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京都府レッドデータブック2015

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地質

たかつきそうさがん

高槻層砂岩

京都府カテゴリー

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2002年版 リスト外
亀岡市西別院町大槻並

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分類

岩石

細分

堆積岩

時代区分

古生代

地域

亀岡市西別院町大槻並

選定理由

高槻層の主たる分布域は大阪府豊能郡能勢町から箕面市、高槻市、三島郡島本町にわたる地域である。超丹波帯高槻層は、丹波帯Ⅲ型地層群の上に重なるナップをなし、多重構造の形成を考える上で重要である。

改訂の理由

2005年の地質図幅調査で新たに発見された。京都府内の高槻層の分布は、この付近に限られる。

分布

大阪府高槻市に多く分布する。

特徴(特異性)

京都府には亀岡市東別院町南掛に分布するのみである。本層は坂口(1958)によって定義され、宮地ほか(2005)や楠ほか(2011、2013)によって現地性緑色岩を含むペルム系と再定義された。砂岩は暗灰色の細粒から中粒の成層砂岩を主体とし、暗灰色の泥岩が挟在される。本層は、砂岩の年代、化学組成、鉱物組成から超丹波帯淵垣層に対比され(楠、武蔵野 1991、武蔵野 1996)、砂岩組成区(楠 2012)からは舞鶴層群上部ペルム系の共通後背地─同時堆積系統の淵垣層砂岩(木村 1988)とされている。舞鶴層群が「背孤海盆の堆積物」と指摘(八尾 2007)されていることから、高槻層砂岩も同様の島孤、背孤海盆に堆積した砂岩と考えられている(楠、丹波地帯研究グループ 2013)。超丹波帯高槻層はトリアス系丹波帯Ⅲ型地層群の上位にナップとして重なり、これら多重構造を考える上で重要といえる。

現状

高槻層の主たる分布域の高槻市や島本町では、採石として利用されているが、東別院町別院中学付近の高槻層は採石するほどの量は産出せず、道路の切り割りで露頭で見られる程度である。

保存に対する脅威

京都府内の高槻層は層厚が薄く、限られた地域に分布するため大規模開発による消失が懸念される。

必要な保存対策

現在の状態で十分観察可能で、崩壊などの可能性も少ないことから現状保存が望まれる。

地質文献一覧

執筆者 楠利夫

別院中学前の露頭である

写真は別院中学前の露頭である

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