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地質

きょうがみさきのでいさいと

経ヶ岬のデイサイト

京都府カテゴリー

要注意 新規

2002年版 リスト外
京丹後市丹後町袖志

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分類

岩石

細分

火山岩

時代区分

新生代新第三紀

地域

京丹後市丹後町袖志

選定理由

グリーンタフ地帯における鮮新世の火山活動を示す火山岩体で、とくに柱状節理が美しい。ジオサイトの一つになっている。

改訂の理由

鮮新世の珪長質火山岩で、年代が明らかなものとして重要である。

分布

鮮新世の火山岩としては、但馬地方に広く分布し多様な火山岩・火砕岩・堆積岩からなる照来層群、丹後半島東部に分布し流紋~安山岩質の火砕岩・堆積岩類からなる伊根層群がある。

特徴(特異性)

全岩化学組成のうちSiO2の重量パーセントが64.15パーセントで、デイサイトに分類できる。3.76±0.19Maという放射年代(山元、星住1988)が報告されていて、新生代新第三紀鮮新世に噴出したものである。伊根町の船津山、レーダーサイトのある岳山も同じ岩体で、岳山西麓にあたる袖志南東方の谷では、網野層と考えられる泥岩層を本岩体がおおうことが確認できる。海岸部では火道角礫岩と考えられる露頭が観察できる。また海岸部では、柱状節理が発達した火山岩体が広範囲に見られる。とくに海上から見ると、これが、万巻の経巻を立てたように見えることから経ヶ岬と命名されたと江戸時代末期に宮津藩で編まれた地理書『丹州宮津府志』に書かれている。1898年に完成した経ヶ岬灯台の建築の石材として利用され、灯台下の海岸の露頭では、採石の際のノミの跡も残されている。

現状

岬の先端にある写真の露頭は、ほとんど人は近づかないところである。

保存に対する脅威

現状では破壊や崩壊の恐れはない。

必要な保存対策

とくになし。

地質文献一覧

執筆者 小滝篤夫

経ヶ岬灯台下の柱状節理。採石のノミ跡が残っている 2013年 小滝篤夫撮影

経ヶ岬灯台下の柱状節理。採石のノミ跡が残っている 2013年 小滝篤夫撮影

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