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京都府レッドデータブック2015

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イシガイ目 カワシンジュガイ科

カワシンジュガイ

Margaritifera laevis
京都府カテゴリー

絶滅寸前種 新規

2002年版 リスト外
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)

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選定理由

府内の生息地が限られ、個体数も少ない。

形態

殻は長卵形で、厚く硬い。背縁は前方に斜めに傾斜し、前縁は楕円形に突出する。殻長は通常15㎝を超えない。前閉殻筋痕は丸い耳状である。幼生は円形で、殻長は0.07㎜である。

◎近似種との区別 コガタカワシンジュガイでは、前縁は丸く、前閉殻筋痕は尖った耳状である。

分布

北海道と本州に分布し、国外ではサハリン(樺太)に分布する。府内では由良川水系の上林川で確認された。

◎府内の分布区域 由良川水系。

◎近似種との比較 北海道では近縁のコガタカワシンジュガイと混生している河川が多いが、本州ではコガタカワシンジュガイが確認されているのは5水系にすぎない。

生態的特性

夏期の水温が20℃を超えない、清冽な水が緩やかに流れる水域の礫~泥底に生息する。成長が良好であると短命で、成長が悪いと長寿となる。8年(殻長約5cm)で性成熟し、最大寿命は約150年と推定されている。水温が10℃を超える頃に幼生が放出される。このため、繁殖期は場所によって異なり、多くの場所では春であるが、遅いところでは夏になる。メスは1繁殖期に1回しか妊卵しない。放出された幼生はヤマメやアマゴの鰓に寄生して成長し、40~50日後に殻長0.3~0.6㎜の稚貝となって脱落する。

生息地の現状

発見された水路はその後の道路工事で破壊されてしまったが、まだほかの場所に生息している可能性がある。

生存に対する脅威

河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。

必要な保全対策

河川や用水路の改修の際には貝類の調査を行い、本種などの生息を確認する必要がある。改修に当たっては土砂を入れた保護区域を設定し、改修後に貝類が生息できる環境を創設する必要がある。また、宿主のヤマメやアマゴの保護も必要である。

改訂の理由

京都府での生息が2003年に新たに確認されたが、その後の調査では見つけることはできなかった。しかし、まだ生息している場所が残っている可能性がある。

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