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令和3年12月23日臨時知事記者会見

新型コロナウイルス感染症(変異株)患者の発生について

本日、京都府において初めて、海外渡航者とのリンクのないオミクロン株の陽性の方が1名判明いたしました。

現在、新型コロナウイルス感染症の陽性者は、全員、スクリーニング検査を実施しているところです。その中で、オミクロン株陽性疑い例が出たため、ゲノム解析を行った結果、新型コロナウイルス感染症の変異株であるオミクロン株であると確認されたものです。この方は山城北保健所管内にお住まいの20代の女性で、海外渡航歴は確認されておりません。そして現時点で感染源は判明していません。12月19日に発症し、翌20日に医療機関を受診し、当日に陽性が判明し、同日入院していただいております。症状は軽症です。

オミクロン株については、従来のデルタ株よりも感染力が強いとの情報もありますので、接触のあった方については広めに検査を実施し、感染拡大防止に全力を挙げて取り組んでまいります。今回、大阪府に次いで京都府でも市中感染が確認されたことは、他でも当然発生する可能性があると考えなければいけません。特に、これから人と人との接触機会が増えることを考えると、オミクロン株の感染拡大を防ぐために、府民の皆様に対しまして、飲食店利用時の「きょうとマナー」について、ご協力をお願いすることとしました。期限は、本日から当面1月15日までとさせていただきます。きょうとマナーにつきましては、5項目ございます。是非とも守っていただきますようお願いします。

今後の基本的な対策についてですが、まずは国において水際対策を引き続きしっかりと実施していただくとともに、その水際対策については当然京都府としても全面的に協力していきます。

京都府においても、感染拡大に備え、保健所の体制や医療提供体制について、改めて警戒を強めるよう指示したところです。

具体的に1点目は、保健所による積極的疫学調査を徹底し、検査の範囲を拡げます。

2点目は、これまでから第6波に備えた医療供体制の強化等、様々な対策を行ってきましたが、今後の感染状況によっては、更に、保健所応援体制強化の前倒しや即応病床から最大確保病床の855床へ戻すタイミングの前倒しも必要があれば検討していかなければいけないと考えています。

3点目は、ワクチン接種についてです。3回目のワクチンは非常に有効であると言われており、現在細部を詰めていますので、明日の会見で改めてお示しします。いずれにしても、3回目のワクチン接種については、市町村と協力して、できる限り早期に実施してまいります。

府民の皆様には、府内にオミクロン株が既にあるということを前提にして、正しいマスクの着用、手洗いの徹底、適切な換気、人と人との距離をとる、といった基本的な感染防止対策に、引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

私からは以上です。よろしくお願いします。

質疑応答

記者

府内にオミクロン株の市中感染による感染者が出たことの受け止めは。この方の濃厚接触者に係る疫学調査はどういう状況にあるのか。

知事

海外渡航から帰国された方がかなりの数の陽性者が出ていることや海外の感染状況、また隣接の大阪府で既に昨日市中感染が確認されておりますので、いずれ感染者が出るということは十分認識していましたが、今回ゲノム解析によってオミクロン株の市中感染が出たということは非常に重く受け止めていますし、感染拡大防止に更に全力を傾けていかなければいけないという認識を新たにしています。

ただオミクロン株については、例えば感染力が強いと言われていますが、一方で重症化リスクについてはあまりないのではないかと言われるなど、きちんとしたデータや知見が出ていない部分もありますので、総理も言っておられますが、慎重の上にも慎重な対応をしていく必要があるということですので、今回は1例ということですが、オミクロン株に対して慎重に対応していく必要があると考えています。

濃厚接触者については、国の通知に基づき宿泊療養施設に入所いただくようにお願いしています。現在濃厚接触者は7名で、うち2名の方はPCR検査を実施して陰性ということですが、本日宿泊療養施設に入所予定です。残りの5名の方については検査中で結果待ちですが、明日には宿泊療養施設に入所予定であり、できる限り囲い込んで市中感染を拡げない努力を引き続き続けてまいります。

記者

保健所の疫学調査について、幅を拡げるということであるが、具体的に何かあれば教えてほしい。

知事

例示いたしますと大阪で行われたような全校生徒を対象にすることや、事業所であればそれ程接触がなくても同じフロアで働いている方全てを対象にするなど、一定合理的な範囲で、検査の幅を拡げるというのが一番のポイントです。

記者

PCR検査を実施しているのは濃厚接触者のみであって、その職場の方などはしていないのか。

知事

濃厚接触者の定義はありますが、オミクロン株の場合は「慎重の上にも慎重に」ということで、宿泊療養施設に入所していただいているところです。PCR検査については濃厚接触者の範囲よりも更に検査対象を広げて検査をするべく準備をしているところです。それがどの範囲になるかは今、検討中です。濃厚接触者より広い範囲で検査をする予定です。

記者

この方の症状について、19日の発症時がどのような症状で、現時点ではどうか。

知事

発症当初は発熱、頭痛、咳の症状があったので(医療機関を)受診され、判明したということです。現在はたまに咳、痰が出る程度ということで、軽症と聞いております。

記者

7名の濃厚接触者は家族や職場の方ということか。

知事

濃厚接触者の定義がありますが、どれかというのは控えさせていただきます。

記者

この感染者のワクチンの接種歴はあるか。

知事

2回接種済みと聞いています。

記者

2回目のワクチンはいつ接種されたのか。

事務方

7月に打っておられます。

記者

昨日の大阪府の感染者は学校に勤務されていたということだが、この方はどのような職業の方か

知事

私どもとしては、従来から新型コロナウイルス感染症の感染者の情報については、一定の範囲でお示ししておりますので、今回も発表した資料の範囲での公表とさせていただきます。これ以上のことは本人の特定にもつながる可能性もありますので、控えさせていただきます。

記者

この方は、一人暮らしか、あるいは家族と住んでいるのか。

知事

そこも控えさせていただきます。

記者

現在、京都府内にオミクロン株の濃厚接触者は何人いて、そのうち何人が宿泊療養施設に入所しているのか。

事務方

12月21日20時現在で、京都府内に濃厚接触者の方が71名、そのうち、宿泊療養施設におられるのが38名、自宅にいる方が31名、病院の方が1名、確認中の方が1名いらっしゃいます。

記者

今回の感染事例は、市中感染と言っていいのか。

知事

市中感染の定義は分かりませんが、このオミクロン株について言えば、今までは海外から帰国された方の感染が確認されていましたが、今回の方は今のところは調べても感染経路が不明だということなので、そういった定義をすれば市中感染ではないかということです。元をたどっていけば海外の方に行きつくとは思いますが、感染経路は今のところ不明ということですので、いわゆる市中にオミクロン株が存在することによって起こった感染だと推定しているということです。

記者

この方は、昨日大阪で発表があった方と接触があったということはあるか。

知事

今のところはありません。

記者

この方は通勤や通学で日常的に大阪など別の府県に移動している方なのか、基本的に京都府内で生活しているのか。

知事

基本的には、(京都府内で)日常生活をされている方ですが、属性につながることなので控えさせていただきます。

記者

市中感染と考えられるということだが、他の場所でも発生している可能性はあるか。

知事

それは分かりませんが、(オミクロン株は)症状が軽いという話であれば、無症状者同士で感染し合っていれば、我々は把握しようがありませんが、今回のように感染経路不明の方が出るということは、どれだけか分かりませんが、一定、市中にオミクロン株が存在することは間違いありません。ただ、1つの例だけなのでどこにどう出ているかは分かりません。府民の皆様、事業者の皆様には市中にオミクロン株があるという前提で基本的感染防止対策はきちんとやっていただくことを改めてお願いしたいと思います。

記者

この女性は府内の病院に入院されているか

知事

そうです。

記者

観光キャンペーンの「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」の隣接府県への拡大について、見直しは考えているか。

知事

これはワクチン検査パッケージとセットとして、一定感染状況を踏まえながら実施していくもので、国の方でも実施しない場合の基準も明確になっていますので、京都の感染状況から、また大阪、兵庫等とも調整の上、今のところ見直す考えはありません。

ただ、オミクロン株の感染力との兼ね合いで、どういう感染状況になるかによって、当然臨機応変に対応しなければいけないと思っています。

記者

年末に向けて帰省や忘年会・新年会、学生が冬休みに入るといったことで、通常とは違う不規則な行動をされる時期になる。この時期にオミクロン株の感染が初確認されたことに関して知事の受け止めはどうか。

知事

オミクロン株の市中感染が起きる前から、元々季節としては感染症が流行しやすい季節ですし、年末年始は人の動きも出てきて、会食の機会も増えて、特に基本的な感染防止対策は徹底してほしいという思いもありましたので、そこは変わりません。オミクロン株といえども、基本的な感染防止対策が有効であるというのは専門家の間でも定着した意見です。

気持ちとしては、できれば年末年始には見つからないでほしいと思っていましたが、かなり前から海外からの帰国者の中で感染が確認され、それがかなりの人数になっているので、早晩、感染が拡がってくるのでないかと考えておりました。だからこそ(新型コロナ陽性者の)全員入院や、濃厚接触者は宿泊療養者に入所いただくといった、「慎重の上にも慎重に」対応をしていたところです。

たまたま時期が重なっていますが、より基本的な感染防止対策への注意が必要な時期に明らかになったということで、引き続きそこはきちんとお願いしたいと思いますし、明日、定例記者会見でその辺りのことも含めてメッセージを出そうと思っていましたが、今日こうした事実が判りましたので、急遽私から呼び掛けをさせていただきました。明日改めて年末年始に向けての対応についてはお話をしたいと思います。できれば、年末年始の期間を外れてほしかったという気持ちはありますが、ここは逆にウイルスが相手なので時期に関わらず感染防止に全力を傾けてまいりたいと思います。

記者

冒頭、「きょうとマナー」を再びを求めるということだが、いつまでか。

知事

オミクロン株による感染状況を踏まえながら、当面は1月15日までお願いすることとしています。

記者

飲食店については2時間4人までのルールに戻るということか。

知事

きょうとマナーは(飲食店に対して、というよりも)利用者向けのものになりますが、そういうことです。

記者

新規感染者は、オミクロン株であるかを問わず、一旦、入院をしていだたき、帰国者でオミクロン株陽性者の濃厚接触者には宿泊療養施設に入っていただくという府独自の取組について、いずれもキャパシティーの問題があり、まだ人数的には余地のあるところかと思うが、今後、確保病床や宿泊療養施設の室数を増やしていく考えや見通しはあるか。

知事

今、いきなり何の根拠もなく数を増やすことではないと思いますが、冒頭申し上げましたように、オミクロン株の感染者数がどういう拡がりをするのか、症状がどうかということもありますので、そういうことを踏まえて、今まで作った計画を絶対に変えないということではなくて、機動的に見直していく必要があるのではないかということで、まさに今回の市中感染はそうした検討に入るきっかけにはなっています。

ご指摘のように、全体として国がやっている水際対策を京都府でフォローしている形でしたが、市中感染が拡がれば水際というよりも市中での感染を抑える観点に切り替わります。ただそれは京都府だけの話ではなくて、国全体の水際対策と国内での感染の兼ね合いも見ながら検討していくものですので、まさに検討はスタートさせたいと思っていますが、今すぐに数を増やすかというのは、まだまだ根拠やデータが不足していると考えています。

記者

市中感染が拡がってくれば、従来株から置き換わることになっていくと思うが、今までのオミクロン株への対応を切り替えるタイミングについて、市中感染が何人といった想定はあるのか。

知事

想定していることはありませんが、京都府内のことというよりも、帰国者の方で京都府在住の方にホテルに入っていただいておりますが、それもかなりの数になってきていますのでそこはよく需給バランスを見ないといけないと思います。帰国者の数も正月に向けて減るという話もありますし、(入所者は)2週間で入れ替わりますので、その辺りはよく見ていかないといけません。一方で、感染者が増えたら、感染者の方を宿泊療養者施設に入れなければいけないので、その兼ね合いを見ていかなければいけません。

入院も同じで、今は原則全員入院していただいていますが、この入院によって、感染者で入院が必要な方が入院できずにひっ迫するようでは困るので、その兼ね合いについて、症状を見て、振り分けるようなことが必要になるかもしれません。感染が更に拡大すればそういうポイントが来ると思います。今の段階ではそれがいつ来るのかは分かりませんし、現時点でも水際対策は政府は1月も継続していくと言われていますので、まずはできる限り水際で止めてピークが来るのを後ろに延ばすのは非常に有効だと思っていますので、できる限りそこに協力する形をとってまいりたいと思っております。あとは感染状況次第だと考えています。

記者

3回目のワクチン接種について、早めたいということだが、先ほど分科会の尾身会長からも3回目接種は高齢者や(福祉施設の)入所者など早めた方がいいという発言があったが、(京都府での前倒しのスケジュールは)どのような見通しか。

知事

基本的な認識はブレークスルー感染が起きていることを踏まえたら、できる限り迅速にした方がいいと当然思います。一方でワクチン供給には限りがありますので、その中でどう管理をしていくのかということがあります。まずは当面、先日総理が前倒しの方針を示されたが、医療従事者と施設に入所している方とその従事者、通所施設の利用者とその従事者は2カ月、一般の高齢者は1カ月前倒しが、ワクチン供給の関係ではぎりぎりの線だと思っています。

政府が示した前倒しの方針にきちんと対応できる計画を京都府において作っておりまして、私の思いとしては政府の方針に対応できる体制を市町村に組んでいただく、そのために京都府が全面的にバックアップしていくことを考えております。それがまず基本で、それより前倒しになりますと、ワクチン供給が来ないとそう簡単な話ではありません。政府が示された範囲を的確に実施していくことに注力したいと思っています。

記者

来年の知事選に向けて、本日、立候補の意向を固めたとの報道がなされたが、現時点で立候補についてどのように考えているのか。

知事

報道は承知していますけれども、皆さんマスコミの方を入れた形で、出馬要請対して私がご挨拶を申し上げているとおりで、今回オミクロン株も出ましたが、第5波を乗り切った中で、オミクロン株や、ワクチンの3回目接種を含めて第6波への備えをしなければいけません。それから、コロナによって府民生活、社会経済活動が非常に大きな影響を受けているので、感染防止をしながらそうしたものを取り戻していくことに全力を挙げているので、もう少しお時間をいただきたいとお答えしていて、その立場に今も全く変わらないということです。

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