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令和5年3月17日定例知事記者会見

新型コロナウイルス感染症5類への位置づけの変更等について

まず1点目は、新型コロナウイルスの感染症類への位置づけの変更等についてです。

本日の感染状況を申し上げますと、本日の新規陽性者数が141人で、7日間の移動平均が127人、その前週比が0.86倍です。確保病床使用率は、昨日現在で9.3%です。高度重症病床へ入院されている方はいないという状況で、感染は落ち着いている状況だと考えています。改めて府民の皆様、事業者の皆様の御協力に感謝申し上げます。

インフルエンザも減少傾向にはありますが、全国を上回る水準で推移をしておりまして、一部増加の傾向も見られるところです。

インフルエンザも含めて、医療現場で御奮闘いただいております医療従事者の皆様にも感謝申し上げます。

マスクについては13日から、着用の考え方の見直しが行われておりますが、今日はその他の対策について、特に、どういう課題があるかということについて御説明します。

まずここ(資料1頁)に示しているのは、国の基本的な考え方そのままでして、ほぼ抜粋です。これまでの対策というのは、2類相当を基本としているということですので、入院措置や限られた医療機関での対応、更には府民や事業者の皆様への行動制限をお願いするというような、比較的強い措置が講じられてきました。しかし、今回5類への見直しがされるということですので、特措法に基づく様々な措置の根拠となっている基本的対処方針が当然廃止されることになりますし、幅広い医療機関で自律的な通常の対応に移行していくという考え方が示されています。

また、行政による医療機関への支援はそれに合わせて行うというようなことが示されていますし、国民や府民の皆様への急激な負担増を避けるため、また外来や救急への影響を緩和するための経過措置が講じられるということになっています。

そういうことを踏まえて、資料の左側に記載しているのが様々な課題のある体制等でして、5月8日の前には記載しているように対応するということです。資料の右側に書いている内容は、基本的には、京都府が決めたというよりも、既に国の方針で一定の検討の方向性や枠組みが示されていること記載しています。医療提供体制で言いますと、これまでは限られた医療機関であったものが幅広い医療機関での診療に変わる、また入院調整についても今後変わっていくということで、最終的には幅広い医療機関によります、自律的な対応に移行していくということになっていきます。

ただし、まだ国から詳細な通知が発出されておりませんので、それが来ましたらそれを踏まえて、5類移行後の医療提供体制の確保に向けた「移行計画」を策定することになっておりますので、この移行計画の中に体制の見直しを盛り込みまして、段階的に通常の医療体制に移行していきたいと考えています。

なお公費負担につきましては、高額の治療薬などの急激な負担増を避けるために、9月末までは、公費負担を一部継続するということが示されています。

高齢者施設につきましては、引き続き重症化リスクがある方への対応が重要ですので、感染防止対策を継続していくということが示されています。

それからこれまで健康フォローアップセンター等も含めて様々な相談窓口を設置していましたが、これはどの段階までということはまだ今後検討の余地がありますけれども、一定期間は継続をしたいと考えています。

それから感染動向の把握については、今は厚生労働省がまとめて全数把握して公表していますが、5類に変わればそれは廃止されて、現在のインフルエンザと同等の定点医療機関での把握になります。ただ、変異株の把握等については、モニタリングは継続し、もし新たな兆候が出れば対応が必要になるということで、継続します。

ワクチンについては、来年の3月末まで特例の臨時接種が継続するということですので、5月からは、令和5年度は高齢者等については年2回、秋からは一般の方は年に1回の接種に移ります。

その他にも、飲食店の第三者認証制度等国で決定された事項については、既に5月8日をもって廃止するということが決められているものもありますし、その他各都道府県で独自の措置をしているものもありますが、この辺りにつきましては、今後検討を更に進めて、一定のタイミングで、対策本部会議を開いて決定したいと考えています。

それから以前の記者会見で、3月末をもって事業の終了や縮小を行う予定を申し上げました

四つの項目です。無症状者対象の無料検査、入院待機ステーション、府のワクチン接種会場、宿泊療養施設につきましては、本日午前中に持ち回りで対策本部会議を開催させていただきまして、予定通り、終了ないしは縮小するということを決定させていただきました。

前半の項目については、特に医療提供体制の移行計画の作成など、これから国の通知に基づいて決めないといけないことがありますが、その詳細の通知がまだ来ておりませんので、それが発出され次第、検討を進めていきたいと考えています。いずれにしても、5月8日に向けて様々なものを決定していくということで、然るべきタイミングで対策本部会議を開いて、決定をしていきたいと考えています。

5類への移行というのはかなり大きな変更になりますが、まだまだ府民の皆様の中には、期待もあるし不安もあるというふうに思っておられると思います。コロナウイルスはまだ存在していますので、WITHコロナということで、存在は意識しながらも、過剰に恐れることなく、徐々に日常を取り戻していく過程に入っていきたいと考えています。

いずれにしても、繰り返しになりますが、国等の通知も踏まえて対応を決定次第、対策本部会議を開催したいと考えています。

「京都版母子健康手帳」及び「京都版リトルベビーハンドブック」の完成について

2点目は、「京都版母子健康手帳」と「京都版リトルベビーハンドブック」の完成についてです。

今年度、検討会を設置して有識者の御意見も伺いながら、仕事と育児の両立や育児と家事の分担など、妊娠・出産、子育てに係る社会情勢の変化を踏まえた手帳作成の検討を進め、この度、お手元にお配りしていますけれども、完成いたしました。

京都版母子健康手帳につきましては、父親は母親を支える立場ではなく、

子育ての主体であるとの観点から、名称を「親子健康手帳」といたしまして、京都府として独自に、①父親・母親がともに出産・子育てに向き合うということ、②社会全体が子育ての主体として、不安や苦労、喜びを分かち合うという視点を盛り込みませていただきました。

例えば、72ページから75ページには、家事育児の分担を話し合うためのツール、64ページからは、悩みや不安を相談する窓口を掲載するなどしておりまして、京都ならではの視点を入れています。

京都版リトルベビーハンドブックは、母子健康手帳のサブブックとして成長を記録できる独自の手帳です。低出生体重児などの場合は、母子健康手帳ではその成長の確認や記録をすることが非常に難しいということで、落ち込んでしまうといったお声を受けて作成したもので、これからすくすく育って欲しいとの願いを込めて、名称を「きょうとすくすくブック」としました。

特徴として、1ページなどに低出生体重児などの先輩の保護者からの応援メッセージを掲載させていただいているほか、17ページから28ページには、子どもの「できること」にフォーカスして、子の着実な成長・発達を実感できるように工夫をさせていただいています。

これらの冊子は、来月から市町村窓口などで配布する予定ですので、周知についてよろしくお願いいたします。

また、週明けの月曜日、3月20日に、この手帳作成に御協力いただいた当事者団体や支援者の方々と直接お会いして意見交換を行いますので、当日の取材をよろしくお願いいたします。

改定いたしました総合計画で掲げております「社会で子どもを育てる京都」の実現に向けまして、今後もこうした取組をより一層進めてまいりたいと考えています。

私からは以上です。よろしくお願いします。

質疑応答

記者

新型コロナの5類移行に関して、本日の対策本部会議で宿泊療養施設の運営は縮小することが決定されたが、資料(行程表)に宿泊療養施設の記載がないのは、5月8日以降の国の方針が示されていないからということか。

知事

宿泊療養施設については、先行して3月末で縮小いたしますが、基本的にこれは隔離施設なので、国の方針としても5類に変更すれば隔離施設としての宿泊療養施設については廃止すると言われていますので、2施設については、5月8日を待たないで先行して終了するということを決めさせていただきました。宿泊療養施設については、5月8日をもって終了するということが国の方針として示されています。

記者

国の具体的な方針が決まっていない中で、知事として5類移行後、京都府の実情と照らし合わせて、何か府として検討すべき項目はあるか。

知事

まず、不都合を感じるほど具体的に国から方針を示されていないことがあります。

やはり課題としては、医療提供体制がどうなるのかということについて、幅広い医療機関での診療となりますが、これまでコロナ患者を受け入れていなかった外来診療の医療機関にどの程度参加いただけるか、医療機関にとっても不安もあると思います。

また、入院もできる限り入院体制は維持するようにとの考えですが、9月末までは病床確保への支援を行うとしていますが、支援レベルとの兼ね合いで入院体制を維持していただけるのかといったことなど、都道府県による「移行計画」をどのような観点で作成すれば良いのかについては、色々課題は多いと思いますが、まだ詳細が示されていないこともあります。

本日は、3月末で終了するものがありましたので、課題も含めてどのようなものがあるのかを項目としてでも皆様にお示しした方が良いのではないかということで、表にいたしました。具体的に、特に医療提供体制については、入院と診療とが幅広い医療機関による通常の医療提供体制という自律的な対応に至るまでの間に段階があると思いますので、その辺りを決めていくことが一番大変ではないかと考えています。

記者

都道府県が作成する「移行計画」について、いつまでに作成するのか。次の対策本部会議で決定するのか。

知事

作成期限は4月中です。移行計画の中身に盛り込むことを対策本部会議で決定するということです。ただ、今確認できているところでは、移行計画の中身の範囲が狭く、医療提供体制の中でも外来と入院のところについてがこの計画の中身のようですので、これ以外にも決めなければいけないこともあるので、5月8日以降の全体の体制を決める中の一部分について、移行計画として国に提出する必要があると考えています。まだ具体のイメージはございませんが、決定する時は対策本部会議を開いて、5月8日以降の考え方を決める形になると考えています。その一部が移行計画の中身になるというのが今の漠然とした考え方です。

記者

対策本部会議は4月に開催するということか。

知事

そうです。本日は年度末に終了するものを決めなければいけないので持ち回りで開催しましたが、次の対策本部会議は4月に入ってからの開催を考えています。

記者

13日からマスク着用が個人の判断となったが、知事も公務で屋内でも外す場面があったが、知事としての着脱の基準はどうか。街中を見てもまだ着けている人もいるが、知事の印象はどうか。

知事

まず私自身のことを言えば、基本的にはマスクは外しています。ただ、そうは言っても高齢者の方と比較的近い距離で会話をする場合や混雑した場面など、国が着用を推奨する場面については自分自身の感染リスクを減らすために着用します。それから1対1で合う場合で相手方がマスクを着けられている場合には、マスクを外してもいいか聞くようにしています。相手方が不安感を持っているかもわかりませんし、マスクを常に持ってないといけませんが、そうした対応をしています。様々な場面がありますので、どうしてもケース・バイ・ケースの対応にならざるを得ませんが、自分自身の感染リスクのこともありますが、相手の方がどう考えておられるかを基本に対応していきたいと思います。

マスクの着脱全般に関して、元々個人の判断を基本とすることになっていますので、現に着けている方、外している方いずれもその判断をされているものですが、声を聞いているとまだまだ不安という方もおられますし、特に日本の場合は花粉症で着けている方もおられるので、一概にどうとは言えません。

重要なことは、着けているにせよ外しているにせよ着脱について個人の判断でなされているものなので、これを強要するようなことは是非とも避けなければいけません。この判断は皆様にも是非とも尊重していただきたいと考えています。

記者

マスクの着用について、府の職員についてはどのように対応するのか。特に窓口業務の職員などについてはどのように考えているのか。

知事

職員のマスク着用については既に方針を決定し、各部局に指示をしています。基本は職員個人の判断ですが、それぞれ職務の内容や状況によってケース・バイ・ケースで判断しなければいけない場合もあります。例えば医療機関の従事者もいますし、窓口業務もあります。仕事として医療機関や高齢者施設を訪問することもあります。その場合は原則マスクを着用するよう指示しています。

また、打ち合わせ時に来られた方がマスク着用して欲しいと言われたら着用しないといけません。その辺りは臨機応変に対応するように指示しています。いずれにしても、対応する府民の皆様が不安に思われないことが一番の原則です。

記者

コロナの受入医療機関の拡大や入院体制の確保について、受入医療機関の拡大には感染防止対策が必要になると言う声もあるが、そうしたことに対する支援や入院体制維持に伴う病床確保に対する財政的な支援等については府として考えていることはあるか。

知事

今までも国の財政措置を前提にやってきましたので、今までと同じレベルの支援ではないと思いますが、一定の国の支援制度を前提に、受入医療機関の拡大をお願いすることになると考えています。

一方で、財政支援があればやっていただけるという訳ではなく、病院の構造や様々な事情で難しいと思われる所もあるので、医師会とも調整をして受入機関の拡大には対応していかなければいけないと考えています。

例えば、診療する患者をかかりつけの患者だけに限定されている医療機関もありますが、「体調が悪い」や「熱がある」という方を診ていただきたいということなどを是非ともお願いしたいと考えています。

具体的にどのような範囲で、どのようなことをお願いするのかはこれからの検討課題です。急に拡大できるかというと、最終的に自律的な通常の体制に移行するまでには一定の時間は必要だと考えていますので、徐々に拡大していくことになると考えています。

記者

入院体制の確保についてはどうか。

知事

入院についても同じです。現状の規模は維持して欲しいと言われていますが、更に拡大するとなると外来診療以上に様々な準備が必要ですので、その辺りをどれだけ広げていけるのかは外来診療以上に検討が必要です。通常医療との兼ね合いもあります。

次の流行期がいつかは分かりませんが、国は9月までに体制を整えて次の冬の感染拡大期に備えたいという気持ちがあるのだと思います。そこは一定の時間をかけて、次の流行期に臨みたいと考えています。

記者

全国旅行支援について、4月以降も予算が続く限り継続する国の方針が示されたが、知事の受け止めや京都府の対応について伺いたい。

知事

観光はコロナの影響で最も早くから、しかも最も大きな影響を受けました。落ち込んだ観光の需要喚起策として、全国旅行支援は効果が高いものだと考えています。まだまだコロナ前までには戻っていないこともありますし、そういう意味では全国旅行支援が延長されることは歓迎すべきことだと考えています。

どういう制度設計になるかは間もなく明らかになると思いますが、それにきちっと対応して、我々としても支援を続けていきたいと考えています。

記者

厚生労働省の人口動態調査によると2022年の出生数が80万人を切ることとなった。京都府でも過去最少となったが、受け止めと対応策について伺いたい。

知事

人口動態統計の速報値ですが、令和4年の全国値が79万9,728人と初めて80万人を割りました。京都府も1万5,818人で、一昨年との比較で、749人減少しました。

特に厚生労働省の国立社会保障人口問題研究所の予測をかなり上回るペースで80万人を割ったということで、私自身も非常に危機感を持っていますし、今回の件で少子化対策はやはり国を挙げて取り組まなければいけない課題だということを改めて皆さんも認識されたからこそ、国会審議も含めて少子化対策が話題になっています。関心が集まることは当然だと思いますが、非常に良かったと思っています。

私自身は、知事に就任した5年前から「子育て環境日本一」を掲げ、出会い・結婚から妊娠・出産、子育て、保育・教育、就労に至るまで切れ目無い支援を行うことと、子育てにやさしい「風土づくり」、「まちづくり」、「職場づくり」に取り組んできました。

コロナもあって必ずしも満足できる取組ではありませんでしたが、今般改定した総合計画でも、「社会で子どもを育てる京都」を実現したいということで、この取組を進化させたいと考えていて、今年の秋頃までに現在の子育て環境日本一推進戦略を改定したいと考えています。

国もたたき台が示される3月と骨太の方針が示される6月にそれぞれ動きがあると思います。それも踏まえた上で戦略を改定し、より取組を進化させていきたいと考えています。

記者

3月27日に文化庁の移転が控えているが、府民に取材をするとあまり知らないと答える人もいる。府民が移転を身近に感じるような、移転のメリットはどのようなものだと考えているのか。

知事

まだ知名度は低いですが、去年の夏頃に比べると、京都に文化庁が来ることを知っている方は増えました。「どこに来るのか」と言われたりすることもありますが、知らないにしても興味は変わってきていると思っています。

コロナ禍でなかなかプレのイベントができなかったのですが、最近ですと京都サンガのユニフォームに文化庁移転のマークを付けてもらったり、文化庁移転記念と銘打ったイベントも増えてきていますので、機運醸成はだんだん図られていくと思っています。

メリットについては、大きな話になりますが、京都は文化を背景に産業振興も含めて発展してきました。文化と言っても範囲が広いですが、京都で文化が根付いているというのは、例えば社寺仏閣では今も営みが行われていますし、茶道や華道も単なるお稽古事ではなく祭りや催事に欠かせません。和食や和装、地蔵盆のような地域の祭りもあります。

文化庁が京都に来ることによって、そうした地域文化や生活文化を改めて文化庁の職員に感じてもらって、文化政策の企画・立案に活かしてもらうことを通じて、日本全体の文化政策も進化しますし、試行として京都を舞台に政策が企画・立案されることで、京都の地域文化や生活文化の振興にも繋がると考えています。

身近に感じるものとしては、これから移転に伴って行われるイベントもあります。先日(2月23日)ミュージックフェスティバルを開催しました。そうした文化庁が京都に来ることによって新たに成立する様々なイベントや企画も行われていきます。それによって府民や市民の皆様にも身近に文化庁移転を感じてもらえると考えています。

じわじわと効く大きな背景としての効果と、直接的に文化が目に触れる機会が増えるといったことを通じて、文化庁が京都に移転してきたことを感じてもらえればと考えています。

これまでコロナもあって、事前の盛り上げが不十分だったのですが、大阪・関西万博がある2025年もターゲットイヤーと考えて、文化庁の京都移転の盛り上げをもっとやっていかないといけないと考えています。

記者

京都府では移転記念事業などを行っているが、文化庁側と盛り上がりの温度差を感じることはないか。

知事

温度差を感じる部分はありませんが、文化庁にとっては本格的に中央省庁が地方に移転するのは初めてのケースなので、移転を円滑にするだけでかなり大変な業務量になっていると思います。

建物は12月28日に完成しましたが、今は屋内の準備をされています。我々は地元側として様々なイベントをしますが、文化庁も長官をはじめとして色々な事を考えておられます。

ただ、当面3月27日と5月15日に向けて、いかに円滑に文化庁を移転するのか、しかも京都で国の文化政策を実務として行わなければいけない責務があります。まずはそこに全力投球されているのだと思います。

だからこそ、我々も地元として出来る限り一緒になって移転の盛り上げをしていきたいと考えているので、そういう意味で齟齬はありません。

移転して来られる方は実務で大変なので、出来る限り円滑に移転していただきたいというのが私の思いです。

記者

本日午前中の引継式に知事も出席されたが、京都縦貫道の移管について、改めて移管の意義と、知事の期待感を伺いたい。

知事

まずは移管にあたり御尽力いただいている近畿地方整備局をはじめとした国、NEXCO西日本、地元の首長の皆様に対して御礼申し上げます。

元々京都は高速道路の整備が立ち後れていましたが、京都縦貫道については、丹波インターチェンジ以南は国とNEXCO西日本、以北は国と府と道路公社で分担して整備を進めてきて、平成27年にようやく全線開通しました。

今回移管をすることで、京都府内の高速道路のサービスは新しいステージに入ると考えています。移管することで、マイレージサービスのような割引料金はもとより、高速道路の整備や機能強化、老朽化対策、通常時の管理や非常時の対応といったサービスの水準は格段に上がると考えています。

京都縦貫道そのものを見ても、そうした期待がありますし、先ほど言いました料金割引は名神高速道路、新名神高速道路、舞鶴若狭自動車道といった、まさに全国のネットワークに繋がりますので、全国の高速道路のネットワークに入ることは大きなことだと考えています。

もう一つは、NEXCOに管理していただくことで、京都府としては新名神高速道路を活かすための幹線道路整備や、何と言っても山陰近畿自動車道が日本海国土軸の中で残されたミッシングリンクでもありますので、そこの整備に資源を集中投入することになりますし、国や道路公社と連携して全線の早期整備に向けて我々も尽力しなければいけないと考えています。

私が知事になった直後の6月に国土交通大臣に移管の要望書を出したのがキックオフだったのですが、実務的な引き継ぎが終わるまで、政策課題としては非常に短期間で実現していただきました。このことに改めて感謝いたしますし、これを単なるゴールではなく、次の高速道路の新しいステージに向けた出発点として是非とも活かしていきたいと考えています。

記者

鴨川で検討されているデジタル看板について、2月の鴨川府民会議で合意形成が図られたが、府として正式に設置を決めたという理解でいいのか。予算措置の状況はどうか。

知事

概ね地元の御理解はいただいたと認識しておりますが、最終的には工事をしないといけないので、引き続き丁寧に地元には対応していきたいと考えています。

私としては、元々安心・安全と景観は相反するものではなく、両方とも重要な公益なので必ず調整の道はあると思っていますので、調整を通じて必ず実現したいと考えています。その一環としてのプロセスが鴨川府民会議だったと考えています。

こうした安心・安全のための情報発信装置を設置する必要があるという認識は変わっていません。それがどのように調整し、合意された形で作られるかだと思います。予算措置等については、担当部局に御確認ください。

記者

この件を巡っては、京都市が景観の面で懸念を示され、合意形成の過程において課題が生じたと思うが、改めて振り返って思うことはあるか。

知事

手続き的な改善の余地はあったと思います。そもそも利害を調整することこそ行政の仕事なので、京都府と京都市が対立するような話では全くないですし、景観と安心・安全が対立する話でもないです。特に鴨川は京都の山紫水明の象徴ですし、河川の環境や景観を守ることは京都府もやっているので、調整は難しいですが、そういう意味では難しい課題をやっている訳ではありません。

ただ、調整の過程で皆さんが報道されるような対象になること自体、十分改善の余地があったと思います。

調整はあらゆる事象で行っていますので、そのやり方の問題だったと思います。よく話をして、きちっと地元に御理解を得た上で進めていくという大原則に立てばいいと考えています。

記者

鴨川府民会議が終わった後にも、一部学区の会長が反対の意見を示しているが、知事の考えはどうか。

知事

自治会長さんには二度ほど説明に伺っていますので、引き続き丁寧な説明を続けていきたいと考えています。我々の問題意識や意義については「十分理解している」と仰っていただいているので、引き続き出来る限りの努力をしていく必要があると考えています。

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