選定理由 |
生息地が府南部の低山から平野部に限定され、そうした環境が開発行為等で容易に失われやすい。「京都」を基準産地とし、府内の生息地は地理的分布域の北縁である。 |
形態 |
オオベソマイマイ属としては小型(殻径7mm程度)で、螺塔は比較的高く低円錐形、臍孔はあまり広くないが深い。成貝では螺管が殻口付近で著しく下降してから反転し、殻口はほとんど下向きに歪んで開く。殻表は濃〜淡褐色のビロード状の殻皮でおおわれており、光沢はない。同属(別亜属)の要注目種コオオベソマイマイに多少似るが、より螺塔が高く、成貝では殻口が著しく下向きとなることなどで区別できる。 |
分布 |
近畿中部に分布する。府内では、京都市・乙訓地域南部(京都市市街、長岡京市)から山城中部地域(宇治市、城陽市)、相楽地域(木津町)にかけて記録されている。「京都」を基準産地とし、府内の生息地は地理的分布域の北縁に位置する。 |
生態的特性 |
平野・丘陵から低山にかけて、常緑広葉樹を交えた比較的乾燥した二次林的環境に生息する。完全な地上棲であるため、小型・暗色ゆえに非常に目立ちにくい。 |
生息地の現状 |
生息地は市街化の進んだ地域に多く、開発行為等により次々に失われる傾向にある。生息地によっては個体数が大きく変動することもある。 |
生存に対する脅威 |
生息地そのものが破壊されて失われることが、本種の生存にとっての最大の脅威である。 |
必要な保全対策 |
既知の生息地においては、できる限り現状保存への配慮が求められる。 |
その他 |
日本固有種 |