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京都府レッドデータブック2015

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地質

なきすな(なりすな)

鳴砂

京都府カテゴリー

要注意 新規

2002年版 リスト外
京丹後市網野町掛津ほか

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分類

堆積物

時代区分

新生代第四紀完新世

地域

京丹後市網野町掛津ほか

選定理由

風化した花こう岩より供給された主に石英砂からなり、砂浜の汚染の指標にもなる堆積物である。ジオパークのジオサイトの一つである。

改訂の理由

2007年に国の天然記念物に指定された貴重な堆積物である。

分布

鳴砂の浜は国内に30か所あまり分布するとされている。丹後地方では、京丹後市久美浜町の湊宮から丹後町袖志までの砂浜海岸に鳴砂が分布する可能性がある。

特徴(特異性)

丹後地方に広く分布する古第三紀の花こう岩から供給された石英砂を主とする堆積物である。風化した花こう岩から竹野川、福田川などの河川で海まで運ばれた石英粒が、沿岸部の海底で波に洗われ円磨され、粒度がそろったものが海岸に打ち上げられて鳴砂になる。鳴砂の音は砂粒の摩擦によって発生する。砂粒表面の汚れや砂粒間の異物によって音は出なくなる。したがって、鳴砂は、健全な自然環境の指標になると考えられている。琴引浜では2001年から全国初の「禁煙ビーチ」として、タバコの灰も砂浜に残さないなど、人為的な汚染を低減する徹底した取り組みが行われている。

現状

関係法令 鳴砂が広く分布する琴引浜は、2007年に国の天然記念物・名勝に指定され、地元掛津の琴引浜の鳴り砂を守る会が活発な保全活動を行っている。

保存に対する脅威

陸地からの砂の供給が断たれる状況が発生すると保存が危うくなる。

必要な保存対策

現在の保全対策が継続されて行くことが望まれる。

特記事項

国の天然記念物「鳴き砂」

地質文献一覧

執筆者 小滝篤夫

よく円磨され、粒度のそろった石英砂が多い琴引浜の鳴砂。小滝篤夫撮影

よく円磨され、粒度のそろった石英砂が多い琴引浜の鳴砂。小滝篤夫撮影

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