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令和4年11月11日定例知事記者会見

新型コロナウイルス感染症対策について

会見項目に先立ち、配付資料はございませんが、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

足元の感染状況については、昨日の新規陽性者数が1,060人、7日間移動平均は882.14人、その前週比は1.29倍ということで、前週比は15日間連続で1倍を超えており、増加傾向にあると考えています。

また、病床利用率も30%ということで徐々に上昇傾向にあり、今後、更に新規陽性者数が増加すれば、発熱外来等の医療機関への負荷がかかることが懸念される状況にあります。

これは全国的にも見られる状況ですが、これから冬に向かうと、その他の様々な感染症による発熱患者も増加するということで、これまで以上に警戒が必要だと考えています。

まずは、こうした中で府民の皆様には、コロナ対策の中では最も効果的な手段であるワクチン接種について、御自身の重症化予防、また大切な人の健康を守るためにも、積極的な接種を検討いただきますようお願いします。

Withコロナに向けた新たな段階への移行と言っていますが、①コロナワクチンやインフルエンザワクチンの積極的な接種、②発熱等の症状があれば発熱外来を受診していただくこと、③正しいマスクの着用、こまめな手洗い、適切な換気、帰省や旅行先での感染対策などの基本的な感染防止対策の徹底、④いざという時に備え、抗原検査キットや解熱鎮痛薬の備蓄などについても、御協力をよろしくお願いいたします。

京都府といたしましては、今後の感染拡大を想定して、診療・検査医療機関や健康フォローアップセンターの拡充、ワクチン接種についての市町村への支援や府の独自対策などについて、医師会をはじめ関係機関との調整を進めていまして、いずれ感染状況や現場の状況を見極め、改めて発表させていただきたいと考えています。

いずれにいたしましても、基本的な感染防止対策の徹底、更にいざという時への備えにより、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対策を進めてまいりますので、御協力をよろしくお願いいたします。

「清水寺・縁結びの集い」の開催について

1点目は「清水寺・縁結びの集い」の開催についてです。

これまで京都サンガF.C.や京都ハンナリーズなどのプロスポーツチームの試合観戦と婚活の一体的なイベントを実施し、参加者の皆様から好評をいただいています。

やはり共通の話題が会話が始まるきっかけになるということもありますので、今回は文化を切り口に婚活を行うこととしまして、世界遺産の清水寺を舞台に、「清水寺・縁結びの集い」を12月11日(日曜日)に開催します。

当日は、参加者同士の交流会や、清水寺執事補の森清顕様に縁結びにまつわる御法話をいただき、本堂や西門、音羽の滝などの境内各所を御案内いただきます。

(夜間)ライトアップは終了していますが、非常に美しい夜の凜とした空気の中で清水寺を体験していただきながら、参加者同士が自然に盛り上がり、スムーズなコミュニケーションがとれるような場となることを期待しています。

明日11月12日(土曜日)から参加者の募集を始めます。きょうと婚活応援センターのホームページで開始しますので、その周知と当日の取材について御協力をよろしくお願いします。

「京都ヒューマンフェスタ2022」の開催について

2点目は「京都ヒューマンフェスタ2022」の開催についてです。

京都府では、共生の京都府の実現に向けて、参加者が人権について「気づき」「考え」「行動につなげる」ことを目的に、人権啓発イベントの「京都ヒューマンフェスタ」を開催しており、今年度は「認め合う、あなたとわたしの大切さ。」をテーマとして、11月26日(土曜日)に開催いたします。

メイン会場のKBSホールでは、京都府出身のモデル・トラウデン直美さんによるトークショー、NPO法人等によるブース出展やステージ発表、(京都府の)人権啓発イメージソング「世界がひとつの家族のように」のコンサートなど、多くの催しを実施します。

資料2枚目に記載している「令和4年度人権擁護啓発ポスターコンクール」につきまして、4千件を超える応募の中から、知事賞をはじめ「京都人権啓発推進会議」を構成する各団体賞などの入選作品を決定しました。フェスタ当日に表彰式を実施いたしますほか、サブ会場の京都ガーデンパレスで入選作品の展示会を開催します。

このフェスタを通して、人権の大切さを府民の皆様に考えていただくきっかけとなればと考えております。

ポスターコンクールの結果の周知、またフェスタの事前周知、当日の取材について御協力をよろしくお願いいたします。

京料理フェアの開催について

3点目は「京料理フェア」の開催についてです。

「京料理」については、10月の文化審議会で登録無形文化財への登録について答申が出されました。これを契機に「京料理」の文化的価値の普及と、京料理店をはじめとする関連産業の活性化を図るため、12月8日(木曜日)に『京料理博覧会「京料理フェア」』を京都市内のホテルで開催します。

当日は、京都の17の有名料亭などが一品ずつお出しする特別な料理を堪能いただきますとともに、料理人による「出汁を引く実演」を行います。

また、京料理と同じく京都が誇る伝統文化の体験として、金剛流の若宗家の金剛龍謹氏による能や、未生流笹岡の家元の笹岡隆甫氏による生け花パフォーマンスを行っていただく予定です。

参加申込は本日11月11日(金曜日)から12月5日(月曜日)までです。多くの皆様に御参加いただけるよう周知と当日の取材につきまして、皆様の御協力をよろしくお願いします。

私からは以上です。よろしくお願いします。

質疑応答

記者

京都サンガF.C.や京都ハンナリーズと様々な婚活イベントを実施されているが、これまでの成果はどうか。また知事の評価を教えていただきたい。

知事

基本的な認識としては、元々結婚を希望される若い方は非常に多いにも関わらず、(結婚が)実現しない大きな理由として、出会いの機会が少ないことがあります。アンケートによっては1位になることがありましたので、そこを行政として少しでも手助けできないかということで始めました。出会いの場を提供するということが非常に重要だということです。その中でも、特に(登録が)有料の婚活会社もありますが、行政が無料で、しかも行政ならではの信頼感がありますので、先鞭を付けてこれを波及させていくという意味から始めさせていただきました。

特にスポーツ婚活については、今年度3回実施しており、24組48名のカップルが成立しており、参加者に占めるカップルの成立割合は3割から5割と効果が高かったですし、参加者の約8割の方から「参加して良かった」という評価もいただいております。これはスポーツに限ったことではなく、やはり共通の話題をお持ちの方が集まるということで、一般的な婚活よりも、効果が高いのではないかと考え、スポーツだけではなく、今回文化の側面から実施するということです。

いずれにしても試行錯誤しながら進めて行きますし、行政が全ての婚活を行う訳ではないので、どういった形で呼び水とするのか、横展開するのかということも踏まえて、取り組んでいきたいと考えています。

記者

新型コロナの感染状況が増加傾向にあり、専門家からも第8波に入ったとの見方が強まっているが、知事の認識はどうか。

知事

現在の感染状況については、1週間移動平均の前週比が15日連続で1を超えており、増加傾向にあることは間違いありません。ただ、過去の波のような非常に急激な感染拡大ではないことから、第8波に入ったかどうかを今の段階で判断することは難しいと考えています。

ただ、例えば北海道では感染者数が過去最多を更新しています。北海道・東北地方など比較的寒い地方での感染拡大が目立っています。季節性インフルエンザとの同時流行の懸念もあります。全国的に冬に向かう中で、引き続き、非常に強い警戒感をもって注視しなければならないという状況には変わりはないと考えています。

記者

新型コロナの感染状況のレベルが国で見直され、4段階になった。レベル4になれば、医療非常事態宣言を都道府県が発することができるようになるが、どう受け止めているか。

知事

これは今日の午後の分科会等で議論されて、それが政府の方針として正式に決定された後に自治体に通知が来るので、今の段階で確定的なことは申し上げられないのですが、今京都府はレベル2から変わりありません。この指標は第6波の前に決められた基準です。

また、京都府では「京都府BA.5対策強化宣言」を発出しましたが、都道府県によっては宣言しない所もありましたので、第8波の前に今のオミクロン株の感染状況を踏まえて新たな1つの方針が事前に示されることは評価したいです。

ただ、それをどう活用して、どう適用していくのかは、今後検討していきます。

国に対しては、まさに今の感染状況を踏まえた的確な方針を示していただくことと、それをできる限り国民に分かりやすく発信をしていただくことを望みます。

記者

知事は、ワクチンは感染対策の鍵とされ、先月からBA.5対応ワクチンの接種も始まったが、なかなか接種が進んでいないのは何故だと考えているのか。

知事

要因はいろいろあると考えています。

一つは、比較的感染状況が落ち着いている時は、これまでもワクチン接種が比較的進みにくいこと。また、様々なワクチンが出てきたことによって、BA.1対応ワクチンは既に接種できるけれども、BA.4/5対応ワクチンが接種できるまで待つために接種を控えるようなこともありました。更に、元々(オミクロン株対応ワクチンの対象が)4回目未接種の方だけということで、対象が狭かったということもあります。こうした様々な要因が絡んでいると考えています。

ただ、コロナ対策で最も有効な対策の手段はワクチンで、感染を完全に予防し切れなくても、少なくとも重症化予防については非常に効果があるということです。

国民の側から見て分かりにくい所もあるので、知事会でも言っているのですが、どういうワクチンが出ていて、どういう効果があって、誰が対象か、整理をして示さなければいけません。我々の役目でもありますので、それを示すことによってワクチン接種の促進に繋げていきたい考えています。

記者

全国旅行支援が始まって1か月経つが、京都府ではどのような効果があったと考えているか。

知事

10月11日から11月8日までの数値になりますが、約1か月で約55万人、約28億円の宿泊や旅行の利用があったということです。これは現実に起こった旅行需要で、全国旅行支援を利用されているということは、旅行需要喚起について当然効果があったと考えています。

水際対策の緩和の効果もあると思いますが、海外からの観光客の相談件数や旅館、ホテル等への予約や問合せが徐々に増えてきています。

そういう効果と合わさって、国内での旅行需要喚起について全国旅行支援の効果は着実に出てきていると考えています。

記者

第8波についての懸念がある中で、社会経済活動との両立を今後進めていくべきだというかねてからの知事の考えは、全国旅行支援の継続なども含めて変わりはないか。

知事

そうです。Withコロナに向けた新しい段階においては、様々な場面で社会経済活動と感染防止を両立することが重要です。今、感染が拡大傾向にあっても、やはりイベントや旅行など、日常を取り戻したいという思いを強く持っています。現在のオミクロン株による感染状況の中では、当然旅行も含めて日常に近づけるということです。

ただし、来られる方も、迎える方も、基本的な感染防止対策を徹底していただくことによって、より日常生活に近付くことができることですので、引き続きご協力をお願いしたいです。

また、国が医療非常事態宣言の概念を追加されたのは、逆に言えば、そこに至るまではWITHコロナで行くという考え方を示された訳なので、現状においては感染防止対策に留意していただきながら旅行を楽しんでいただきたいというのが私の立場です。

記者

入国規制の緩和から1か月が経過したが、この間の京都府内の外国人観光客の動向と、それについての知事の受け止めはどうか。

知事

エリアを限って外国人観光客の動向を把握するのはか難しいのですが、京都市と京都府が京都駅に設置している総合観光案内所での外国人観光客の相談件数を見ますと、10月第1週が約360人だったのが、第4週で1,345人、11月の第1週には1,590人と、明らかに増えてきています。

この他、幾つかのホテルに聞いても、インバウンドの方の予約等も入り始めているということなので、明らかに外国人観光客は増加傾向にあります。

水際対策の緩和の影響ももちろんありますし、当然来られる側の需要もあるのですが、少なくとも京都は色々な調査でも評価の高い観光地ですし、しかも日本は、コロナが明ければ行きたい国の1位や2位になっているという背景があります。

もう一つは為替相場の影響もあるかも知れません。国の補正予算でも、円安のプラスの効果を経済にもたらすということで、観光需要の喚起が重要だとされています。

水際対策の緩和の影響で言えば、観光以外にも、国際的な会議や学会など、海外から参加される京都のイベントも徐々に増えてきていますので、それも観光需要の喚起に繋がっていますし、国際交流の進展という意味でも水際対策の緩和はプラスに作用しています。

留学生は時期の兼ね合いがありますが、海外から京都に来たいと思われている方にとっては、水際対策の緩和は極めて大きな意味があったと考えています。

記者

ワクチン接種を促進するために何か取組は考えているか。

知事

一つは、是非積極的にワクチン接種を検討していただきたいと呼びかけることです。ワクチンの種類が色々あり、特にお子さんたちの接種については、保護者の方がメリット、デメリットをしっかりと理解した上で御検討いただく必要があるので、情報発信が非常に重要だと考えています。

また、ワクチン接種は基本的に市町村が主体なので、例えば市町村において医療従事者の方が不足しているような場合は、京都府から派遣するなどといった支援をしています。その上で京都府が設置する大規模接種会場で補完していくようなことが必要ですし、ワクチンバスを派遣して接種するなど様々な手法があります。

そこは、今のワクチンの接種状況と対象者の状況を見ながら更に検討して、できることは全てやっていこうと考えています。

記者

発熱外来に人が殺到することも考えられるが、対策等の考えはどうか。

知事

11月1日現在で997の診療検査医療機関がありますので、まずはそこできちんと対応していただくことだと考えています。

殺到するというのは、季節性インフルエンザとの同時流行については、同じようなタイミングで波が来るというのが最も懸念される状況ですが、どういう形で来るのかによる部分もあります。京都府としても、季節性インフルエンザの流行の端緒をなるべく早く捉え、発熱外来など今の診療検査医療機関の現場の状況も的確に把握して、(感染者が)どういう増え方をすればどういう形で対応してもらうのかということも含めて、医師会等の関係機関と調整をしています。いずれ府民の皆様に分かりやすい形で発表したいと考えています。

ただ、国がレベルの見直しなどを行っていますので、それも一つの検討の要素に入れて、更に体制の検討を急ぎたいと考えています。

記者

医師会と調整して改めて発表するということだが、対策本部会議を開くのか。開く場合はいつ頃になるのか。

知事

私自身は、専門家の方にお集まりいただいて御示唆をいただいた上で発表した方がいいと考えていますが、(発表する内容が)専門家会議や対策本部会議に諮るような内容になるかどうかについては、今のところは白紙の状態です。日程については、遅くならないようにしたいと考えています。

記者

行動制限のあり方について、現時点ではどう考えておられるのか。

知事

今年の3月22日から、まん延防止等重点措置のような厳しい行動制限のない状況が続いています。それが一つの流れだと考えています。ただ、8月4日に「BA.5対策強化宣言」を発出して、より注意をして欲しいというお願いは行いました。

今日の分科会での議論も踏まえて、国においてWITHコロナに向けた新しい段階の中における行動のあり方を示されるということになると思いますが、まん延防止等重点措置のような厳しい行動制限が再び必要だという議論は、今のところあまりないのではないかと考えています。

本当に医療が逼迫した時にどうするのかということは、国の方針も踏まえて我々も検討しなければいけないですが、今の段階ではまだそういうことは考える必要はないと思っています。

記者

昨日、新型コロナ健康フォローアップセンターの対象を観光客やビジネス客にも拡充されたが、改めてその狙いを伺いたい。また、10月下旬の会見でセンターの機能を強化すると発言されていたが、今回の対象拡大以外には、具体的にどのような機能強化を考えられているのか。

知事

府民の方が感染した場合は、以前から様々な物資の支援等を行っていましたが、府外から来られて府内で療養されている方は、今の全数届出見直し後の体制の中では居住地からの支援を受けるということはほぼ考えにくいです。それならば、観光都市京都としては、感染されている府外から来られた方にも寄り添った支援をしていくという考えに基づいて、今回の決定をしました。

健康フォローアップセンターの機能強化というよりも、府外から来られている方にも京都でそういう支援が必要になった状況であれば、対応するということで決めさせていただきました。

健康フォローアップセンターの機能強化については、今後どういう形で感染が拡大していくかにもよりますがが、感染者数の減少局面で健康フォローアップセンターを作りましたので、例えば、感染が拡大していった時に今の人員で大丈夫かどうかということがあります。また、相談内容について、届出対象外の方がより重症化されたり入院に繋がったりするようなケースは今は少ないですが、それが増えた時にどういう形で医療に繋げるのかなどを検討しています。

健康フォローアップセンターの一番重要な機能はそこなので、機能もですが物理的なキャパシティの問題も含めて現在検討させていただいているということです。

記者

昨日、駐大阪韓国総領事と懇談されたが、日韓関係が複雑な状況にある中で、懇談をされた所感と、懇談の場で総領事から発言された、ヘイトスピーチ条例を制定して欲しいという要望に対する受け止めを伺いたい。

知事

私からはまず梨泰院での事故についての弔意を申し上げ、総領事からも日本人が亡くなられたことへの弔意を示されました。

その後、私から国際情勢について、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻と、北朝鮮による度重なるミサイル発射等で、日本、韓国ともに安全保障が脅かされるような事態が起きている中で、こういう時こそ日本と韓国がより連携して国際的な課題に対応していくことが必要で、未来指向の関係を築いていきたいと申し上げました。総領事からも、日韓関係の改善がこれから重要なことで、それは韓国の今の尹錫悦政権の方針でもあるというお話がありました。

京都府としては、日韓関係の改善を観光や産業の交流に繋げていきたいということで基本的な方向は一致させていただいたので、就任早々でしたが、御訪問いただいて良かったと思っています。

ヘイトスピーチのことは、元々あってはならないことだと思っていますので、京都府としてはヘイトスピーチ全般について対応しています。条例制定については整理しなければいけない様々な課題があり、議会との関係もありますので、引き続きの検討事項だとお答えし、先方からは頭に置いて欲しいということでした。

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