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令和4年5月25日臨時知事記者会見

感染を防ぎながら日常を送るために

まずは府民の皆様、事業者の皆様には、この間、様々な感染防止対策の取組にご協力いただいていることに感謝を申し上げます。また、医療現場の第一線でご奮闘いただいております医療従事者の皆様にも併せて心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 

まずは、感染状況でございます。

本日の新規の陽性者数は983人です。7日間の移動平均が815.43人、その前週比0.95倍ということです。ゴールデンウィーク期間中は検査数も減ったということで新規陽性者数が減少したので、そこと比較しますとゴールデンウィーク明けは前週比で増加傾向に見えましたけれども、レベルとしましてはゴールデンウィーク前の水準でほぼ横ばいです。ゴールデンウィークによる感染の拡大傾向というのは見られなかったと思っております。病床使用率につきましても15%前後で推移をしておりますし、高度重症病床使用率も低い水準で推移をしております。

また、65歳以上の方の3回目のワクチン接種も93.5%ということで、4月以降は重症者の割合も低い状況になっております。

2年を超えるコロナ対策ということで、医療提供体制、ワクチン接種、経口薬の投与体制の強化ということで、環境はかなり変わってきているのではないかなと考えております。

そうした中ではありますけれども、新規の陽性者数が高い水準で推移をしているということは、まだ市中感染は続いている状況にあるということですので、府民の皆様には引き続き、感染しない、感染させない、広げないという意識を常に持って行動していただきたいと思っております。ここは一つよろしくお願いいたします。

 

そういう意識のもとに、基本的な感染対策として特に4点、1,換気・手洗い・手指消毒、それから2,体調が悪い場合は家族も含めてですが、(職場などに)そのまま行ってもし感染していると職場や学校で感染が拡大する可能性がありますので、(医療機関の)受診と、(通勤や通学を)控えるということを心がけていただきたいです。3,外出についても同様で、体調に不安がある場合は(外出を)控えていただきたいと思っております。4,人と人との距離(の確保)、大声での会話、感染リスクの高い行動は控えていただきたいということです。

また、自分が感染しないためにということでは、従来からの「正しいマスクの着用、手洗い、手指消毒」、「3つの密の回避」、「換気」、それから「リスク回避」ということで人混みを避けるなどです。

「他の人に感染させない」ということでは、症状がある場合の医療機関への相談、高齢者・基礎疾患のある方、またこれらの方々と日常的に接する方につきましては、感染リスクの高い場所への外出を避けること。会社では、従業員からの申し出等を踏まえてではありますが、在宅勤務や時差出勤などの配慮をお願いいたします。

それから、「ひろげない」ということで、在宅勤務、時差出勤、それから会社側でも健康管理をきちっと行うということ。居場所の切り替わりについては、従来から言われております食堂、休憩室、更衣室、喫煙所等での注意喚起。業種別ガイドラインについて、これは特措法24条9項での要請ですけれども、引き続きガイドラインの遵守をお願いいたします。

学校、保育所について、それぞれで決められたルールがありますので、遵守していただくこと。症状がある場合の登校・登園を控えること。学校が休みの時でも感染は広がりましたので、休み中もリスクの高い行動は控えること。

医療機関、高齢者施設もそれぞれルールが決められておりますので、遵守をしていただきたいということです。

 

マスクについては、基本的には政府の基本的対処方針を分かりやすくしたものですが、要は身体的距離が確保できていれば(必要ない)、それでも屋内で会話をする場合や、屋外でも会話をする時の着用推奨などです。事例としては、外でランニングや鬼ごっこをする場合などは(マスクの着用は)いらない。通勤電車の中では必要。徒歩で通勤する場合などはいらない。そういうそれぞれの場面で、全ての場面を理解してもらう必要はありませんが、マスクの着用については、自分の行動や感染リスクに合わせた合理的なものにしていただきたいという思いです。

 

それから飲食時については、認証店の利用の推奨と、食事中でも会話の時はマスクを着用すること。大声で話さないこと。余裕を持った配席で、長時間に及ばないようにしましょうということでございます。

これに伴い、従来からお願いしておりました、きょうとマナーにつきましては、それに変わり、この4点をお願いしたいということです。

 

それからホール等での催し物の開催について、これは要請内容については全く変わっていませんが、若干誤解といいますか、要請内容ではない取扱いが行われることもありましたので、改めて示させていただきました。例えばこの演奏会や講演会といった催し物は一席空けることは元々求められていませんが、そうしたことも含めて改めて確認させていただくためのものです。

大声の「あり・なし」についても、得点が入った時に出すようなものは「大声あり」のイベントではないということで、反復継続して行われる応援歌の合唱は「大声あり」になりますが、そうしたことも含めて、元々示されていたものですが、改めて確認をさせていただくものです。

 

ワクチンにつきましては、重症化予防の効果などが特に認められておりますので、現在行っている新型コロナウイルス感染症対策の中では非常に重要な切り札のようなものですので、引き続き進めてまいります。まず、希望される方は積極的に接種をして欲しいということです。また、職場や学校で、(接種を)希望される方が気兼ねなく接種に行ける環境を是非とも整えていただきたいということです。

特に若年層への3回目の接種の進捗が悪い訳ですけれども、そのために市町村による接種会場の設置や、ノババックスについては(府の京都タワー会場で)6月1日(水曜日)から受け付けて6月8日(水曜日)から接種開始するほか、ノババックスの接種を行う医療機関の確保を行います。

また、接種機会をなるべく増やすということで週末・夜間の接種会場の設置を行います。それからワクチンバスというのは、接種会場に来ていただくというよりも接種する側が出向いていってそこで接種をするというものです。さらに、子連れの方のために、京都タワー会場での保育ルームを設置します。

細かい内容も含まれていますので、正確を期すために資料を配付させていただいております。

4回目接種についても6月から市町村で開始をいたします。京都府においては、明日から従来からの3会場で予約を受け付けて接種を開始いたします。対象者は60歳以上の方又は基礎疾患を有するなど医師が重症化リスクが高いと認める方で、なおかつ3回目の接種後5か月を経過した方です。引き続き、感染リスクの高い方ということですので、4回目の接種を進めてまいりたいと思っております。

 

私からは以上です。よろしくお願いいたします。

質疑応答

記者

感染状況についての認識と、「きょうとマナー」の今後の取扱いについて、改めて伺いたい。

知事

まず感染状況についてです。これまでの2年を超える新型コロナ感染では、波があるとかなり低い水準まで落ち着いて、また新しい変異株等の要素で(波が)上がってきましたが、今回は一定の水準で横ばいになっています。これは京都だけでなくほぼ全国的な現象です。京都府内で見ても、人口密集地で起こっているというよりもかなり広範囲で起こっています。

この状況ですと落ち着いているので、拡大しなかったということで、しかも徐々に、若干ですが下がり気味です。今のところは感染の急拡大が起こる懸念はないということです。どう表現するのがいいかというのはありますが、私としては、感染状況は落ち着いているのではないかということです。

それに加えて、重症者数や病床使用率を見ても、感染状況が医療提供体制に与えている影響の部分についても落ち着いているということも合わせて、全体として落ち着いている状況ではないかということです。

ただ、逆にこれだけ(新規陽性者が)出ているということは、市中にウイルスが一定存在しているということは間違いないので、感染リスクがないということではなく、基本的な感染防止の部分は守っていただきたいと考えています。

「きょうとマナー」については、昨年の秋も同様だったのですが、「きょうとマナー」自体はあるのですが、一旦休止というか今回は適用せず、「きょうとマナー」に代わって飲食時の感染対策として、この4つをお願いしたいということです。

この背景としては、感染者の状況と医療提供体制の状況の両方ともが比較的落ち着いているということと、3回目のワクチン接種が、特に重症化リスクの高い高齢者では65歳以上で9割まで進んでいます。医療現場でも、中和抗体薬や経口薬も相当普及してきています。それから会食のクラスターや飲食店でのクラスターはここのところ発生していないということもありました。そういう総合判断のもとで今回はこういう形に切り替えさせていただいたということです。

記者

飲食時の感染防止対策が「きょうとマナー」ほどではないが、少し弱まった形で残る。これをなぜ残すこととしたのか。

知事

認証店の利用については、元々認証店は感染リスクを抑え感染を防止するために認証しているものですので、全体の感染を抑えていくことや、リスクを抑えていくためには、認証店を利用していただくことが全体としては望ましいということで、全般的に(対策を)掛けせていただきました。

「会話時のマスク着用」と「大声で話さない」につきましては、基本的感染対策やマスク着用などいろんな場面で言っているのですが、やはり近距離で会話をすれば、しかも飲食時の会話というのは距離が近くなりますので、話す時にはマスクを着用していただくということは、飲食時というよりも会話の時のマスク着用という、全般的なマスク着用の基本的なルールを飲食時にあっても、注意喚起するということです。

大声についても同じです。エアロゾル感染も言われていますので、できる限りそういうことは止めていただきたいということです。

また、余裕を持った配席で、長時間に及ばないは、今まで4人・2時間と言っていたのですが、「余裕を持った配席」というのはマスクや大声とほぼ同じで、エアロゾル感染等もあるので、できればそもそも余裕を持った配席にすればリスクが低いということと、お酒を注ぎ合ったりは今はしていませんが、長時間になると段々と調子が出てきますので、時間の面でも感染リスクを下げていただきたいということです。

ただ、いずれにしてもお願い・要請ベースの話なので、きちっとしたラインを引くということではなく、心構えとか姿勢についてお願いをさせていただいたということです。

記者

きょうとマナーの2時間4人以内の呼びかけは今の対策本部会議をもって、一旦終了したという理解でいいのか。

知事

そうです。きょうとマナーは飲食時のマナーを言っていましたので、きょうとマナーに変わって、この4項目でお願いしますということです。ただ、マナーを廃止するというのではなく、一旦適用を休止するということです。きょうとマナー自体を変えるという訳ではなく、それに変わって4項目をお願いをするということです。

現場としては、きょうとマナーは適用されないということです。

記者

起点がいつから切り替わるのか。

知事

対策本部会議が終了しましたので、今日をもってということです。終期は今の感染状況からなかなか設定しにくいので、新しい全ての対策については当面の間ということで、感染状況を見ながら次の見直しまでは今の対策を継続してお願いしたいと思います。

記者

飲食時の対策として「きょうとマナー」で手指消毒の項目があったが、今回の4項目の中に入っていないのは何故か。

知事

全体の基本的感染防止対策の中で手指消毒はお願いしています。きょうとマナーを始めた時点では飲食店でのクラスター発生を前提にして、特に退店時にウイルスを持って出ないようにということで手指消毒を強調しておりましたが、今回そこまではお願いする必要がないということで変更しましたが、手指消毒自体が必要ないということではありません。

記者

きょうとマナーについて2時間、4人以下というのは、「余裕を持った配席」「長時間に及ばない」という定性的な表現に変わったということか。

知事

はい。2時間、4人以下というのがこうした表現に変わりました。

記者

飲食時の感染防止対策について、きょうとマナーが一旦終わるのは今日ということだが、飲食時の対策の4つの項目は今日の夜からという考えでよいのか。

知事

はい、今日の夜からです。

記者

大阪府や兵庫県など近隣府県との比較になるが、兵庫県では1テーブル4人、2時間を継続していて、大阪府は非認証店については1テーブル4人、2時間以内の呼び掛けを継続している。京都府は認証店を利用しようという呼び掛けだが、大枠としては認証店だろうと非認証店だろうと飲食時の感染防止対策を行うことになるという理解でよいか。

また、これまでまん延防止等重点措置等で大阪府・兵庫県と、地域性があるという理由で足並みを揃えて対策を打ってこられたが、今回、差があることについて、どのような調整がされたのか。

知事

大阪府は非認証店の1テーブル4人を続けるということですが、大阪府は元々非認証店に入場制限をしていました。元々京都府とは違うレベルでやっていました。今回、大阪府は(京都府との)違いを継続させたということです。一方、京都府の場合、きょうとマナーは認証店・非認証店に関わらず同じことをお願いしておりました。今回全体として認証店の利用をお願いするのですが、今までも差を設けていなかったので、今回も差を設けなかったということです。

調整については、この前の関西広域連合の会議の場で大阪府・兵庫県の両知事と話をしました。大阪府は5月22日までが(従来の)要請の期間でしたので、23日から新たな要請をすることはやむを得ないという話をしました。兵庫県も我々と少しスケジュールが違いましたが、基本的なベースとなる部分は摺り合わせたつもりです。

全国的にもかなり4人の人数制限をしているところが少なくなってきていますので、ゴールデンウィークであまり(感染が)拡大しなくてよかったという話と、基本的なベースとなる部分は摺り合わせました。ただ、(要請の内容を)全く一緒にすべきかどうかについては、それぞれ過去の経緯があるので、完全に一緒にすることはないのではないかとなりました。

非常に厳しい制限をする場合には、それによって(制限がその府県よりも厳しくない府県へ)移動が起こったりするという懸念があったのですが、今回はそこまでの心配はないのではないかということで、知事同士で話しましたし、事務方でも意見交換していますので、非常に大きな齟齬が出るようなことにはしないつもりです。兵庫県はスケジュールとしては少し遅いですが、そんなに大きな差があるようなことが決められるとは想定していません。

記者

会話時のマスク着用について、きょうとマナーの時期でも、お酒が入ると会話時にマスクをつけない例が多く見られたが、実効性の部分について知事としてどのように見ているのか。

知事

マスクについては海外では義務付けることになっています。逆に日本ではそういうことをしなくても要請や呼び掛けで非常に高いマスクの着用率になっています。

私自身は、一定の時間内で飲食されている間ははずしていても、会話する時にはマスクを着けている人が多いと感じています。飲食の時はマスクをはずしているから着けにくいということはありますが、全体として、マスクについて改めて国が基本的対処方針で示したのは、屋内でも身体的距離が確保できずに会話をする時や、屋外でも会話をする時は着用を推奨するとしています。これはまさに義務づけることなしにやろうということなので、実効性ということであればできる限りPRや啓発をしてお願いをするくらいしか手法がないのだと思います。今回、マスクが話題になったので、もう一度きっちりと広報することで感染リスクを下げていきたいと思います。

記者

対策本部会議の資料によると飲食店のクラスターがゼロということだが、日々の感染者の発表を見ていると、感染経路がわからない方が9割以上を占めている。そうなると、そもそも飲食店でクラスターが発生しているかどうかわからない状態にあるのではないかという推測が成り立つが、知事はどのように考えるのか。

知事

それはその通りです。濃厚接触者が調べられたような時は、その接触の状況で経路がわかります。今は症状のある方が(受診に)来られます。それでも、過去の行動を聞いていればわかるのですが、今は経路不明の割合が多く、ご指摘のとおり(感染経路を)追えません。そういう意味では、ひょっとすると仲間内の会食で少人数でもうつっている可能性もあります。

ただ、明らかにクラスター的なものが飲食店で発生をすれば、我々もどういう行動をされたかヒアリングしていますから網にはかかってくると思いますが、そうした事例はありません。そういう意味ではクラスター的なものは発生していません。

ただ、飲食の機会に感染した人がいないかというとそれはわかりません。逆に言えば家族間の感染を考えると、常時一緒にいてマスクを外して飲食や会話をして感染していることを考えれば、飲食時はマスクを外すリスクが一番高いという意味で、一定の防止対策をお願いせざるを得ないという判断です。

記者

マスクの着用は国と同の考え方と同じという理解でいいのか。

知事

はい、同じです。

記者

マスクの着用について、文部科学省は体育の授業では着用しなくていいという考え方を示しているが、学校でのマスク着用についての考えはあるか。

知事

基本的な整理は基本的対処方針に沿っています。基本的対処方針を学校現場などそれぞれの現場に置き直すのは文部科学省なり所管のところになります。現場が混乱しないようよりきめ細かく規定されることについては、学校であれば、文部科学省の方針に従って、それぞれの学校現場で決めていただくとということでいいと思っています。

記者

府民への感染対策や呼び掛けで変わる部分というのは、きょうとマナーとマスク着用の考え方以外に変更点はあるか。

知事

基本は、ご指摘どおり飲食時のきょうとマナーとマスクの着用の考え方です。マスクについてはいろんな議論がありましたが、誤解がないように国が基本的対処方針まで変更していて、(今回の府の呼びかけは)それに合わせたものです。感染防止の呼びかけとしては、変わるところは大きくはその2つです。

記者

ワクチン接種について、若い世代の接種を進めるためにノババックス社のワクチンの接種を実施するということだが、新たな選択肢を設けることにどのような狙いがあるのか。

知事

ノババックスは(接種会場ではなく)医療機関で接種することになっています。項目にもありますが、ノババックスが接種できる医療機関を増やしていかなければいけません。京都タワー会場では接種をしますが、どこでもできるということでもないです。また、供給量との兼ね合いもあります。

ノババックスは3回目までは接種できます。後々は別として現在はそれほど数がないなど課題はありますが、できる限り活用していきたいとということで、今回京都タワー会場で接種するのと、(接種できる)医療機関を確保していくということです。

記者

集団感染について、5月は26カ所中、15カ所が高齢者施設・障害者施設となっているが、支援を強化するとのことであったが、こうしたことの評価はどうか。

知事

集団感染は26カ所と多いのですが、その前の状況を見ても、やはり高齢者施設はウイルスが一旦持ち込まれた場合、特に介護の現場では従事者との身体的距離が密着していますので感染が広がるリスクが高いです。だからこそサポートチームを派遣して動線を分けたり、5月の補正予算でも派遣診療をすることとしています。高齢者施設にウイルスを持ち込まないことが重要なので従業員の方の検査等をしていますが、やはり一定程度、施設の性格上、集団発生は起きやすいです。だからこそ、そこに重点的に感染対策や感染者が出た場合のフォローをしたいと考えています。

ワクチン接種が非常に進んだことによって、感染者は出ていますが重症者が減っているという意味では、ワクチン接種の進捗に合わせて重症化予防の効果も出ているのではないかと分析しています。

両方相まって最終的にはできる限り命と健康を守りたいという意味において、集団感染が一定程度出ているからこそ対策は更に万全を期してまいります。

記者

集団感染の発生が一定数あることは「やむを得ない」という認識なのか。

知事

全体の感染者数が1日1000人に近い中で、5月の集団感染での感染者数は323人です。クラスターの発生によって全体の感染者数を押し上げているというよりも、クラスター以外でかなり市中での感染者が出ています。

どういう形で感染しているのかというのは、京都だけでは分析しきれないのですが、市中にかなりウイルスがいるということです。まさにそれが感染症だと思います。もちろん集団発生を防ぐことも重要ですが、全体としては感染を防ぐための基本的な感染防止対策をやることが、集団感染を減らすことにつながると思います。集団感染だけを防ぐというよりも、全体として地域的にもかなり満遍なく感染者が出ているので、これだけに着目するのではなく、全体としても感染のリスクを下げていくということがWITHコロナ(社会)なのではないかと思います。決して集団感染を軽視している訳ではありませんが、全体として抑えていくことが重要だと思います。

記者

現状の感染状況が前提にあって、「日常に近づけていく」「戻していく」という発言があったが、その辺りの知事の思いはどうか。

知事

元々コロナの感染対策はほとんどが要請やお願いベースですので、一定、それを守る方の納得やご理解の下に行っています。そこに信頼関係を構築することで(要請やお願いを)守っていただくという形ですので、常に施策の目的や効果に比べて過度な要請はできる限り避けたいというのが基本的なスタンスです。

今の感染状況は過去に無い状況ではありますが一定落ちついています。政府も含めて全体としてマスク着用や水際対策の緩和等、少しずつ日常に近づけようとしている中で、今回少し対策を見直しました。

ただ、ベースは(京都府専門家会議)松井議長も仰っていたように市中にコロナウイルスがいるのは間違いないので、もう感染防止対策は必要ないという誤ったメッセージならないように、いろいろとお願いしましたけれども引き続きご協力いただきたいということです。その中で徐々に日常生活に近づけていくための一環としての今回の対策の見直しとご理解いただきたいということです。

記者

知事は第6波がまだ続いているという認識か。

知事

私自身はなかなか定義ができないと思っています。少なくとも、1週間の移動平均が800人を超えるレベルなので第6波は続いていますし、第7波に入ったかというと、BA.2への置き換わりは出ていますが、新たな変異株による感染者数の増加は見られません。何をもって波というのかといえば、頂なり山という意味では第6波が続いていて、その局面が長いということだと私自身は思っています。

記者

第6波の出口戦略について、今回、日常に近づける方向で舵を切られたかと思うが、知事としては現状の感染者数のレベルを維持して社会経済活動を回して、何らかの要因で自然に減っていくことを期待しているのか。それ以外に感染の山を低く抑えていくことについて中長期的なビジョンがあるのか。

知事

それは非常に難しい話で、ウイルスは人間以外を媒介して移動する手段を持っていないので、厳しく移動制限や行動自粛をすれば感染は止まります。しかし、そういうことはできないと思っています。

その今の状況の中で出ている感染者数ですので、更にこれを抑えるのに何の手法があるのかは全てのコロナ対策として、私だけでなくて国も一番悩んでいるところだと思います。その中で唯一、明らかに効果があって具体的な手法というのはワクチン接種だと考えています。感染予防よりも重症化予防の方がより明確な効果が出ていますが、そこはきちっとやっていこうということです。

加えて、ウイルスがうつるのは飛沫感染かエアロゾル感染と言われているので、そこを防ぐためにマスクはきちっとつけましょうということをお願いしているということです。

ただ、それによって市中にいるウイルスが少しずつ消滅することにつながるかというと、なかなかそこまでは言えないと思います。ただ、ゴールデンウィークの人の移動があって、普段会わない人と接触した機会が多かった中でも急激な拡大が見られなかったということであれば、今の生活をある程度継続していれば感染の拡大を抑えられるということなので、徐々に日常に戻していきますし、全国的にもやや(感染者数の)減少傾向が出てきていますので、それがWITHコロナなのかなと思います。

ただ出口戦略となると、ここが出口なのかと言われると、もう少し(感染者数が)減少するか、今の感染状況がどういうものなのかというのを国が示して、更に日常に近づけるということをする時期が来るんだと思いますが、今はまだその段階までは行っていないのではないかと考えています。ゴールデンウィークの影響が無かったということを確認して、次の段階に入ったというのが私としての位置付けです。

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