トップページ > きょうと府民だより > クローズアップ京都府

ここから本文です。

クローズアップ京都府


文化財登録
「京料理」が国の登録無形文化財に登録

 京都が1200年の歴史の中で磨き上げ、受け継いできた「京料理」が、国の登録無形文化財に登録されました。
 登録無形文化財とは、重要無形文化財に指定されていない文化財のうち、特に保存や活用が必要な生活文化、芸能、工芸技術などが対象になります。府では、府内の料理店など延べ166件を対象に調査を実施し、登録無形文化財としての要件を明らかにする取り組みを進めてきました。その結果、献立の作成やしつらいの決定などを行う主人と、接遇を通じて文化的意味を提供する女将・仲居、伝統的な調理技術を持つ料理人が三位一体となったサービスの持つ文化的価値が認められる形で登録が実現。今後、保持団体である「京料理技術保存会」を中心に、未来に受け継ぐべき文化として後継者の育成や、情報発信に力を入れていきます。


京料理の担い手には、食材の目利きや調理技術を極めることはもちろん、歴史や文学、茶道、華道、さらには器や建築に至るまで幅広い知識と、それに基づく高い美意識が求められます


季節や客の嗜好、利用目的などに応じたしつらいを施し、一組一組にきめ細やかな配慮でもてなす女将の接遇も京料理の大切な要素

この美しい食文化を未来へつなぐ

今回の登録無形文化財への登録は、あくまで出発点。これからさらに上を目指していかねばならないと考えています。より芸術性を高め、おもてなしのレベルを上げるために、若い担い手たちが学ぶ場も必要です。将来、人間国宝を輩出できるぐらい、人材育成には力を入れていきたい。また、より多くの人に京料理の楽しみ方を知ってもらう機会も設けていきたいですね。


京料理技術保存会 京料理 たん熊北店 三代目主人
栗栖 正博 氏

[お問い合わせ]
文化政策室
TEL:075-414-5166 FAX:075-414-4233

文化財保護課
TEL:075-414-5166 FAX:075-414-4233

文化財指定
「経ケ岬(きょうがみさき)灯台」が国の重要文化財に指定へ

 明治31年(1898)に建てられた京丹後市の「経ケ岬灯台」が、新たに国の重要文化財に指定されることになりました。初点灯から120年以上が経った今も現役で海の安全を守りながら、近代海上交通の歴史を伝えている点が高く評価されています。
 白く塗装された石造りの建物で、高さは13・7メートル。国内5カ所にしかない「第一等レンズ」を備え、レンズの高さは約2・6メートル、重さは約5トンに及びます。このレンズが20秒に1度回転して放つ光は、41キロメートル先の海上からも確認することができます。重厚なレンズを水銀の入った容器に浮かべ、なめらかに回転させる装置は当時の最先端技術で、現在もほぼ建設当初のまま使われています。
 灯台に隣接して建てられた「旧第一物置」なども併せて指定を受け、府内の重要文化財(国宝含む)の数は300件701棟(全国最多)となります。また、灯台が指定されるのは、府内では初めてとなります。


120年以上にわたって日本海沿岸の航路の安全を守ってきた経ケ岬灯台


約5トンの重さがある第一等レンズが回転し、遠くまで光を届けます


今回、灯台と共に指定を受けた旧第一物置

[お問い合わせ]
文化財保護課
TEL:075-414-5898 FAX:075-414-5897

※12月8日時点の情報に基づいて掲載しています

表彰
「京都府あけぼの賞」表彰式を開催

 昨年11月22日「第34回KYOのあけぼのフェスティバル2022」において、各分野で先駆的に活躍する女性に贈る「京都府あけぼの賞」の表彰式を行いました。個人では、アーティスティックスイミング選手の乾 友紀子さん、みずのき美術館キュレーターでSocial Work/Art Conferenceディレクターの奥山 理子さん、舞台演出家・脚本家・作詞家の小林 香さん、金工作家の髙橋 阿子さん、京都大学数理解析研究所助教の山下 真由子さん、グループでは要約筆記サークルくさぶえの皆さんが受賞されました。
 当日は、アフリカ研究で知られる文化人類学者の小川 さやか氏(立命館大学大学院教授)による講演や、地域や職場における女性の活躍に関する参加型ワークショップなども開催し、さまざまな角度から男女共同参画社会を考える一日となりました。


西脇知事と今年度の「京都府あけぼの賞」受賞者および意見聴取会議委員


小川さやか氏による講演「チャンスの贈与 タンザニア商人たちの将来への備え方」


府内産の新鮮野菜やスイーツ、雑貨などを販売するバザールも開催


バザールには府立海洋高等学校の生徒たちも特別出店

[お問い合わせ]
男女共同参画課
TEL:075-414-4292 FAX:075-414-4293

現場訪問
いけばなと西陣織の各分野で次世代を担う皆さんと京都市内で「行き活きトーク」

※感染症対策を講じた上で開催しました

昨年11月5日、いけばなの振興と若手華道家の育成を目的に開催された「京都新世代いけばな展2022」を、また同月11日には「西陣」の地名の由来である応仁の乱から555年目の節目を迎えたことを記念して開催された「西陣CROSS Week 2022」を西脇知事が視察。いけばなと西陣織という、京都が誇る2つの伝統文化の現在形を体感するとともに、それぞれの分野で次世代を担う皆さんと「行き活きトーク」を開催し、意見交換を行いました。

 京都新世代いけばな展 2022(中京区)


立誠ガーデン ヒューリック京都で行われた新世代いけばな展で、屋内と屋外の異なる空間に展示されたいけばなを鑑賞

参加者の声

  • コロナ禍の外出自粛で、住空間に花が一輪あるだけで気持ちが潤うことを感じる人が増えている。ただ、なかなか「いけばなを習ってみよう」に結び付かないのが課題
  • オモトやヒオウギなど、いけばなに欠かせない花材の生産者が減ってきている。花材の生産地と、花をいける環境、見る環境…その間をつなげていくのも華道家の役割だと思う
  • 今回のように若者の目に触れやすい場所でいけばな展を開くことで、親しみを持ってもらえれば。いけばなを通じて、命の大切さや、花の生命力を感じる力を育みたい
  • いけばなは陶芸や漆芸、竹細工など多様な分野とタッグを組んで成り立つ文化。作品を通じて幅広い文化の魅力を伝えていきたい

トークを終えて...

いけばなの次世代を担う方々とのトークを終えて意見を述べる西脇知事

いけばなは、京都に息づく生活文化の代表格の一つといえるものですが、さらに発展を遂げていくためには、子どもたちが体験する機会の創出や、花材の生産環境を守ることなど、トータルな視点が重要だと改めて感じました。文化庁移転を機に皆さまの活躍の場が増えることを期待しています。

 西陣CROSS Week 2022(上京区)


西陣織会館で開催された同展では、平安時代から明治時代初期まで使われた空引機(そらひきばた)の復元や、絢爛豪華な金襴展を鑑賞

参加者の声

  • 界隈のギャラリーやお店の協力を得て「西陣CROSS MAP」を作成。地域と一体になって取り組んだ経験が今後につながれば
  • これまで他業界と西陣織との接点が少なかった状況に、人と人とのご縁から変化をもたらしたい思いからマルシェを実施
  • 西陣織は貴重な技が集積していて、機道具が一つでも途絶えたら織れなくなる。機道具の一つの「杼(ひ)」を3Dモデリングで再現するなどの試みで、技を未来へつないでいきたい
  • 昔とは違い、西陣織職人同士が知恵を出し合いながら日々精進を重ねている。百年後に自分の織ったものが残るような仕事がしたい
  • 西陣織は人々に感動を与える仕事だと自負している。その魅力を発信していくためには、非常に高度な技術を持つ織物職人たちが誇りを持ってものづくりを続けていくことが必要

トークを終えて...

西陣織の次世代を担う方々とのトークを終えて意見を述べる西脇知事

古来受け継がれた技の世界を拝見し、西陣織の技術の高さを改めて感じただけでなく、今回の取り組みが新たな連携を生み出し、地域ブランド力の向上につながっているのを感じました。その上で、西陣はすごい産地なんだと世界に向け発信していきたいと考えています。

[お問い合わせ]
広報課
TEL:075-414-4071 FAX:075-414-4075

次のページへ

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp