ここから本文です。

人権口コミ講座 133

男女共同参画社会形成に役立つ女性活躍推進法

公益財団法人 世界人権問題研究センタープロジェクトチーム6
嘱託研究員/元新潟大学法学部教授 桑原 昌宏

 政府は、日本で女性がさらに活躍できる職場環境と社会環境を整えるため、2016(平成28)年4月1日に、「女性活躍推進法」を施行した。
 その社会的背景には、就職や転職先を考えている女性、今は育児・介護に専念していても、職場復帰を考えている女性が多いことがある。それに加えて、国際的にも管理職または指導的地位に占める日本の女性が少ない点が強く指摘されている。
 つまり、この法律は、女性が日本社会で、その個性と能力を充分に発揮して活躍できる社会を実現することを目的としている。その目的を実現するには、いろいろな努力が、政府、業界、経営者、経営者団体、労働組合、すべての働く人々、社会一般に求められている。
 この法律は、事業主に対し、次の項目を求めている。(1)自社の女性活躍に関する現状の把握と課題解決のための課題分析。(2)事業体の中で女性活躍を実現するための行動計画(一般事業主行動計画)の策定。(3)その計画をその事業体の組織内部に周知、外部にはそれを公表。(4)これらの行動計画を策定したことを国の地方労働局に届け、その監督指導を受けること。(5)各企業での男女の採用比、継続就業、労働時間、管理職比率、多様なキャリア・コースの公表、などである。それらを労働局に届けた後、労働局からこの行動計画を良好に実施したと認定された企業には、厚生労働大臣の「えるぼし」認定という評価が与えられるとともに、認定マークの使用が認められる。これらの企業は、公共事業の受注機会を優先的に提供され、特定の政府助成金の受給資格が与えられる。このマークは「女性活躍推進事業主」であるということを表し、人材確保やマーケットで競争力を誇示することができる。
 この法律は、令和元年5月29日に改正され、一般事業主行動計画の策定については、現在、301人以上の民間企業に義務化されているものが、101人以上とされる予定で、順守する企業には、国内外での企業活動の評価に「人権文化の価値」が加えられる。多くの働く女性の人権擁護に寄与することを期待する。

◎令和2年3月発行の「人権口コミ講座21」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

次のページへ

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?