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人権口コミ講座 144


トランスジェンダーの子どもたちへの対応について

京都精華大学非常勤講師 大谷大学非常勤講師 音楽家 西田彩ゾンビ

トランスジェンダーとは

 トランスジェンダー(以下トランス)という言葉をご存知でしょうか。
 きょうだいの真似をするなど、幼少期から出生時の性とは異なる性別の振る舞いをする類似例は幅広く見られますが、トランスの場合は自身の性別に対する認識自体が異なっている※という点に特徴があります。近年、研究が深まり、こうした性の在り方は人間に生ずる多様な性の一つとして理解されています。
 トランスの児童生徒とその家族は、日々どのような経験をしているのでしょう。

※出生時の性とは反対の性別として認識し振る舞うケースや、男女のどちらにも自身を位置付けられないケースもあります。2019年に大阪市が行った調査では、0.7%の人が出生時とは異なる性別を自認していると回答しています。

多様な性の在り方の尊重を

 当事者の児童生徒は性の在り方が非典型的であることで、幼少期より壮絶ないじめを経験する子もいます。ですので自身を抑圧しながら出口の見えない暗い日々を過ごしている子もまだまだ多いようです。このようなことは、自己の性の在り方に否定的なスティグマ(負の烙印(らくいん))を負わせますし、自己肯定感を育むことをも困難にさせます。保護者もまた我が子の健康と将来を心配することでしょう。
 学校の対応においては、制服、トイレや更衣室などの利用、男女別となる授業への配慮、多様な性の教育やいじめ対策など、その内容は多岐にわたります。何より、トランスといっても十人十色ですので、画一的な対応ではなく、きめ細かな個別対応が必要となります。
 また、日常生活での非典型的な性の在り方への嘲笑的・排除的な言動が飛び交う環境もまた、こうした子どもたちにスティグマを背負わせてしまいます。地域社会の住民として、私たち一人ひとりが多様な性の在り方を尊重することから実践したいです。

◎令和4年1月発行の「人権口コミ講座23」の内容を加筆・修正し、再掲載しています

京都人権ナビ(外部リンク)

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