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翼手目ヒナコウモリ科

ユビナガコウモリ

Miniopterus fuliginosus (Hodgson, 1835)
京都府カテゴリー

絶滅寸前種 

2002年版 要注目種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー なし

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選定理由

生息洞窟の減少や消滅などによる生息環境の悪化によって、個体数が激減している。

形態

翼の長さが極端に長いのが、このユビナガコウモリ属の特徴である。

分布

本州、四国、九州のほか、いくつかの島部。

◎府内の分布区域 近畿各地から知られ、京都府からも生息が想像されていたが、ついに京都市右京区嵯峨水尾の隧道から生息が確認された。

生態的特性

昼間は洞窟を隠れ家にし、数千頭の群れをつくる。近畿各府県から生息記録があるが、近畿地区における出産哺育洞窟は和歌山県の白浜1か所のみである。ここに出産前の6月に妊娠したメスが集合し、中旬から7月はじめにかけて出産し、ついで子育てをし、8月中旬ころから移動をはじめ、9月中旬にはすべての個体がこの洞窟から姿を消す。

生息地の現状

京都市右京区嵯峨水尾の隧道で2010年に約200頭の群れが見つかった。まだ生息確認はこの1か所であるが、今後の調査により他地域でも発見される可能性はある。

生存に対する脅威

鍾乳洞など洞窟の環境悪化、洞内での人による妨害。人工洞の消失。

必要な保全対策

昼間の隠れ家である鍾乳洞や鉱山廃鉱などの洞窟類の環境を変えない。コウモリが利用する洞窟に人が入らない、洞内でたき火を絶対にしないようにする、懸下するコウモリに灯りを照らさない、及び触らないようにする。そのために、コウモリが利用する洞窟に、人が入れないような、しかしコウモリが通れるような扉を設ける。観光鍾乳洞の場合は、コウモリの一年を通した移動や個体数変動を調べて、観光客のための灯りを確保する場所を決定する、及びコウモリの移動や懸下が妨げられないようにする。

改訂の理由

近隣の府県からは生息情報があったが、京都府からはこれまで記録がなかった。しかし、新たに京都市から生息が確認された。

文献 浦野ほか(2011)

執筆者 前田喜四雄

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