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京都府レッドデータブック2015

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地質

けいしゃふせいごう

傾斜不整合

京都府カテゴリー

消滅

2002年版 消滅 2002年版を参照する
精華町下狛僧坊

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分類

構造

細分

不整合

時代区分

新生代第四紀更新世

地域

精華町下狛僧坊

選定理由

近畿地方の盆地形成、すなわち約40数万年前の地殻変動を示す。

分布

近畿地方内帯の丘陵縁辺に見られるところがあると考えられる。

特徴(特異性)

生駒山地北東の田辺丘陵、現在は広く京阪奈丘陵と呼ばれる大阪層群の丘陵東縁に掘削によりできた露頭である(小村 1975)。大阪層群下部の第一海成粘土層(Ma 1)が東へ傾斜し、それを切ってほぼ水平に大阪層群最上部層が乗っている。これはMa 8堆積後に起った断層ブロック運動(藤田 1990)を示す(活断層研究会編 1991)。Ma 8は酸素同位体期13にあたり、その後数万年以内に断層ブロック運動が起こったということなので、それは酸素同位体期12の氷期で、約45万年前である(石田 2000)。これは近畿地方内帯の断裂と山地の上昇、盆地の沈降を示すもので、それまでの基盤褶曲の緩やかなうねりが断層面を境として基盤岩が上昇・下降した。また丹波帯ではこの断裂(共役断層)によって、現在見られる山間盆地ができたことを示す。

大阪層群最上部層を高位段丘堆積物という人がおり、そうではなくてそれを満池谷層と呼んで、高位段丘堆積物はその上に不整合に乗るという人もいる。

小村(1975)と活断層研究会編(1991)の掲載写真はいずれもモノクロームであるが、京都地学教育研究会編(1974~1986)にはカラー写真が載っている。

現状 露頭は掘削されて住宅地になっている。

地質文献一覧

執筆者 石田志朗

精華町下狛僧坊の傾斜不整合 1975年 小村良二撮影

精華町下狛僧坊の傾斜不整合 1975年 小村良二撮影

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