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令和4年2月18日臨時知事記者会見

感染状況等を踏まえた今後の対応

まずは、府民の皆様事業者の皆様には、この間、まん延防止等重点措置をはじめ、感染防止のあらゆる取組にご協力いただいておりますことに心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。また、この瞬間も医療現場の第一線でご奮闘いただいております医療従事者の皆様にも心から感謝を申し上げます。

本日は、先ほど開きました対策本部に基づきまして、新型コロナウイルス感染症対策について発表させていただきます。

まずは現在の感染状況等でございますけれども、2月9日に1日当たりでこれまでで最多の2,996人でございました。本日の新規陽性者数が2,053人、7日間平均が2029.57人で、その前週比が0.79倍ということで、ようやく1を切る水準にはなってきましたけれども、2,000人を超える感染者が出ているということで、依然として感染のレベルは高いということです。

それから、確保病床使用率も75.1%、高度重症病床使用率も21.6%と高い状況になっておりますし、しかも、病床使用率は感染状況が落ち着いてからもしばらく負荷が続くということになります。このまま感染拡大の状況が続けば、一般の医療提供体制や社会機能の維持についても支障が生じることにつながりかねないということで、なんとしても感染を押さえ込む必要があることから、まん延防止等重点措置を延長することといたしました。

期間につきましては、2月21日から3月6日までということで、2週間の延長になります。区域につきましては、従来どおり(府域)全域です。府民、事業者への行動に対する要請、飲食店の営業時間短縮をはじめとする事業者への人数制限等に対する要請についても同様の内容で継続をお願いしたいと考えております。

また、オミクロン株の特徴を踏まえた学校等の感染防止対策ということで、後ほど中身を説明いたしますけれども、この部分を今回追加させていただきました。

いずれにいたしましても、引き続き府民の皆様、事業者の皆様にご負担をおかけいたしますけれども、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

 

オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止対策ということで、学校等、保育所等、高齢者施設等と3つの分野について重点的な取組をいたします。1月から2月途中までですけれども、学校で17か所、保育施設で39か所、高齢者施設等で64か所の集団感染が発生しています。

学校、保育所での感染拡大は、もちろん子供たちの健康への心配もありますし、それが保護者への影響を通じまして、社会機能の維持に大きな影響を及ぼす場合があります。

また、高齢者施設等につきましては、重症化リスクのある方がおられますので、命と健康を守るためにも高齢者施設等での取組が重要だということで、今回、基本的対処方針も前回の見直しの中で、一定この分野について見直しが行われています。それを踏まえて対策を強化していきたいと考えております。

改めて感染防止対策の徹底をお願いするということと、やはり集団感染が発生する場面では、感染リスクの高い行動となっている面がございますので、そこでの対策についてお願いしたいということです。合わせて、特に感染防止対策の再徹底については、従来からの支援制度もありますが、それに加えて京都府独自に支援策を講じるということで、パッケージとしてお願いしたいと考えております。

 

まず学校等でございます。(資料P5参照)

1番目の項目は3つとも共通しておりますけれども、改めて感染対策を再点検して必要に応じて強化していただきたいと考えております。

その下の2つは特にリスクの高い活動ということで合唱や実習、また、感染リスクを避けた学習形態ということで、ハイブリッドな学習形態を選択していただきたいということです。4つ目と5つ目につきましては、いよいよ3月が近づいてまいりましたので、卒業式等がありますし、春休み期間に入ってきます。そういった特にこの季節特有の様々なことがありますので、そういう場面における感染リスクを避けるような行動を是非ともお願いいたします。

なお、支援策全てに共通しておりますが、いずれ予算措置が必要なものにつきましては、改めて議会にお諮りして予算措置を講じていきたいと考えております。消毒の実施や透明のカーテン、サーキュレーター、CO2センサーの設置、手洗い場の自働水栓化等、学校での感染防止対策を後押ししたいと考えております。

 

それから保育所等でございます。(資料P7参照)

1番目の項目は先ほど申しましたとおり共通です。感染防止対策の再点検と強化ということです。

特に園児の皆さんというのは、なかなか自らが感染防止対策をするのは難しい場合があるということで、改めて、施設の方での取組を支援していくということです。

2番目にありますとおり、大人数での行動は感染リスクが高いということと、保護者の方も参加されますと園児だけでなく大人数になるということで、そういうことにつきましては改めて検討をお願いします。

支援策につきましても、こまめに消毒するということは、消毒液等が大量に必要になります。マスク、手袋交換、検査等もございます。そうしたことにつきまして、必要な支援をしたいと考えております。

 

それから高齢者施設でございます。(資料P9参照)

1番目は他の2つと同じですが、それ以外に従事者に対する検査、これはまん延防止等重点措置になっておりますので、週1回の検査を行うということです。また、感染リスクがある場面、レクリエーションであるとか、送迎時ということで、感染対策の手引きがありますので、改めて徹底していただきたいということ。それから面会者からの感染を防ぐということでオンライン面会を基本とする。また、通所の施設についても動線分離などの感染対策をさらに徹底するということです。

これにつきましても、まず感染防止の徹底という意味では消毒、衛生用品の購入等の支援、週1回の検査につきましても予算措置(を行います)。それから施設内で感染した場合に施設内感染専門サポートチームを派遣しておりますけれども、そこに(新たに)救急医の方も入っていただきまして、より充実したサポートチームにしたいと思っています。

 

それから、入院医療体制の強化についてでございます。

これは先ほどの対策本部会議でも申し上げましたけれども、新たに1病院を追加するのと、既に協力していただいている医療機関の増床も合わせまして、全体で32床加えまして、872床から904床に拡充いたします。ただ、そんなに簡単に病床を増やせるわけではないので、かなりお願いして努力しておりますけれども、少しずつ努力は続けますけれども、やはり感染防止対策、感染者を減らすということが重要となります。

 

それからワクチンについてでございます。(資料P12参照)

上段の3回目接種につきましては、2月15日に国からワクチン供給に関する通知がありました。もちろんこれはあくまで予定ですが、3回目接種の対象者は京都府全体で約187万人と推計しておりますが、211.9万人分の供給があるということで通知がきておりますので、まずマクロとしては十分確保できているということです。ただ、以前から申し上げているとおり、1,2回目がファイザーの方に対して、ファイザーの供給の割合が少なくなっていますので、引き続き交互接種への理解を進めるため、国に対してもモデルナの有効性・安全性、交互接種の有効性・安全性についてのPRをお願いしています。京都府におきましてもできる限り努力をしておりますけれども、全体としてのワクチン供給の見通しが示されたということです。

 

また、市町村からは、感染が拡大して医療機関が大変だということで、医療従事者の派遣等の要請もいただいております。医師、薬剤師、看護師等の医療従事者についても、要請に応えて市町村を支援していきたいと思います。

それから京都府の接種会場を活用して警察職員の接種を行っておりましたけれども、1,2回目と同様、学校・幼稚園・保育園の教職員等につきましても、府の会場で接種を進めていきたいと考えております。

 

それから小児へのワクチン接種の開始ということで、これも4月末までの供給予定として、対象人口の約8割に当たるワクチン供給の予定数が示されておりますので、ワクチンの総量としては心配ない訳です。子どもの場合は安全性や効果についてきちっとわかってもらうように、先日の堀内大臣との面談でも、大臣の方から、わかりやすいリーフレットを作成しているので、活用してほしいという話もありました。あとはやはり丁寧に問診をして介助するということで、一般の方の接種とは若干取組が違いますので、要請があれば市町村の方へ医療従事者の方を派遣するなどして、安心して接種できる体制を整えていきたいと考えております。

 

いずれにしても、若干減少傾向にあると言いながらも、感染者数が非常に多いわけですので、府民の皆様事業者の皆様には、まん延防止等重点措置の延長が決まれば、引き続きのご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

私からは以上です。よろしくお願いします。

 

感染状況等を踏まえた今後の対応(PDF:1,146KB)

質疑応答

記者

新たな対策の追加として学校等における対策、保育所等における対策、高齢者施設等における対策について、事前に取材活動をしていると、各学校や保育所、高齢者施設の各現場で既に取り組まれているものが列挙されているように感じるが、どこが新たな対策なのか具体的に教えていただきたい。

知事

元々、2月10日に基本的対処方針に追加された時に、基本的対処方針に盛り込まれているかなり詳細な内容が文部科学省と厚生労働省の方から所管の施設に通知されておりますが、今回改めてこういう形で挙げたのは、支援策と(対策は)パッケージでやらないとなかなか再徹底や再検討、再点検も難しいと思いましたので、まず(資料5頁の)最初にあります、「感染対策を再点検し」というところについては、支援策とセットでもう一度見直して欲しいということで、これは京都府独自の施策です。学校等における対策については、4番目と5番目の項目の卒業式や春休みという部分については、基本的対処方針上はまだ言及されていませんが、(そうした時期が)近づいてきますので、今から注意喚起をお願いしたいということで、卒業式と春休み期間中の注意喚起をさせていただきました。2番目と3番目の項目については、基本的対処方針に盛り込まれていますが、各省庁から非常に沢山の通知が出ていますので、改めてより意識をしていただく必要があるのではないかということで、改めて記載させていただきました。

 

(資料7頁の)保育所等における対策については、1番目は(学校等と)同じで、再点検と強化ということで支援策とセットです。保育所等については、下の2つは両方とも基本的対処方針に記載されていますので、ここは改めて感染リスクの多い行動ということで、特に大人数に着目した形で強調させていただいたというものです。

 

(資料9頁の)高齢者施設等における対策については、初めの項目は(学校や保育所等と)同じです。それから検査というのは行動変容というよりも、我々の方で検査をすると決めましたが、従事者の皆様にご協力をいただかないといけないということで、これについては基本的対処方針上にはないことですが実施したいと思います。それから、3番目から5番目の項目については、基本的対処方針にもございますが、特に強調させていただきました。例えば通所施設については、サポートチームが入って感染しているところを見ると、導線の分離が若干不十分などの改善点が見つかりますので、そういうことを念頭にこの3つについては、特に強調してお願いしたいということで記載したものです。そういう意味では、既存の基本的対処方針に基づく各省庁からの通知と重複することはありますが、全部を載せるよりも、より気をつけていただきたいところについて、強調させていただいたということです。

 

記者

対策本部会議資料にクラスターの発生件数について記載があったが、1月、2月と高齢者施設での発生が増えている。まん延防止等重点措置を要請されたタイミングが先行する他の地域から1週間遅かったが、振り返ってみて、もう少し早く要請すればよかったと思うか。

知事

要請のタイミングが遅かったとは思っていません。念のためにということだけであれば早ければ早いほど(良い)という考え方もありますが、やはり一定程度、関係の方にご負担をおかけします。コロナ対策は全て要請やお願いになるので、感染防止対策の必要性も十分認識していただいた上で措置を決めることが大切だと考えています。

それから、首都圏と京阪神は特に一体的な経済圏を構成しておりますので、3府県で歩調を合わせながら対策や措置を講じていくことは大原則ですので、その両面から考えても決して遅かったとは思っていません。

ただ一方で、今の感染状況を見ても、高齢者の方が非常に増えてきています。単に年齢だけでなく、例えば肺がんなどの重症化リスクがあるとされている基礎疾患を有する方などが(新型コロナに)罹られるとそこ(基礎疾患)に影響していくということになりますので、高齢者施設に対する対応は、特に今のオミクロン株の特性を合わせた対策の中では一番重要なポイントだと思っています。だからこそワクチンの3回目接種はまさに対策としては最も重要な点ですので、これと合わせて高齢者施設にターゲットを絞った対策の強化をさせていただいたということです。

記者

1月27日から始まったまん延防止等重点措置期間中に、特に高齢者施設で感染が発生すると、重症化リスクがあって入院や死亡に至るケースもあったと思う。今回、措置の延長に合わせて対策を打ち出された形だが、第5波より第6波の方が死者数が増えた状況の中で、高齢者施設だけ抜き出して早い段階で京都府としてメッセージや対策を打ち出すべきだったのではないか。

知事

高齢者施設に関してこれまで何もやっていなかったという訳ではなくかなりの取組をしてきています。例えば、高齢者施設に対する週1回の集中検査はまん延防止等重点措置が始まった時点から実施していますし、2月からは入所・通所に加えて訪問事業所の従事者についても検査の対象にしています。高齢者施設(への対策)について、今回初めて講じたということではないことはご理解いただきたいです。

更なる再点検と対策を強化していただくためには、支援策と合わせて実施する必要があるということで今回対策を打ち出しました。それと政府の基本的対処方針が2月10日に改定された項目としては、今日示した3つの分野だということで、それを受けた形で何らかの対応をするということになりました。高齢者施設への対策が重要だということは、第6波だけでなく、第5波でも同様に重症化リスクがあることは認識しておりましたので、引き続きそのベースの部分で対策を講じながら、今回追加したということです。

記者

学校への支援について、CO2センサー等設置の支援というのは、学校側が購入する代金を京都府が負担するという意味か。

知事

あくまで感染防止対策の支援なので、学校側が対策することに対して財政的な支援をするということです。府庁から何か提供するということではありません。これは従来から、例えば学校側が消毒をする際に業者に委託する場合はお金が掛かりますので、それに対して支援をする枠組みです。

記者

高齢者施設の週1回の集中検査はどのような形でやるのか。

知事

これは従来からやっているもので、まん延防止等重点措置(の適用区域)になれば週1回PCR検査を行えば、国から財政措置があるというものです。

事務方

民間の検査機関が高齢者施設に検査キットを配布して回収するという仕組みです。民間の検査機関に京都府が委託して実施するものです。

記者

ワクチン接種の推進について、京都タワー会場において1,000人から1,300人に接種枠を拡充されるということだが、打ち手の確保などどのようにして枠を増やすことができたのか。

知事

それはワクチンの総量もありますし、現に枠が埋まっていないことによって余裕ができるということもあります。それから、当然打ち手として医療従事者や受付などのマンパワーも必要ですし、会場のスペースも元々広い会場ですし、そうしたものが確保できる目途がついたということです。予約状況を見て、無駄に用意しても仕方ないのですが、かなり京都市内の接種券の発行が進んだり、府の接種会場では6カ月を経過すれば年齢を問わず接種が可能ということにしてから、接種会場の予約状況もよくなりましたので、それであればワクチンの在庫とマンパワーを総合的に見て1,300人まで拡充できるということで、元々促進したい気持ちがあり判断しました。

記者

コロナによる死者数について、知事は常々府民の命と健康を守ることが大原則だと言われている中で、第5波と第6波を比べると亡くなられた方が増えている状況があるが、知事はどのように受け止めておられるか。

知事

まずは、お亡くなられた皆様に心からお悔やみ申し上げますとともに、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。総数として第5波を超えたことは事実ですが、亡くなられたのは高齢者の方と基礎疾患のある方が大部分でして、数字を申し上げると、重複がありますが、亡くなられた方の8割強が70歳以上の高齢者の方で、7割強の方が基礎疾患のある方です。感染者数でいえば第5波の何倍にもなっていますので、重症化リスクが全体として低くても、感染者数が増えれば高齢者や基礎疾患のある方が感染される確率は上がります。できる限りそういう方についてもきちんと医療につなげる努力は続けております。

高齢者や基礎疾患のある方が感染されないための努力は続けていきますが、これは感染者数の非常に大幅な増加、オミクロン株の感染力の強さによって、一定程度死者の数が増えたのではないかと原因としては分析しておりますが、できる限り減らしてゼロにすることを目指して、我々は努力していくべきだと考えています。

記者

小児のワクチン接種について、供給時期は書いてあるが、開始時期はどうなるのか。

知事

仕組み上、審議会の承認を得たのですが法律的な仕組みを改正しないと接種ができないとなっているようです。医学的・医療的な検討は終わっているけれども、法制的な手続きが残っていることと、この小児用ワクチンはあくまで供給量は示されていますが、実際にワクチンが来ないと打てないので、実際の配送時期がどうかということですが、これが具体的になっていないのは法制的な仕組みの手続きが終わっていないからだと思います。それが終われば、ワクチンの具体的な配送時期が分かると思います。京都府としては、基本的にはワクチンは1種類なので人口比で市町村に配分していくということです。ただ、かなり前から「そろそろだ」と市町村や医師会等の関係機関には話をしていますので、それぞれの市町村で準備は進めていただいていると思っています。

大人と違って一人ひとりきちんと問診して保護者の方のご意見もありますので、焦ってバンバン打てるかというと、子どものことなので丁寧にすべきだと思います。そうしたことから開始時期ははっきりしていません。マクロの供給としては大丈夫だということです。

記者

感染状況の認識について、前週比が1を切り減少傾向に転じているということだが、第6波のピークは過ぎたのか、まだこれから感染の波が来ると考えているか。

知事

ピークをどのように捉えるかですが、政府の専門家会議の脇田座長は2月上旬にピークを越えたと言われていました。これはオールジャパンのマクロの話だと思いますが、私自身としてはピークと言えるかどうかは自信がないです。というのは、PCR検査の陽性率や感染経路不明の率を見ても、市中にかなり無症状で感染されている方がおられるのは間違いないと思います。

今はかなり行動変容ということで、人流だけでなく基本的な感染防止対策もかなり丁寧に皆さんやっていただいておりますが、そうしたことがもし外れると市中に感染者がおられる状況ではいつぶり返すかも分かりません。

現に全国の各都道府県の動向を見れば、県によっては一旦前週比が1を切っても、また再び1を超えたところも僅かですがあります。私自身は京都府内でも6波のピークを超えたと確証を持って言えるほどのエビデンスは持っていません。ただ前週比が3倍、4倍、5倍になった時に比べればようやく少し落ち着いてきたなと思いますが、ピークを超えたとはまだ言えないと思っています。

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