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令和4年5月9日臨時知事記者会見

はじめに

まず発表項目に先立ちまして一言申し上げます。

府民の皆様、事業者の皆様には、この間新型コロナウイルスの感染防止対策に様々ご協力いただいておりますことに心から感謝申し上げます。

まだ新型コロナウイルスとの闘いは続いている訳でございますけれども、今週の木曜日、5月12日が「看護の日」ということで、今週5月8日から5月14日は「看護週間」ということになっております。この瞬間も、医療現場でご奮闘いただいております看護師の皆様をはじめ、医療従事者の皆様にも心から感謝申し上げます。

また、新型コロナウイルス感染症への対応だけでなく、ワクチン接種など様々な場面でも看護師の皆様のお力が必要でございます。「看護の日」を迎えるにあたりまして、お礼と、引き続きのご協力をお願い申し上げます。

令和4年度5月補正予算案の概要について

それでは発表項目に移らせていただきます。

本日は、編成が緊急に必要となった令和4年度5月補正予算案につきまして、その概要をご説明申し上げます。

まず、予算編成の基本方針でございますけれども、今は、コロナから府民の命と健康を守り、暮らしと経済を立て直すことが喫緊の課題ですけれども、加えまして、国際情勢を踏まえた原油価格や物価の高騰によりまして、社会経済情勢は予断を許さない状況だと思っております。このような状況を踏まえて、緊急的な対策を実施するものでございます。順次ご説明をさせていただきます。

 

医療提供体制の強化

まず1番目の「医療提供体制の強化」につきましては、高齢者施設等における医療提供体制を強化するということで7.1億円規模でございます。これは医療支援のネットワークを構築して、施設内感染防止のサポート強化をするものでございます。

まず医療支援のネットワークの構築につきましては、施設医と呼ばれている施設に従事するお医者様がおられますけれども、そうした方をバックアップするような往診のコーディネートチームを医療圏域毎に設置したいと考えております。

それから、施設医や関係の協力医療機関では(治療薬の)投与が難しい場合があるため、治療薬の投与や医療的ケアを行うことができる医師・看護師等を施設に派遣するための費用でございます。

それから、施設医の方も往診することが必要になる場合がございます。そうした感染発生施設への往診を行う施設医に対しまして協力金を支給いたします。

もう一つは、保健所の体制を強化するということで4.6億円規模でございます。保健所の業務の中には様々な業務がありますけれども、システムの入力ですとか(感染者への)連絡・通知などの、様々な専門業務以外の定型業務がたくさんあります。今は応援体制を作って対応しておりますけれども、そうしたことをできる限り外部委託化することによりまして効率化し、保健所職員が専門的な業務に集中できる体制を構築したいと考えております。

 

事業者への支援強化

それから2つ目の柱の「事業者への支援強化」につきましては、まずは事業者に対する緊急支援策ということで1.1億円規模でございます。これは令和3年度の11月補正予算と2月補正予算でも措置しておりましたけれども、非常にニーズが高いということと、その時に比べましても現在の方が経済情勢が非常に不透明になっていることから、その予算の積み増しを行うものでございます。

ハード対策では施設・設備の省エネ・高効率化を図るための取組、サプライチェーンの関係では代替部品の共同開発等の取組について、それぞれ上限500万円、上限1,000万円で支援するものでございます。合わせましてソフト対策では、なかなか省エネとか高効率化のための経営の手法といったことについてノウハウがない中小企業もございますので、そうしたところに対しまして省エネの診断士をはじめとする専門家を派遣するという経費でございます。

「事業者への支援強化」でもう一つは、「商店街施設の省エネ化を図るための取組を緊急支援」ということで2千万円規模でございます。

商店街振興のためには様々な支援制度を持っておりますが、ここにきてエネルギーコストが非常に高くなっているということで、例えば(商店街組織の)アーケード、看板、街路灯などの照明のLED化についての要望が非常に出てきておりますので、そうしたものについての支援でございます。

それから、農業の関係では、肥料・飼料価格が非常に高騰しております。そうしたことから、まず肥料につきましては、できる限り海外依存から脱却していこうということで、府内産畜産堆肥などのいわゆる有機質肥料への転換を支援するもの。それから飼料につきましても、輸入粗飼料依存からの転換を支援していうこということで、(全体で)3千万円規模でございます。

 

幼稚園等における給食費の負担軽減

それから3つ目の柱が「幼稚園等における給食費の負担軽減」ということで、5千万円規模でございます。対象は、給食を実施しております府内の私立の小学校、幼稚園、保育所等に対して、物価高騰による給食費が値上げされた場合にその値上げ額の2分の1を府が支援するという緊急的な支援制度を創設したいと考えております。

なお、公立については、文部科学省から通知があり、設置している市町村において、地方創生臨時交付金を活用した支援策を検討するようにとのことですので、対象外としております。なお、義務教育の中で中学校を外しているのは、府内の私立の中学校で給食を実施しているところがないということで、事実上対象がないということで、小学校までとさせていただいております。

この3つの柱で5月補正予算案は合計13億円台。現計が10,619億円でございますので、補正後予算としては、10,632億円台になるということでございます。

なお、令和3年度5月補正予算後と比較いたしますと93.7%ということです。これは、今回は(当初予算が)骨格的予算ということと、昨年度は協力金が(5月)補正予算の中で大きな割合を占めておりますので、そうしたこととの比較ですが、93.7%となっております。

私からは以上です。よろしくお願いします。

令和4年度5月補正予算案の概要について(PDF:583KB)

質疑応答

記者

補正予算の1点目の「医療提供体制の強化」として、施設内感染の防止と保健所の体制強化について、なぜこういった取組を行うのか、背景も含めて教えてもらいたい。

知事

第6波においては高齢者施設でクラスターがたくさん発生しました。他に幼稚園・保育所、学校現場を含めた3つを施設内感染対策の対象としておりましたけれども、子どもの集団感染が一定落ち着いてからも、高齢者施設については感染が続いていました。

また、高齢者は感染した場合の重症化リスクが高いということもあります。高齢者施設への感染防止対策は当初予算・2月補正でも組んでいましたが、更にそれを強化するということです。

今の感染状況を申し上げると、ゴールデンウィークは休みのばらつきがあるので(傾向が)わからないのですが、昨日現在で(1週間移動平均の)前週比が0.90倍ということなので、ほぼ横ばい、やや減少と言っても非常に減少幅が狭いという状況です。今後、ゴールデンウィークの影響とBA.2への置き換わり等も含めて、万が一の感染拡大に備えて、特に高齢者施設については(感染対策に)万全の体制を期したいという思いから、今回、緊急的にお願いすることとしたものです。

保健所については、元々、緊急的には周辺市町村も含めて多くの方で応援体制を作って乗り切ってきた訳ですけれども、実際、定型的な業務で保健所の業務がひっ迫しているという状況がありましたので、そうしたものをできる限り外部化することによって、保健所の職員の皆さんには、まさに感染者への対応という最も専門的な知識が必要な業務に専念していただく体制をとりたいと考え、臨時的にこの経費を積んでおります。システムへの入力、文書の発送、感染者への連絡といったことは専門的な知識がなくてもできる部分はたくさんありますので、それを外部委託していきたいというものです。

記者

先ほどの話では感染者数は横ばいということだが、この土日だけをみると一気に増えている印象だが、これをどのように受け止めているのか。

知事

例えば前週比を見ると、4月29日からゴールデンウィークが始まっていますが、金曜日までは少なかったのに今週はもう多かったりします。いろんな要素が絡んでいるので1日毎の感染者数では読み切れないところがあります。1週間の移動平均を追っていくと、昨日で0.90倍なので、どちらにしても大幅に減っている状況ではないと思っています。

今回のゴールデンウィーク中に、日頃会わない人との接触の機会が増えていると想定しておりますので、それがどう出てくるかは今日の時点では分析はしきれていません。今週の半ばから後半に掛けて、どれくらいの感染者数の状況になるか見ないとわかりません。BA.2への置き換わりは直近の平均で約68%でした。サンプル数は少ないのですが一定置き換わりが進んでいると考えています。

ゴールデンウィークに入った時の数字とそれほど変わらない数字になったと思っていますが、ゴールデンウィークの人の動きがどう影響してくるのかは非常に強い警戒感を持って注視していきたいと思います。

記者

今後の対応について、現状の対策を続けるのか、徐々に緩和していくのか。対策本部会議の実施の予定はあるのか。

知事

大きな流れとして、京都だけではありませんができる限り日常生活を取り戻したいという思いが皆さんにあります。観光だけではなく、ゴールデンウィークに全国で起こった状況を見ると、皆さん少しずつ日常生活を取り戻したという安堵感が出ているので、それが基本的な姿勢だと思います。ただし感染が爆発的に増えたり、医療提供体制に非常に大きな影響が出る状況になれば、感染防止対策をしていかなければいけません。

今のところは、オミクロン株であろうとその変異株であろうと、基本的な感染防止対策は変わらないので、申し訳ないのですが、もう少し続けていただきたいという思いです。

その上で、次の段階に進むにはゴールデンウィークの影響を含めた5月中下旬の感染状況をきちっと見極めて対応を考えるべきだと考えております。

記者

総理が6月にも(入国時の)水際対策を緩和する方針とのことだが、京都は観光都市でもある。これについての知事の所感は。

知事

京都は観光都市で魅力があることは間違いないので、水際対策が緩和されれば経済面では観光振興にプラスになると思います。ただ、一方で我々としては、国内や京都府内の方々には基本的な感染防止対策など様々なことをお願いしていますが、海外からお越しになる方は国によって感染状況や対策もかなり違うと思います。どういう国の方がどう入国するのかによって、海外からの観光の方に国内でどういう感染防止をしていただくのかなどを、(水際対策の緩和と)合わせて国に方針を示していただきたいというのが私の思いです。

その上で、京都観光は基本的な感染防止対策を徹底した上で楽しんでいただきたいという姿勢は海外からの観光客に対しても変わりません。海外の方が入国されると、京都に来られる可能性は高いと思っていますので、これから緩和の内容が徐々に具体化されていく過程で、国に対しても強く求めていきたいと思います。

記者

(海外から入国する人に)マスクをしていただけるのか不安もあると思うがどうか。

知事

まさに今の話はそういうことです。国立感染症研究所の報告によると、オミクロン株ではエアロゾル感染がかなり出ていると書いてあります。ということは、マスクの着用は感染防止対策としては引き続き有効で、だからこそ皆様にお願いしている訳です。

海外から入国される方について、入国時のワクチン接種証明や陰性証明といった条件をどうするのか。今運用されているビジネス目的の入国と同様なのかどうかなど、どういう形で入ってきていただくのかということも合わせて国に示していただきたいと思っています。

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