帯)下部で細々と生き延びていると思われている。現在は、本種の生息は南丹市美山町芦生のブナ帯から知られるのみであるが、個体数はあまり多くないと想像される。京都府はおろか日本全体で生息個体数が非常に減少していることが推測されている。

生存に対する脅威

昼間の隠れ家、すなわち照葉樹をはじめとする樹洞をもつ大径木のある原生林の消失。

必要な保全対策

まず、本来の昼間の隠れ家である樹洞を今後一切減少させない。大径木の樹木を伐採しない。現在残されている大木を全て保存する。

文献 遠藤(1976)、前田(2001)

執筆者 前田喜四雄

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