ここから本文です。

令和4年11月22日臨時知事記者会見

発熱患者の増加に備えて

はじめに

まずは、府民の皆様、事業者の皆様には、様々な感染防止対策に御協力いただきまして心から感謝申し上げます。特に、医療現場の第一線で御奮闘いただいております医療従事者の皆様、関係の皆様には心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

コロナ新規陽性者数等の推移とインフルエンザの発生状況

現在のコロナの感染状況についてですが、本日の新規陽性者数が1,648人、7日間移動平均が1,159人、前週比が1.22倍となっております。なかなか予測が難しいのですが、第7波ほどの急激な増加はありませんが、緩やかな増加傾向が続いています。

一方、インフルエンザの発生状況については、定点医療機関当たりの報告数が指標とされ全国平均0.08人に対し、京都府は0.34人ということで全国平均を上回っており、警戒が必要です。この数値が「1」というのが一つの流行域と言われてますが、今後更に、(コロナ・インフルエンザ)両方を含めて発熱患者が増えてくることが十分想定されます。

発熱患者の増加への備え

発熱患者の増加が続くと医療ひっ迫が懸念されますので、今回は事前の備えを進めようということでございます。

今月11日の記者会見で改めて発表すると申し上げていたとおり、この度、医師会等はじめ、関係者との間で一定の調整が付きましたので、発表できるものから発表させていただき、それぞれの具体的な取組については、今後の発熱患者の状況等も踏まえて実施するものもございます。その辺りについては、その都度御報告をさせていただきます。

いずれにしても発熱された場合は安心して受診・相談ができる体制を確保することと、早期のワクチン接種の推進という二つの柱で備えを進めたいと考えています。

発熱患者の増加に備え、体制を強化

現状、発熱患者については、症状に応じて診療・検査医療機関(発熱外来)を受診されたら新型コロナやインフルエンザの検査を受けていただき、その後治療に繋げています。特に感染に不安のある方や、かかりつけ医がいない方については、新型コロナ医療相談センターに相談をいただき、受診を決めている場合もあります。

国の通知では、最悪の事態も想定して、インフルエンザと同時流行した場合には、重症化リスクのある方以外は、原則検査キットで自己検査を行うという考えが示されています。ただ、京都府としては、外来医療機関の状況を見なければいけませんが、できる限り対面診療を実施していきたいと考えております。できる限り対面診療を行うために、体制を拡充していこうというものです。

新型コロナ医療相談センターに相談される方は、相談した上で次の段階にいきますが、通常発熱されると、診療・検査医療機関を受診され、そこでコロナとインフルの検査を受けていただき、コロナが陽性であれば従来からの流れ通りですが、4類型については発生届が提出され、その他については自宅療養を行います。ただ、健康に不安があったり、支援が必要な方や宿泊療養を希望される方については、健康フォローアップセンターに相談いただくということになります。

インフルエンザの陽性が判明すれば、自宅療養の上、速やかに抗インフル薬の投与や、重篤化された場合には入院されるという流れになります。

今回は、入り口の所の新型コロナ医療相談センターの体制を拡充するということと、診療・検査医療機関の体制拡充、コロナとインフルの同時検査キットの不足が起きないように同時検査キットの確保、それから、健康フォローアップセンターについても、今のところは体制上問題なく運営されていますが、もっと感染者数が増えてくればその増加に合わせてここでの業務も増えてきますので、体制を拡充します。こういう形の体制強化を行うということです。

発熱患者等の増加状況を踏まえ相談体制を拡充

具体的に説明しますと、新型コロナ医療相談センターについては、現在22回線で相談を受けていますが、最大で50回線まで増やし、これに合わせて相談員も拡充します。

健康フォローアップセンターについても、陽性者の登録班の人員拡充と、電話回線も総合相談班、健康相談班をそれぞれ6回線から9回線に拡充します。それから、今の健康フォローアップセンターでは健康に不安のある方からの相談や支援、宿泊療養施設に関する相談を受けていますが、できるだけ早めに登録をいただいて、何かあった場合にスムーズに次の段階に移行できるように体制を拡充すれば、重症化リスクの高い方以外の方の登録についても呼びかけを行いたいと考えています。元々、健康フォローアップセンターについては、感染が判明した医療機関において周知を行っていただいておりますが、事前に何か起こる前の登録を呼びかけていきたいと考えております。

発熱患者等の増加状況を踏まえ医療体制を拡充

診療・検査医療機関については、8月4日時点で959機関でしたが、本日11月22日時点では1,001機関まで増加しています。これは従来からずっと拡充をお願いしておりましたが、できる限り沢山あった方がありがたいので、引き続き確保のお願いを行って参ります。

休日診療の拡充についてですが、休日には休診になる所が多く、そこがネックとなります。休日診療も全体の患者が増えれば当然、それに合わせて(来院者の)比率も上がりますので、12月10日から来年2月28日については、休日診療の増加を行っていただく方への助成を行います。

それからコロナ・インフルの同時検査キットについては、6.5万回分を京都府で確保し、医療機関に提供します。これは、個別の商業的な流通の過程で確保されていることもありますので、そういった状況も見ながらですが、もしこの6.5万回分で不足する事態になれば我々の方で追加で確保しようと考えています。

ミクロン株対応ワクチンの概要

ワクチンについては、オミクロン株対応ワクチンがいよいよ主流になってきます。初回接種(1、2回目)を終えた全ての12歳以上の方が対象となり、ファイザー社製とモデルナ社製があります。ファイザー社製については、市町村会場や医療機関で、モデルナ社製については、主に京都府の接種会場を中心に接種を行っています。コロナ対策としてはワクチンが最も有効かつ重要な手段ですので、是非とも積極的な接種を検討いただきたいです。

オミクロン株対応ワクチンの接種状況

オミクロン株対応ワクチンの接種状況については、(資料8ページの)表に示している通りですが、接種を開始した9月下旬には対象者を4回目未接種の方に限っていたので接種が伸び悩んでいました。現在は対象者が拡大されていることと、10月下旬から接種間隔が短縮されたことで高齢者の方は5回目の接種も始まっていますので、徐々に接種が進んでいます。幅広い世代への接種を進める必要があると考えています。

ワクチン接種の推進

ワクチン接種チームについては、これまで大学や高齢者福祉施設等を派遣先にしていましたが、今回新たに大規模商業施設を派遣先に追加します。仕事や通学の都合でワクチンを接種できないという方についても、接種機会を増やしていきたいと考え、資料をお配りしていますが、12月3日(土曜日)、4日(日曜日)にはイオンモール久御山で、12月11日(日曜日)にはイオン福知山店で京都府の臨時接種会場を設けます。

また、市町村の接種体制の支援については、引き続き接種スタッフが不足する市町村に対する医療従事者の派遣を続けていきたいと考えています。

終わりに

京都府としては、引き続き、検査・診療体制をはじめ医療提供体制の確保に万全を尽くしていきたいと考えています。

本日発表した内容については、予算措置が必要なものもございます。必要な予算については、府議会の12月定例会に提案する予定です。予算の中身については、改めてお知らせさせていただきます。

府民の皆様におかれては、今後の感染拡大による医療逼迫を防ぐためにも、重症化リスクを減らすワクチンの早期の接種の検討と、感染リスクを減らすために正しいマスクの着用・こまめな手洗い・換気などの基本的な感染防止対策の徹底、いざという時の備えとして抗原検査キットや解熱鎮痛剤の家庭での備蓄について、御協力をよろしくお願いします。

私から以上ですよろしくお願いします。

質疑応答

記者

現在の府内の感染状況の認識はどうか。また、体制強化のねらいは。

知事

本日の府内の新規陽性者数が1,648人、7日間の移動平均が1,159.29人で、その前週比が1.22倍ということで、緩やかな増加傾向が続いています。東高西低とも言われており、北海道のように、より急激な増加をしているところもあります。コロナウイルスは都道府県境と関係なく感染の拡大が起こりますし、全国を見れば増加傾向にあるということです。

確保病床使用率も昨日現在で48.6%と上昇傾向が見られます。

季節性インフルエンザについても、まだ数字自体は低いですけれども、全国平均に比べると少し高い状況です。インフルエンザの従来の感染拡大期は12月ないし1月が多いので、発熱患者の方がまず受診される診療・検査医療機関を拡充するということが第一です。

それに伴い、健康フォローアップセンター等も拡充するということです。

症状が出た時に、本人はそれがインフルエンザかコロナかわかりませんので、新型コロナ医療相談センターにも当然問い合わせが多くなります。その入口のところを滞らないように拡充するということです。

それから何といってもワクチンについて、感染予防にも当然効果がありますが、重症化リスクの予防効果が非常に高いので、できる限り接種の促進をしたいと考えています。

ただ、それぞれ体制を強化するセンターなりの体制について、現在何か対応できない状況がある訳ではありません。現在は対応できておりますが、一定準備も必要だということと、感染が増加傾向にありますので、早いうちに考え方を示した上で、できるものから実施していこうと考え、今回、一つのまとまった形で発表させていただきました。

記者

門川京都市長が、今日の記者会見で第8波に入ったという認識を示されたが、知事の認識はどうか。

知事

コロナウイルスの感染状況について、エリアを限定して(そのエリア)独自で感染の波が来たと定義することにどこまで意味があるのかは分かりませんが、本来は全国の感染状況を見て、専門家の見解を国として統一的に出していただく方がいいのではないかと思っています。

私は「第8波の入り口に差し掛かっている」と先日の会見で申し上げ、それから日は経っていませんし、見解は変わっていません。感染者数の波の形を見ると第7波のような急激な増加はしていませんので、私は「入り口」と言いました。

市長がどういうエビデンスを元にお話されたのか確認はしていませんが、今の京都府内の感染状況は(コロナが流行した)初期の頃と違って、人口密集地域で感染が多いということではなく、ある程度人口に比例しているので、ベースにするエビデンスが同じであれば、市長の見解と私の見解に違いはないと考えています。

記者

インフルエンザワクチンの接種について、支援策は検討しているのか。

知事

インフルエンザワクチンについては、コロナワクチンと違ってワクチンの流通も含めて従来から接種の仕組みがあり、それにより対応するので円滑に進められると考えています。

一つの特徴として、(二つのワクチンの)同時接種も大丈夫ということがありますので、医療機関においてコロナワクチンを接種する際にインフルエンザワクチンも打ちたいと思われる方がいる場合や、その逆の場合にそれぞれのワクチン接種の機会を増やしていただきたいと考えています。

インフルエンザワクチンについて、何か課題が生じているという話は今ところ聞いていません。これから接種される方がかなり増えていくと思いますので、特に医療機関等の現場の状況を把握して、何か課題があれば速やかに対応したいと考えています。

記者

確保される同時検査キットの6.5万回分というのは、どれくらいの期間を対象とするのか。

知事

この6.5万回分で足りるのであればこれで乗り切りたいと考えていますが、国では約3,800万回分を確保されているということです。これは全て(在庫として)手元にある訳ではなく、それくらいの流通規模があるということです。

一般的に、医薬品はそれぞれの医療機関などが流通しているものを確保されるので、通常であれば大丈夫なのですが、過去にあったように医療機関で急に不足することがあれば、京都府がここから提供することになります。ただし、この6.5万回分だけで府内の同時検査の需要を全てまかなうものではありません。

通常流通する分が実際にどれくらい流通するのか、個別の医療機関でどれくらい確保できるのかということにもよりますので、とりあえず6.5万回分を確保して様子を見るということです。今はそこまでひっ迫していないということなので、あらかじめこれくらい確保しているというメッセージを出せば、医療機関も安心されると思います。まずは通常の流通ベースでそれぞれの医療機関が確保されるのではないかと考えています。

記者

全国旅行支援について、現状では続けていくという考えか。

知事

旅行や観光については、元々移動そのものにリスクがある訳ではなく、移動先であっても基本的感染防止対策を徹底していただきたいと考えています。

京都の場合、例えば修学旅行生が発熱した場合、特定の医療機関が24時間電話相談窓口を設けて医療機関に繋ぐことをやっています。コロナの感染が一定出ていても、安心して旅行していただけるよう、様々な環境を整備していますので、観光を楽しんでいただきたいです。

その上で、全国旅行支援は、観光需要喚起策として国が財政支援をするものです。京都は観光都市ですから、京都府としてはそれを受ける形で実施しており、今の感染状況と医療現場の状況等を踏まえれば、直ちに全国旅行支援を止める状況ではないと考えています。

記者

今回は発熱患者の増大に備えるということだが、実際に備えが発動するのはどういう状況になった時なのか。

知事

我々は発熱外来など医療現場の状況について常に把握していますので、医療現場のひっ迫度合いなどの状況を考えて実行に移すことにしています。数値的な基準は設けていません。

電話相談の場合は、相談の回数や対応状況が目安になります。相談体制を拡充するにも、相談員をお願いして手配するなど一定の時間がかかります。特にこの二つの相談体制のところ(新型コロナ医療相談センターと健康フォローアップセンター)は、今のところ両方とも現行の体制でまだまだ対応能力に余裕があります。ただ、予算手続のタイミングもありますし、実施するにも医師会など関係機関の協力も必要ですが、まずは考え方の部分で関係機関と合意できたということで発表させていただきました。基本的には現場のひっ迫状況を踏まえて適宜拡充していくという形を考えています。

記者

発熱外来の確保を引き続きお願いしていくということだが、どれくらいの数を目指すのか。

知事

(発熱外来の確保は)これまでからずっと取り組んできて、最初に比べてかなり多くなっています。最初の頃はコロナというのは未知のウイルスだったので、院内感染を起こしたくないという思いから(診療・検査医療機関への登録に)抵抗感のある医療機関がありましたが、今では対策がかなり分かってきました。ただし、院内感染を防がなければいけませんから、例えば小さな医院など物理的に対策が難しい所に無理にお願いすることはできません。今後大きく増えることはないと思いますが、少しでも増やしていきたいと考えていますので引き続き努力していきます。

それよりも、年末年始だけではなく、休日にも患者さんは同じように出てきますし、特に季節性インフルエンザの薬は48時間以内に服用したらウイルスの増殖を抑えられるということもありますので、休日も診療窓口を開設していただくといったことに注力するということです。(発熱外来)全体の増加も図りますが、急激な増加はないと思っています。

私としてはできる限り御協力をお願いしていきます。医師会等にも御協力いただいて、その積み重ねでここまで来たということです。

記者

休日診療を行う診療・検査医療機関に対する助成額はいくらになるのか。

知事

現在、最終的な詰めの作業をしているところですが、昨年度は、昨年12月29日から今年1月3日までの間休日診療を行っていただいた診療・検査医療機関に(1日)10万円を助成しました。これをメルクマールとして、同じような考え方にする方向で検討しています。

今回(対象とする)期間を昨年度よりも延ばしているのは、昨年度実施した際は年末年始が大変だと考えていましたが、インフルエンザのことも考えるともう少し長いスパンの方がいいという考えからです。今年度は2月28日までを対象にする方向で最終的な検討をしていて、(助成額は)昨年度と同額になると考えています。

記者

同時検査キットについて、今一定確保している分があってそれに追加する形になるのか。

知事

現在京都府として同時検査キットは持っていないので、新たに確保するということです。

記者

病床拡充の考えはどうか。

知事

クラスターが発生している施設があることから、確保病床使用率はここのところ上昇していますが、それはしっかり対応しています。そこでの隔離期間が終われば、大幅ではありませんが使用率は下がってくると考えています。

現在のところ確保病床については支障なく運用していますので、拡充の予定はありません。

記者

今回発表された相談体制や医療体制の拡充はいつから開始するのか。

知事

今日は、施策の方向性ということで発表しました。実際は、新型コロナ医療相談センターであれば相談状況にもよりますし、それぞれのひっ迫状況を見て相談センターであればあれば(電話回線を)50回線に増加、健康フォローアップセンターであれば(登録班の人員を)15人に拡充などということを実施していきます。今既に実施しているということではありません。

具体的な時期や内容は改めて記者発表します。今はここまで実施する用意があるということで示したもので、具体的な措置についてはこれからになります。

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp