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令和4年8月31日定例知事記者会見

1.令和4年度9月補正予算案の概要について

予算編成の基本方針

まずは予算編成の基本方針ですが、原油価格・物価高騰が続いているという状況を踏まえまして、府民生活・事業活動に対する緊急支援、また、引き続き新型コロナウイルス感染症に対応するための医療提供体制等の確保、更に、丹後郷土資料館のリニューアル整備など、未来の京都づくりに向けた整備の推進に必要な予算を計上いたしました。

以下、具体的な内容を申し上げます。

Ⅰ原油価格・物価高騰等に対する緊急対策

まずは、物価高騰等に対する緊急対策では、「こどもの城等緊急支援事業費」で1,000万円規模でございます。物価高騰により厳しい運営状況にあります子ども食堂やこどもの居場所、児童養護施設等を支援するもので、食材費の高騰分について支援を行います。

「社会福祉施設等緊急支援事業費」2.9億円規模でございます。これは、高齢者・障害者施設が対象ですが、特に送迎や訪問等のサービス提供の維持に必要な燃料費の高騰分につきまして支援するものです。

次に中小企業者等の経営改善の支援ということで、11億円規模でございます。これは伴走支援型の経営改善おうえん資金の融資を受けて経営改善に取り組まれる中小企業者等を支援するもので、この資金は、経営改善の計画を策定して金融機関の継続的な伴走支援を受けるということを条件にしていますが、その場合の信用保証料の範囲内で支援をするものでございます。

次に「肥料高騰緊急対策拡充支援事業費」3,000万円規模でございます。5月補正予算で肥料高騰対策を実施していますが、その制度の要件緩和と対象の拡大を行うもので、補助要件が元々は化学肥料の対前年削減割合を30%としていましたが、20%に緩和するということと、期間を令和4年11月までとしていたものを令和5年3月末までに延長し、対象品目が野菜・花きだったものを、水稲とお茶を追加し、春肥料中心の品目に拡充するものです。

「宇治茶生産省エネ推進緊急対策事業費」2.6億円規模と、「輸入飼料価格高騰対策緊急支援事業」2億円規模につきましては、それぞれ6月補正予算で措置したものにつきまして、予算の執行見込みを踏まえまして、追加拡充するものです。

Ⅱ新型コロナウイルス感染症対策

「新型コロナウイルス感染症対策」につきましては、336億円規模ですが、これは現在実施しています、資料(5ページ)に例示を書いていますが、受入病床、宿泊療養施設、自宅療養者の生活支援等に必要な金額で、(既決予算で)上半期分を措置していましたが、更に12月末までの経費を計上するもので、コロナ対策全般について必要な経費です。

Ⅲ未来の京都づくりに向けた整備の推進

「丹後郷土資料館整備推進費」4,500万円規模です。これは先日、佐々木丞平氏を名誉館長としてお招きするということをキックオフで発表させていただきましたが、今回、基本実施設計に必要な経費の予算を計上するものです。この資料館を「丹後の歴史文化探訪・観光の拠点」にしたいということで、機能性を兼ね備えた施設にリニューアルをしたいということです。多様な専門家や地元と連携しながら博物館の機能面や運営面の強化につきまして準備を始めるというものです。

次に、「文化庁移転準備費」500万円規模です。これは、いよいよ来年3月に文化庁が京都で業務を開始します。その時、(文化庁は)国の機関ですが、おそらく記念式典等が行われますので、その場合の地元側としてお迎えするために必要な経費です。

次に、「けいはんなサスティナブルスマートシティ推進事業費」1.7億円規模でございます。これは6月補正予算で、官民が持っている様々なデータを活用するため、流通取引市場を構築するというものを、(国の)デジタル田園都市国家構想推進交付金で採択されましたが、今回はそのシステムを活用して、実際にスマートライフサービスの実装を行うというもので、国庫補助が採択されましたので、それに伴う必要な予算措置です。例えば、スマートウォッチ等で収集する健康データを活用した健康アプリを開発することや、バス停を総合的な情報発信プラットフォームとして活用するというようなものです。今後は、サービスの実装に必要な経費でございます。

予算案の規模

令和4年度の現計予算が1兆904億円で、今回の補正予算が364億円台で、合わせまして補正後予算額としては、1兆1,268億円台です。

令和3年度とは比較が難く、試みとしてですが、(令和3年度9月補正予算では)営業時間短縮要請に伴う時短協力金の額が大きく、また、今年度は時短要請はしていませんが、(協力金の)支出を令和4年度に行うので、2月補正で令和4年度予算に計上しているということから、時短協力金を令和3年度、令和4年度の9月補正後予算額から両方除くと、令和4年度9月補正後予算額は、令和3年度9月補正後予算額と比べると、98.6%ということで、やや減となっています。

補正予算については以上でございます。

2.女性のためのチャット相談窓口「ここはな」の開設について

2点目は、女性のためのチャット相談窓口「ここはな」の開設についてです。

コロナ禍を背景に、非常に女性の方の社会的・精神的な不安が多様化・深刻化していることから、京都府では昨年7月から「京都府女性つながりサポート事業」として、京都府男女共同参画センターの体制強化や、民間団体の専門性を活用した無料カウンセリング等を実施しています。

(府の)既存相談窓口の現状を見ますと、若い女性からの相談が少ない傾向があり、若い女性でも、誰もが気軽に相談ができるよう、チャットによる相談窓口を9月1日から開設いたします。

窓口は、働いておられる方など昼間に相談しにくいということで、毎週月曜日~土曜日の19時から21時に開設することとし、女性が抱えるあらゆる悩み相談に乗っていくこととしています。

京都府ホームページからログインいただくことで、相談員がチャット形式で対応するということでございますので、電話や対面での相談に抵抗があるという方に是非ともご利用いただきたいと思いますので、周知についてよろしくお願いします。

3.令和4年度京都府総合防災訓練の実施について

3点目は、令和4年度京都府総合防災訓練の実施についてです。

例年9月1日が「防災の日」ですが、それを含む「防災週間」に合わせて総合防災訓練を実施しております。今年は9月4日(日曜日)に防災関係機関約70団体と合同で実施します。

府内でも今年の初めに、亀岡市などを震源とする最大震度3~4の地震が短期間に4回発生しましたし、線状降水帯による大雨というのは全国各地で発生しております。

こうした状況を踏まえ、今年度は、府南部地域における直下型地震及び豪雨による複合災害による被害を想定した訓練を実施します。

訓練は大きく2種類ございます。一つは災害対策本部会議訓練ということで、府庁内に設置する災害対策本部への報告等の訓練を行います。

次に、災害対応訓練では、精華町の会場において、各防災関係機関との連携による救出・救助訓練や、新型コロナウイルス感染症を考慮した避難所運営、また、木津川河川敷に臨時のヘリポートを設置しての救出訓練といった実動訓練などを行いますので、当日の取材についてよろしくお願いします。

4.「ALL KYOTO FES―京都とつながる1日―」の開催について

4点目は、「ALL KYOTO FES-京都とつながる1日-」の開催についてです。

このイベントは、京都に興味のある方全てを対象に、府内各地で体験できることを色々見てもらえるよう、今回初めて、「観光」「関係人口」「移住」のブースが一堂に会する形で、9月11日(日曜日)にグランフロント大阪及びJR大阪駅にて開催します。

これからの季節の観光情報や地域産品を紹介する「観光PR・マルシェコーナー」や、府内事業者や地域おこし協力隊による新しい働き方や地域との関わり方などの紹介を行う「地域と関わるコーナー」、府内12市町村による移住・就業相談や京都ジョブパークによるUIJターン相談を行う「移住相談コーナー」を設けます。

更に、特設ステージでは、移住者やあやべ地域交流大使のシャンプーハットてつじさんなど、京都で活動されている方々が地域での取組を紹介するトークセッションなども行います。

いずれにしても京都府内を訪れていただくきっかけや、交流のきっかけ、最終的には移住につながればということを考えておりますので、事前の周知と当日の取材についてよろしくお願いします。

私からは以上です。よろしくお願いします。

質疑応答

記者

補正予算の「原油価格・物価高騰等に対する緊急対策」について、先日の京都府町村議会議長会との会議で様々な要望があったが、その中で物価高騰・原油価格、農業(支援)を含めた対策をという声が上がっていたことも踏まえたのか、背景はどうか。

知事

原油価格・物価高騰の状況を見ると、7月の消費者物価指数もかなり高い伸びを示しており、足元の物価高騰が続いているということ。また、先行きがなかなか見通せないということもあって、現状で困っておられる方、それから、先行きについて非常に不安に思っている方がおられますので何らかの手を打たなければいけないということです。一方で国の方も、総理が対策のパッケージをまとめるように指示されてますので、いずれそれが出てくると思いますが、手をこまねいてる訳にいかないということで、予算は限られますが、今回、特に必要な部分に着目して、対策を講じさせていただきました。

当然、町村議会だけでなく、府内の市町村、事業者、福祉等も含めた関係団体の声を踏まえてやっています。

国の方でより大きな対策が出てくれば速やかに対応するつもりですが、できる範囲の形で緊急的なものを計上させていただきました。

記者

丹後郷土資料館の整備について、来館者が多くない状況かと思うが、今後に向けて、どういう資料館であって欲しいか、その方向性と知事の思いを教えてもらいたい。

知事

丹後郷土資料館をあの場所で設置した経緯として、地元の思いと全面的な協力によって建てられました。現地に行っていただいたらわかるのですが、あそこは元々丹後国分寺の跡で、大体国分寺というのは、どこもかなりいい場所に建っているのですが、特にあそこは天橋立を見下ろせる絶好の立地です。もちろん歴史資料館ですから(中心は)歴史文化ですけれども、観光の拠点となるような博物館を目指してリニューアルをしたいと考えています。

外観や佇まいも非常に歴史感や重厚感がありますし、周辺の景観とも非常にマッチしていますので、現存施設を残存させてリニューアルしたいと考えています。

それから、佐々木丞平さんが名誉館長委嘱式の時に、ICOM(国際博物館会議)全体の責任者をされていたこともありますので、「歴史博物館や美術館といった様々な機関と連携して、そのコアとなるような機能も持つべきなのではないか」ということも仰っています。

もう一つは、国宝などを常時展示するためには公開承認施設というものでないと認めてもらえないということがあります。そのために必要な展示機能もありますので、全体としてレベルの高いものと連携、あとは立地が非常にいいので、観光も含めた交流の拠点としたいと考えています。そのためには、単体のリニューアルも必要なんですが、やはり宮津市だけでなく、地元と一体となって、あの辺りの地域活性化に繋げていくようなことになれば、私としては非常にありがたいと考えています。

記者

新型コロナ陽性者の全数把握に関して、一旦8月29日締め切りで簡素化するかどうかを都道府県知事が判断することとなっている。その前段階として、8月23日に知事が副本部長として名前を連ねておられる全国知事会の新型コロナ緊急対策本部が出した緊急声明の中で、感染者の発生届について「全数把握に代わる現実的な手法を早急に」と記載されている。その部分と京都府の対応にずれがあると思うが、経過を踏まえて考え方の違いを教えてもらいたい。

知事

結論から言うと、ずれはありません。8月23日は役員会議として集まり、緊急に(声明を)出さなければいけないという判断で、普通は(役員が)名前を連ねた後に41都道府県知事が本部員として記載して出しているので、私が名前を連ねたというのはほぼ知事会の意志として出したということです。

23日の緊急声明は、文書の中にもありますが、爆発的な感染が続いていて、ハーシスの入力も含めた全数把握(に関する事務の増大)によって本当に必要な本来の医療・保健サービスの提供に支障が生じているということから、それに代わる仕組みをお願いしたものです。

その時から全国の中で色々な声があって、既にその時点で全数把握を続けるつもりだと言われた所もありましたし、すぐにでも全数把握に代わるものをやって欲しいと言われた所もありましたので、要望としては最大公約数的に取りまとめなければいけませんでした。特に本来の医療・保健サービスに支障が出る所があれば、何とかしなければいけないという思いで私としても参画して、あのような緊急声明になりました。

私もその時の発言の中で、届出対象外の方の健康観察をどうするのかといった色々な課題があるということを指摘していましたので、あの声明と今の京都府の対応に齟齬はないです。

ただ、あの声明を受けてその通り国が対応したかどうかという意味においては、緊急避難的にやる所はやって欲しいということが(国から)出てくることが想定されたかというと、あまり想定されていなかったのではないかという気もします。一つの全国的な制度として制度の見直しを行われることを、私だけではなく皆さん想定していたと思います。

あの声明と、現実的には見直しを求める強い声に対して、しかも早くやらなければいけないという政府の判断で、今回の緊急避難的な措置が示されたのではないかと考えています。

記者

全数把握の見直しについて、厚生労働省の事務連絡で、毎週金曜日に都道府県としては厚生労働省に申請するという形が現状の運用だと思うが、現状の考えはどうか。

知事

まずは、緊急避難措置を実施するかどうかというのは、府民の皆様の命と健康をお守りするという大前提に立った上で、課題がいくつかあります。例えば、届け出対象外の方の容体悪化時のフォローアップや入院調整をどのように行うのか、自宅療養されている方に対する支援をどうするかとか、療養証明書の発行や宿泊療養施設への入所などについてどういうふうにするのか、また近隣府県との間で比較的発生届の移管のやりとりが多いのですが、それぞれが取扱いを異にした場合にどう調整するのかということがあって、要するに発生届を出発点としている様々なシステムを見直すことが当然必要になります。その上で、それを医療機関などに周知するには一定の時間が必要ではないかと思います。

先ほどの岸田総理の会見でも、いわゆる全体像の見直しということを、時期は明言されていませんでしたが、適切なタイミングで示すということで、今それを検討されていると明確に仰っていたこと、また現場の方からも、今の方法でなんとか現場は回っているので、他のところは全部変えないで発生届のところだけということであれば、そのためにまたシステムを見直すということは大変だということ、しかもそれで場合によってはもう一度全体像の見直しに連れて見直しがあるということで、混乱するのではないかとの心配もありました。

そうしたことから、私としては、今回はあくまで緊急避難的に行われるもので、効果はあくまで負担の軽減ということであり、いわゆる手戻りのリスクや様々なリスクを冒してまで、緊急的に事務負担の軽減を行う必要があるのかというところは十分見極める必要があるのではないかということで、引き続き検討する必要があると考えており、当面は申請を見送り、申請をしない形で状況を見守りたいと考えております。今のところはすぐに申請するつもりはありませんが、状況がどう変わるかとか、先行している4県の中でどういったことが行われるのかとかといったこともあるので、常にやる場合はどうするかという検討は続けなければならないと考えております。

記者

現場の声を聞かれたと思うが、現場というのは保健所なのか医療機関なのか。

知事

発生届の入力は保健所と医療機関で分担して実施しているので、両方です。

記者

明日から9月となり、京都BA.5対策強化宣言が延長されこれまでの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の時に比べて、(要請などに)どう対応したらいいのかわからないことがある中での新学期のスタートとなるが、9月は運動会や文化祭、オープンキャンパスなどが始まるが、そのような行事の開催についてどのように考えているのか。

知事

「京都BA.5対策強化宣言」を延長する際に新たに宣言の中に盛り込みましたが、新学期が始まるということで、夏休みと違って人と人とが会う機会が多くなるのということもあるので、改めて基本的な感染防止対策を徹底するようにお願いしていますので、学校現場で生徒の指導も含めて徹底していただきたいです。

京都府内でも一部の学校では既に新学期が始まっていて、それらの現場を見ると感染が急拡大している兆候はありませんが、よく注視していかなければいけないと考えています。

行事を開催することがリスクというよりも、学校行事は学びの場でもあり、生徒にとってみれば貴重な機会なので、そうした機会が失われないようにするためにも基本的な感染防止対策はきちっとやっていただきたいという思いで宣言を延長しました。

現実的な問題として、学校現場に聞くと、学校におられる間の感染防止対策というのはかなり徹底しておられますので、そういう意味では学校におられる間こそかなり(感染対策は)守られていると考えています。先生方は非常に大変ですし、子どもさん達にも負担が掛かっていますが、そうした行事や学びを得るためにも是非とも御協力をお願いしたいと考えています。

記者

コロナの感染状況について、前週比は1倍を割り込んでいるようだが現在の認識はどうか。

知事

昨日の新規陽性者数は2,827人、7日間の移動平均は3,969人、7日間移動平均の前週比が0.87倍で、4日連続で前週比が1倍を切る状況です。BA.5対策強化宣言をする前の8月上旬では(1日の新規感染者数が)5,000人を超える日もありましたが、今は4,000人程度で若干減少しているということは間違いないです。

全国的な傾向を見ても、お盆の時期の影響を除いて考えると、今はやや減少気味にありますが、水準としてはまだ高いです。

それから、無料のPCR検査での陽性率も8月21日から27日までが8.8%で、その前の1週間が11.9%なので、この数字だけでは断言できませんが市中でもやや減少傾向にあると考えています。また、発熱外来の窓口の状況を聞いてもまだまだ大変ではありますが、一時期のひっ迫状況と比べるとやや緩和しているという声も聞いているので、若干ですけれども減少傾向にあるのではないかと考えています。ただ水準は高いので、警戒は怠らないようにしたいです。

記者

安倍元総理の国葬について、京都府として何らかの弔意を示す予定はあるのか。

知事

閣議で国民に対して弔意を示すことは見送られていますし、地方自治体に対してどういうことをするのかということは示されていないので、まだ検討していません。過去の例で言えば中曽根元総理の時には自民党と内閣の合同葬でしたが、その時には、本庁と振興局などで半旗を掲揚したことはありましたが、あくまで過去の例なので、今回、国からどのような通知が来るかによって改めて検討したいと考えています。

記者

教育委員会に対して、首長として弔意を示すことを求めるような指示を出す予定はあるのか。

知事

これは文科省からいずれ教育委員会に何らかの意思表示があると思いますが、教育委員会で適切に判断されると考えていますので、私から教育委員会の判断に対して何らかの意思表示をするつもりは今のところありません。

記者

知事として国葬に出席するかどうかは、案内が来てから判断するのか。

知事

そうです、まだ来ていないですが、案内が来れば他の公務の日程との兼ね合いの中で検討します。

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