化学物質過敏症について
化学物質過敏症とは
- 病名や定義も完全には決まっておらず、原因などのメカニズムも未解明の部分が多い疾患です。
- ごく少量の物質にでも過敏に反応する点ではアレルギー疾患に似ています。最初にある程度の量の物質に曝露(化学物質を浴びること)されると、アレルギー疾患でいう“感作”と同じような状態となり、二度目に同じ物質に少量でも曝露されると過敏症状を来します。
- さらに、低濃度の化学物質に反復曝露されていると体内に蓄積し、慢性的な症状を来すという中毒性疾患に近い性格も兼ね備えています。
出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット
症状
- 頭痛、全身倦怠感、不眠、便秘、動悸など特徴のない症状が多くみられます。
- 特に軽度の場合、身体の疲れや軽い風邪、女性であれば、更年期障害などとの鑑別が難しい場合が多いとされます。
出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット
原因物質
- 患者さんにとって合わない物であれば何でも原因物質になる可能性があります。
- 以下のような物質が頻度的に原因物質となる可能性が高く、意外と日常生活の中で身近に存在し、意識せずに接触している可能性が高いといえます。
屋内
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建材、接着剤、ホルマリン、塗料、カビ、ダニ、ちり、ガス排気、シロアリ駆除剤、洗剤、洗浄剤、漂白剤、芳香剤、防ダニグッズ、防菌グッズ
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屋外
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大気汚染物質、排気ガス、ディーゼル粉塵、殺虫剤、除草剤、花粉、動物の毛
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食べ物
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食品、食品添加物、残留農薬
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出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット
対処
- 直接の原因物質、患者さんの生まれつきの素因、健康状態の悪化、不良な外的環境などの悪い要因の総量が、患者さんの抵抗力の容量を超えてはじめて症状が出現します。このため、まずはできるだけ接触する原因物質の量を少なくします。
- それと同時に、適切な食事をし、適度の休息・睡眠をとり、毎日適量の運動をし、精神的なストレスを避けて健康状態をベストに保つようにします。これだけで症状が軽快する場合や、発症を予防できる場合があります。
出典:厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット
化学物質過敏症の方への配慮をお願いします
- 化学物質過敏症の患者さんが安心して生活するためには、周囲の方々だけでなく、社会全体の協力が欠かせません。
- 私たちの日常生活の中で身近に存在し、意識せずに使用している物が原因物質となり、それによって困っている患者さんがいる可能性があることをご理解いただき、ご配慮くださいますようお願いします。
その香り困っている人もいます(消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省作成ポスター)(PDF:1,165KB)
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