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令和4年3月17日臨時知事記者会見

感染を拡げないために

まずはじめに、昨晩遅くに発生した福島県沖を震源とする地震により、不幸にもお亡くなりになられた皆様に慎んで哀悼の意を表しますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。また、被災されました皆様に対し、心からお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 

さて、新型コロナウイルス感染症につきましては、府民の皆様、事業者の皆様には、この間、

まん延防止等重点措置をはじめ、様々な感染防止の取組にご協力いただいておりますことに、改めて心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。

また、今この瞬間も、医療現場の第一線でご奮闘いただいている医療従事者の皆様にも心から感謝を申し上げます。

 

<資料2頁>

まず、感染状況等についてですが、棒グラフが一日当たりの新規陽性者数、青色の折れ線グラフは7日間の移動平均です。昨日の新規陽性者数は1,320人、7日間移動平均は1,070人、前週増加が0.87倍ということで、約1ヶ月間前週比が1倍を切っており、緩やかではあるものの減少局面です。この立ち上がりの角度と減少の角度を見ていただければやや緩やかでありますが、減少を続けています。

それから、病床使用率についても15日時点で44.5%、高度重症病床使用率も5.9%とうことで徐々に改善しております。

先日ご報告したとおり、私の方から山際担当大臣にまん延防止等重点措置の延長を求めない旨の意向を伝え、全国の都道府県の意向も踏まえ、本日、まん延防止等重点措置を延長しないことが政府(の対策本部)で決定される見込みで、昨日、既に総理の方からその意向が示されています。

 

<資料3頁>

このまま政府が決定すると、3月21日をもってまん延防止等重点措置は終了いたしますが、今の感染者数を見ても、新型コロナウイルス感染症は収束した訳ではなく、引き続き警戒が必要だと考えています。

京都府では医療提供体制の確保、ワクチン接種、学校・保育所・高齢者施設等が実施する感染防止対策への支援、PCR検査の無料化等、できる限りの対策を講じて行きます。

その前提で皆様にお願いをすることになります。

 

<資料4頁>

まずは、府民の皆様・事業者の皆様へ3つのお願いということで、1.ワクチン接種を希望する方への積極的接種のお願い、2.「感染を防ぐための3つの意識」として、自分が感染しない、ほかの人に感染させない、感染をひろげないこと。そして3.特に年度替わりから行楽シーズンに入ってまいりますので、人出が活発化することに備えた感染防止対策をお願いするということにしています。

 

<資料5頁>

まず、ワクチンについては先ほどの対策本部会議でも説明しましたが、接種を希望される方は積極的に接種をしてくださいというお願いです。また、接種を希望される方が気兼ねなく接種に行ける環境を職場や学校等で是非作っていただきたいということです。その一環として、府の接種会場であります京都タワー会場については、特にお勤めの方等、仕事帰りの方が少しでも接種機会を増やせるようにということで、時間を延長することにさせていただきます。

 

<資料6頁>

以下、先ほど説明しました(3つの意識の)お願いです。

1.自分が感染しないということで、これは正しいマスクの着用をはじめとする基本的な感染対策です。人と人との距離を取ることや、それから換気です。換気については、これまでモニタリングを実施しておりました。まさにそのモニタリングの結果を踏まえた換気対策のガイドブックを作成しています。間もなく発表ができると思いますが、それを是非とも活用していただいて、特に店舗においてですが、換気対策に活用していただきたいと思います。それからできる限り感染リスクを回避するような行動をお願いするということです。

 

<資料7頁>

2.ほかの人に感染させない!ということで、症状があればまず医療機関に相談すること。それから、高齢者や基礎疾患のある方は感染リスクの高い場所へ行かない。企業においては、従業員などの申し出があれば、在宅勤務や時差出勤などの配慮をするということ。それから無症状の方も、令和4年4月まで期間を延長する予定にしていますが、無料検査を受けていただくということです。

 

<資料8頁>

3.感染をひろげない!ということで、事業所では在宅勤務や時差出勤、症状がある場合には休ませること。またこれは前から申し上げていますが、やはり居場所の切り替わりの場面(食堂、休憩室、更衣室、喫煙所等)での感染リスクが非常に高いので、注意をするということ。業種別のガイドラインを是非遵守していただきたいということです。

 

<資料9頁>

それから、学校・保育所などにおいては、既に支援策も含めて発表していますが、感染対策のルールの遵守、症状があれば登校、登園を控えること。それから春休み中、登校、登園しない場合も感染リスクの高い行動は控えるようにお願いします。

 

<資料10頁>

医療機関・高齢者施設などにおいては、感染対策のルールを遵守していただくということと、従事者に対する検査の実施をお願いします。

 

<資料11頁>

飲食店においては、飲食時のきょうとマナーの遵守、適切な対策が講じられています認証店を利用していただきたいということです。

 

<資料12頁>

人出の活発化への備えとして、(前述のものと)重複するものもありますが、屋外の活動であっても基本的な感染防止対策の徹底していただくということと、集客施設や宿泊施設の管理者は業種別ガイドラインの徹底と、混雑が想定される場合は入場整理をお願いします。利用者の方はイベントの前後においても感染リスクを回避していただくこと。公共交通を利用する際は、マスクを着用し大声を出さないこと。それから様々な行事においては、体調不良者を参加させないようにするということです。

 

<資料13頁>

最後に催し物については、22日から当面の間ということですが、感染防止安全計画の策定を前提に、収容定員までの(収容が可能という)人数上限に変えるということで、取扱を変更しています。

いずれにしても、冒頭にも申し上げましたが、コロナウイルスの感染が収束した訳ではないということが大前提ですので、これは全国的に同じだと思いますが、まん延防止等重点措置が終了してからも、引き続き感染防止対策にご協力をお願いしたいということを是非ともお願いさせていただきまして、私からの発言といたします。

私からは以上です。よろしくお願いします。

 

感染を拡げないために(PDF:938KB)

 

質疑応答

記者

先ほどから知事は油断ができない、引き続き警戒が必要と言われているが、今後、まん延防止等重点措置が解除されて以降、今日決めた対策でどのくらいの期間続けて、様子を見ていこうと考えているのか。

知事

具体的な営業時間等(の措置)ではないので、日にちを区切るというものではありませんが、昨年はちょうどゴールデンウィーク前のところで非常に感染が拡大しました。人出が活発化するところですので、私自身はまずは、今から4月の中下旬に向かって、どういう感染の波と病床の使用率が推移するのかというところは見たいと思っています。その上で、昨年も一昨年も(行いましたが)、大型連休を迎える前には、それに合わせた様々な呼びかけも必要になると考えています。

事態に急な変更がなければ、4月の中旬ぐらいまでは、この対策についての効果、感染状況の推移を見ていきたいと思っていますが、日にちを区切るということは考えていません。

記者

今後更に(対策を)緩和、または警戒するに当たって、何か具体的に目安や、警戒基準といったものを新たに設ける考えはあるのか。

知事

今もレベルで言えば「警戒すべき基準」ですし、感染者数としては、7日間平均で1,000人(以上)ということなので、更に違う基準を設けるつもりは今のところないです。

ただ、国はどちらかというと病床使用率に力点を置いておられますので、病床使用率は常にウォッチしておかないといけないと思っていますが、まずは感染者数の方に感染拡大の兆候が出てきます。

それから、やはりBA.2の存在です。これは知事会でも、厚生労働大臣との意見交換会でも常に言っていますが、単独の都道府県だけではゲノム解析の数に限界がありますので、BA.2が本当にどれぐらい感染拡大に影響してくるのかというところも、ちょっと読めないところがあるのですが、確実に置き換わりが進んでいくのではないかと思っています。

その辺りを見ていきたいと思いますが、今回、まん延防止等重点措置から変わりましたけれども、基本的な感染防止対策としてお願いする内容は、それほど大きな変化はなく、引き続き注意して行動して欲しいという思いです。

記者

行楽シーズンを迎えるが、22日以降は旅行など他府県への移動はどのように向き合っていくべきと考えているか。

知事

まん延防止等重点措置の間でも、人の移動については、特にそこに絞った呼び掛けや対策をしている訳ではなく、旅行先や移動中であろうと、基本的に感染防止対策をきちんとしていれば感染リスクは回避できると思っています。今の時期は一定の人出の活発化は避けられません。だからこそ、そういう時であっても感染防止対策を徹底してほしいという思いで(人出が活発化への備えについては、)特出しで発表しました。

まん延防止等重点措置の時も別段、移動について制限していた訳ではありません。オミクロン株は大都市圏の方が多いのですが、全国的に拡大していますので、どこがどうということではなく、それぞれの場面で感染防止対策を取っていただくことをお願いすることが効果的だと考えて、特にシーズン向けに固めた呼びかけをさせていただいたということです。

記者

今回の対策の中で最初にワクチン接種を持ってきているが、府内全体の3回目のワクチン接種率が現在どのような状況で、知事はどう受け止めているか。

知事

国が発表している総人口に占める3回目のワクチン接種率は京都府がだいたい40番くらいになっていて、少し低い状況です。府独自の試算では、1、2回目を接種された3回目接種対象者に対しては35位から36位で、人口比よりも若干順位が高くなります。着実に少しずつ差を縮めている状況です。開始当初はシステム入力も含めて数字が悪かったのですが、逆に今はできる限り接種していただくということです。当初は接種券の発行が遅れる等いろんなことがありましたが、今打っていただこうと思えば予約の状況も含めて接種環境が整っているので、希望される方ということが大前提ですが、どんどん接種していただきたいと思います。そのためには(府として)開場時間の延長も含めた接種環境を整えていくということと、また、一番(接種を行うのが)多いのは市町村なので、市町村にもしっかり取り組んでいただくとか、高齢者の送迎などいろんな手法を使っていきます。皆さん「絶対打たないといけない」と思っている人ばかりではないので、そうしたところはきめ細かく広報しながら少しでも接種率を上げていきたいと思っています。

徐々に接種は進んでいると思っています。対策本部会議の資料で「1日2万回」と目標を出しましたが、国が「1日当たり100万回」と言っていますので、京都府の人口ではそれくらいの数字が必要かなということです。平均するとまだ達成していませんが、1日当たりでは超えているところもありますので、一つの目安として設けてさせていただいて、より接種を推進していきたいと思います。

第5波の時も完全なエビデンスは今のところありませんが、デルタ株の収束とワクチン接種率の上昇がうまくかみ合っていたこともあるので、ある程度感染が落ち着いている時にできる限りワクチン接種を進めることは、オミクロン株に合わせた対策としては一つの大きな柱だということで今回特に強調しました。

記者

まだ感染者数が高い水準にある中で、このタイミングで飲食店への時短要請を終了すると判断をされた理由は。

知事

元々大原則として、民間事業者や府民の方に一定の行動制限をかけるのは合理的な範囲に留めるべきという大前提に立っていて、政府全体が様々な方針を示されている中で時短要請を継続することは適切ではないという判断です。基本的には、新規感染者数の減少傾向と医療提供体制として、病床確保率の改善を一つの目安として決めました。

ただ、マスクを外して一定の時間、人と接触するという意味においては飲食の機会が感染のリスクが高いのは当然なので、できる限り認証店を使うとか、「きょうとマナー」を守っていただくということは、引き続きお願いしたいと思います。特に感染の再拡大時に飲食店が発生源とならないように、利用される方も施設の方も是非とも意識していただきたいです。

記者

感染再拡大の懸念もある中で、感染防止対策と社会経済活動との両立を今後どう図るべきと知事は考えているのか。

知事

経済というよりも、我々個人の生活も行動も相当制限されていますので、できる限り日常生活に戻すという前提で感染防止対策とのバランスを取るということに尽きます。今回はまん延防止等重点措置を終了するということで、飲食店への時短要請がなくなり、イベントについても若干緩和をするということです。

基本的な感染防止対策は今までと同じようなことをお願いするので、その面では引き続き不便をおかけしますが、この感染状況からするとご理解いただいて守っていただきたいという思いです。少し感染の落ち着きと病床使用率の改善を見て、日常生活の方に近づけたかなということですが、この状況なので、常に見ておかないと再拡大の懸念は皆さん持っておられると思いますが、その意味では警戒は怠らないというのが今の状況だと思います。

記者

(オミクロン株の変異型)BA.2について、先ほど(対策本部会議において)ゲノム解析の数に限界があるという話があったが、今の置き換わりの状況についてどのように分析しているのか。

知事

以前、京都府内でゲノム解析で判明したのは3例と申し上げましたがその数字に変更ありません。ゲノム解析ができているのは全感染者数の1%台です。その3例から、全体の中でどうかということを類推するエビデンスはありませんが、3名とも感染経路不明ですので、一定程度BA.2の感染者がおられるというのは間違いないと思います。

ただ、どれくらい置き換わっているかとか、元々のオミクロン株よりもBA.2の感染力がどうかということは分かりませんが、ただ2.5割とか3割ほど高いということが海外の論文等でありますので、BA.2が一定割合出てくると、感染者が増える方に働くと考えていますが、(置き換わり状況などの)数字を分析するほどの症例がないということです。

記者

「きょうとマナー」として1卓4人以内と呼びかけているが、これから年度替わりで歓送迎会のシーズンになる。これから大人数の飲み会が増えることが想定されるが、知事のスタンスはどうか、何かメッセージはあるか。

知事

飲食店での対応については「きょうとマナー」を守ってもらいたいということに尽きると思います。大人数になれば盛り上がって、最後は席を立って回し飲みをしてお酒を注いで回り、肩を組んで歌っているみたいなことがありますが、そういうことは全て感染リスクがあります。大人数の飲み会だけに絞ってはいませんが、要するに「きょうとマナー」を守っていただきたいということです。

これはまん延防止等重点措置時と大きく変更している訳ではありません。大人数での飲み会には、元々感染リスクがあります。ただ、きちんと分かれて席について淡々と食事をして短時間で帰ってもらうということです。マスクを外さないと飲んだり食べたりできませんが、要するに「きょうとマナー」では、会話の時はマスクを着用することとしています。それをきちんと守っていただきたいということに尽きます。それは大人数だろうと、中人数だろうと、感染リスクのある行動は慎んでほしいという基本的な考えで守ってほしいということです。

記者

小池東京都知事はお花見を控えるように言われていたが、お花見は屋外なので、「きょうとマナー」の対象に入らないのか、考えはどうか。

知事

ここでは、屋外でも基本的な感染防止対策を取るようにお願いしています。テーブルがないので人数の扱いは難しいですが、まさに同じことだと思います。お花見と言っても、歩いて花を見ておられる方もおられます。全体としてはお花見の定義も難しいですが、京都の場合は控えるようにとは言っていません。屋外の活動でも基本的な感染防止対策をしてほしいということに尽きます。

会話時にマスクを着用して一定の距離を取っていただくということです。お花見と言えども、他のところと感染リスクは同じで、花が咲いているということの違いだけだと思います。

記者

GoToイートとGoToトラベルについて国でも議論が進んできていると思うが、知事の考えはどうか。

知事

まずGoToトラベルについては(岸田首相も)今後どうするのか考えると発言されていますので、国の方針を踏まえて考えることになります。

GoToイートは、既発行の食事券の利用停止はしていませんが、認証店での利用に限って実施しています。新規発行を停めているのは、国の補助金を使ってやっており、まん延防止等重点措置期間は実施できないということで、(措置が終了するので、)改めて手続きを再開します。利用期限が5月20日まで利用していいことになり、利用期間を一定確保できますので、そこは今、GoToイートの事務局とどういう形でいつから再開できるか、まん延防止等重点措置が終了することを前提に詰めています。GoToトラベルについては、国の方が全体方針を示さないと、我々としては今のところ動くということはないです。

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