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京都府の西脇隆俊知事は19日、京都市内で開かれた内外情勢調査会で、「『あたたかい京都づくり』をより実感いただくために」と題して講演した。西脇知事は大阪・関西万博に合わせて府内で実施した取り組みを紹介し、「府全域でレガシー(遺産)を創出し、多様な主体の連携やビジネスにつなげたい」と述べた。
西脇知事は62年ぶりに淀川舟運が復活したことに触れ、「万博がなければ実現しなかった」と評価。「さまざまな観光船の運航により、川を交流や地域活性化に活用したい」と話した。
万博期間中に府南部の関西文化学術研究都市で開かれた「けいはんな万博」にも触れ、「同都市は国の『ポスト万博シティ』に位置付けられた」と強調。「石黒浩氏がプロデュースしたパビリオンのアンドロイド(人型ロボット)を閉幕後に譲り受け、同氏の研究所設置にも至った」と効果を挙げた。
京都の茶文化を支える生産者や道具職人も含めた関係者が一体となって実施した北野大茶会や、小中高校・特別支援学校の児童・生徒が万博参加国の人々と交流した茶会の開催にも言及。「茶会で得たつながりを今後も続けたい」と語った。
また京都の将来像に関し、「自然や寺社仏閣、伝統芸能、茶道や華道などの生活文化といった京都の強みが磨き上げられているか問い直す必要がある」と指摘。日本人観光客の減少や伝統産業の衰退を挙げ、「今何をなすべきか考えることが京都の魅力を磨き上げることにつながる」と訴えた。(了)
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