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令和5年5月19日定例知事記者会見

「未来京都・人づくり懇話会」の設置について

本日の発表項目は、3点です。

まず1点目は、「未来京都・人づくり懇話会」の設置についてです。

京都府では、誰もが生涯にわたって学び・働き続けることのできる生涯現役・共生の京都づくりに取り組んでいるところですが、少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少する中で、しかもコロナ禍の長期化の影響が追いうちをかけ、非常に疲弊した企業等での人手不足が深刻化している状況です。

そのため、京都府では、人口が減少する社会を前提としながら、今後の京都産業を支える人材の確保・育成にどのように取り組んでいくのか、また「働くこと」や「社会貢献」等を通じて、社会で輝き続けることができる京都社会を構築するために、どのような政策が必要とされるのか等を外部有識者の方々の御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えています。

今回立ち上げる懇話会には、雇用や人材育成などの労働分野の専門家や企業経営者のほかにも、「働くこと」のみならず「生活」や「やりがい」、「生きがい」といった人の内面の洞察も視野に入れた幅広い検討をしていきたいということで、教育、文化、生活や行動経済学などの分野において、深い御見識や幅広い御経験をお持ちの方にも参画いただく予定にしています。

第1回は、5月31日(水曜日)15時から、ホテルモントレ京都において開催いたします。

私も出席し、委員の皆様方と少子高齢化や人手不足などの現状、課題などを共有し、まずは今後の議論につなげるためのフリーディスカッションを中心に開催したいと考えておりますので、取材につきまして御協力をお願い申し上げます。

「京都ジョブ博2023」及び「人材確保塾(新卒採用編)」の開催について

2点目は、「京都ジョブ博2023」及び「人材確保塾(新卒採用編)」の開催についてです。

京都府では、従来から、人材確保に向けた働きやすい職場づくりに取り組む京都企業の支援に取り組んでおり、その一環として、企業と大学卒業予定者等とのマッチングを行う「京都ジョブ博」と、企業側の採用力向上を支援する連続セミナー「人材確保塾」を開催します。

京都ジョブ博の方は、働きやすい職場づくりに取り組む京都企業100社が一堂に会する京都最大級のリクルート&インターンフェアとして、6月3日(土曜日)にみやこめっせにて開催いたします。対象は、2024年3月に大学等卒業予定の方や、インターンシップを希望される学生、留学生、既卒3年以内の若年求職者の方などで、遠方の求職者の方にはZOOMを使用し、オンライン方式でも参加いただけます。

人材確保塾の方は、府内企業を対象に、新規採用を行う上でのポイントの解説や就職活動を終えた現役学生による模擬企業説明会など、全6回のカリキュラムを通じて、採用力向上を支援するもので、参加企業を20社まで募集いたします。

人手不足が深刻化する中、こうした取組を通じて、京都企業の人材確保が図れるよう支援していきたいと考えておりますので、周知のほどよろしくお願いします。

ビル・ゲイツ氏からの書籍の寄贈について

3点目は、ビル・ゲイツ氏からの書籍の寄贈についてです。

京都府立植物園には、屋外で絵本等を楽しむことができる「きのこ文庫」という全国的にも珍しい施設があります。この度、その蔵書の中から、マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏からの寄贈の書籍が発見されました。

現物はここ(机)に並べてある5冊の書籍でして、いずれも昨年11月、ビル・ゲイツ氏がブログで「人生で読んだ最高の本5冊」として紹介され、世界100箇所のリトルフリーライブラリーと呼ばれる図書館にプレゼントしたと発表されているものです。

リトルフリーライブラリーというのは、庭先などで気軽に読書機会を提供するアメリカを中心とした「町の小さな図書館運動」とのことですが、「自由に利用できる夢のある野外文庫」として設置しております府立植物園の「きのこ文庫」をその一つとして考えていただいて、今回寄贈をいただいたことは、大変喜ばしいことだと考えています。

ビル・ゲイツ氏が書籍を寄贈されたのは世界で100箇所とのことです。日本では京都だけということで、寄贈先として数ある都市の中から京都を選んでいただき、更に府立植物園のきのこ文庫を選んでいただいたその真意は完全には把握していませんが、(ビル・ゲイツ氏と)直接お話しする機会があれば是非確かめてみたいと考えています。いずれにしても、大変光栄なことであり、ビル・ゲイツ氏には心から御礼を申し上げます。

また、ビル・ゲイツ氏からのメッセージカードに、「本を見つけたらオンラインで共有して欲しい」との記載がありましたので、植物園のホームページやSNSにおいてビル・ゲイツ氏に対して謝意を伝えさせていただきたいと考えています。

ビル・ゲイツ氏の想いを伝えるため、この書籍の現物は、明日5月20日(土曜日)から植物園会館で展示するほか、多くの府民の方、特に、高校生をはじめ学生の皆さんの目に触れていただくこととしています。そして、日本で唯一寄贈があったことを皆さんにその事実や趣旨、思い等を、府内に広げるために、何らかの施策を講じたいと考えています。整えば、6月補正予算等でもその内容を盛り込みたいと考えており、それについては検討中です。

私からは以上です。

質疑応答

記者

新型コロナについて、昨日、定点報告による京都府内の感染状況について、定点医療機関当たり2.03人と発表されたが、これについての知事の受け止めはどうか。

知事

本日、厚生労働省が全国のデータを発表されますが、京都府では昨日、速報値として発表させていただきました。定点医療機関の1週間当たりの平均患者数が2.03ということです。同じく大阪府と兵庫県も発表されていまして、四捨五入すると両方とも2ですが、大阪府が1.79、兵庫県が1.68ということで、(京都府が)若干上回っていますが、いずれにしても感染状況は今のところ落ち着いた状況ではないかと考えています。

定点観測による発表は今回が初めてですので、過去との接続ができないのですが、これからはこの数字をベースに増減がわかってきますので、府内の数値の変化や、全国との比較等も含めて、感染の動向を引き続き注視してまいります。

記者

インフルエンザのような流行の基準が国から示されていないが、その中で、何をもってどのように注意を呼びかけていくのかの基準について、府としてはどのように考えているのか。

知事

インフルエンザについては、1以上で流行、10で注意報、30で警報として、これまでの積み重ねの中で定められています。ただ、結局はその数字だけでなく、外来診療や入院など医療提供体制にどれぐらいの負荷を与えるのかということと、その流行に合わせて府民の皆様に感染予防について呼びかけていくタイミングを考慮する必要があります。

新型コロナについては国がまだその注意報や警報の基準を示されていませんし、京都府独自でそれを決めるということは今のところ考えていません。国に対しては、従来からそういう目安を是非示していただいて、それに合わせて各地方で対応すべきだと言ってきております。

京都府としては、この数字に対する基準を示す必要は今のところないと考えています。ただ、今後どれぐらい増えてくるのかということにもよります。

また、それと合わせて、地区医師会等を通じて、保健所等が外来の状況がどうなのか、入院についても、相談センターや入院支援センターがありますので入院の状況がどうか、その辺は今のところ逼迫しているといった状況はありません。

そうした現場の状況とこの数字を合わせて医療提供体制の状況を把握し、それに合わせて府民に呼びかけていくということになると考えています。

ただ、早く国の方で一定の基準を示していただきたいと思います。特定の都道府県で示すというよりも、ある程度一つの基準に基づいて対応するものだと考えています。

記者

京都府は、昨日(5月18日)に速報値を発表したが、厚生労働省は本日(5月19日)に発表するということで、発表のタイミングを合わせても良かったのではと思うが、1日前倒しで発表したのは、同じく5月18日に発表した大阪府や兵庫県と足並みを揃えたということか。

知事

大原則としては、速報値と言えども京都府の数字を(厚生労働省から)お示しいただいたので、できる限り早く伝えたほうがいいと考えたのと、仰るように、大阪、兵庫も速報値として(5月18日に)出されるということもありました。

また、今後の結果を見てみないと分かりませんが、速報値と確報値の間に大きな変更がある可能性もそれほど無いという話でしたので、それであれば、なるべく早めにお知らせするのが良いのではないかと考えました。

ただし、いずれ確報値が国から出ますので、速報値と確報値をどのタイミングで、どういう形で発表していくのかについては、最終的には確報値で状況を追っていくことになるのですが、仕入れた情報をできる限り早くお知らせしたいという趣旨から速報値を出しました。

記者

5月18日に公表されたコロナの感染状況を見ると、10代、20代の感染者数が少し多いが、今後の感染拡大等への影響について何か考えているか。

知事

定点医療機関あたりで1週間に患者2人程度ということで、更にその中での年代別比率なので、それが直ちに何か対策を考えなければならない程の特色ある感染状況なのかというと、まだこの数字だけでは分からないと考えています。

それから、今は、例えば抗原検査キットを使って自分で感染の有無を調べた方は、感染されていても定点医療機関に行かなければ把握できない状況であり、5月7日までとは感染者の把握状況が異なっています。

年代別の数字は勿論出していきますけれども、今、10代、20代の感染者が多いということについて、直ちに何らかの対応をする必要があるとは考えていないです。

ただ、一番重要なことは、前の対策本部会議で言いましたけれども、やはり重症化リスクのある高齢者の方をきちんと守っていかなければならないということです。そこは、感染状況の比率に関わらず最も重要な所だと思っていますので、感染状況に関わらず常に意を用いていきたいと考えています。

記者

国に対して流行の基準を求めていくという話があったが、知事会として意見を出すのか、それとも京都府として独自でお願いをするのか。

知事

厚生労働大臣と全国知事会の(意見交換の)ベースもありますし、全国知事会としての5類感染症への変更に伴う課題整理の中でもお願いしており、そこは引き続き行います。

京都府だけの単独よりも、できれば全国知事会や、都道府県の総意として国にお願いした方が実現性が高いと思うので、その線で働きかけをしていきたいと考えています。

記者

コロナの定点観測は1週間毎だが、その途中に、例えばオミクロン株が変異して毒性が強くなった場合等の対処についてどのように考えているか。

知事

定点観測を毎日ではなく1週間毎に行うのは、これまでの積み重ねで決まったことです。

変異株について、国からは各都道府県で100検体程を目安にゲノム解析に臨んでほしいと言われていますが、足元の状況で言えば、中々100検体も集まりません。それでも、できる限り検体を集めてゲノム解析を行って我々としても把握していきます。

変異株の把握は、京都だけでやることではなく、もっと早くに東京や大阪など大都市で変異株が出てくる可能性もあるので、国全体として今の変異株の流行状況の端緒を捉え、また、その変異株の感染力や重症化リスク等を併せて見なくてはなりません。1週間単位で見ても元々ゲノム解析は時間もかかり、検体数も全体の1、2%程度ですので、できる限り努力はしていきますし、変異の端緒を捉えるべきだと考えていますが、今すぐにゲノム解析を1日単位でやるようなことは考えていません。

記者

ビル・ゲイツ氏からの書籍の寄贈について、この書籍はいつ頃置かれたものなのか。

知事

ビル・ゲイツ氏が昨年11月のブログで発表されています。しかも、毎年年末になると年末年始に読みたい本として、一年間に読んだ本の振り返りをされていて、今回初めて、一年分ではなく人生でいつも色々な人に薦めていた5冊を寄贈したと言っておられます。現物がある訳ですから、関係者の誰かが植物園に来て置かれたことは間違いないです。それがいつかということは完全には確かなことは言えませんが、昨年末に発表されていますから、置かれたのはその時か、もしくは年明けではないかということです。

ただ、我々が発見したのは4月です。ボランティアの方々に本をしまうなどの整理をお願いしていますが、たまたまラベルが貼られていない書籍を発見して、本を開くとメッセージとシリアルナンバーがあったということです。また、(ビル・ゲイツ氏が投稿された)動画を見ると、きのこ文庫が映っていたことや、財団にも確認するなどして(本物だと)分かりました。

4月に整理した時に発見したということです。

記者

誰もいない時に関係者の方が置いていったということか。

知事

ビル・ゲイツ氏本人ではないと思いますが、どなたが来られて置かれたのは、現物があるので間違いないと思います。

記者

府の職員が知らないうちに置かれたのか。

知事

そうです。普通の来場者として入られて、置かれたということだと思います。

記者

今後、何らかの施策を考えているということだが、知事の思いとしてはどのようなことをしたいのか。

知事

一つは、本を見つけたらオンラインで共有して欲しいというメッセージがありましたし、ビル・ゲイツ氏のブログなどを見ていると色々な事を仰っています。特に去年はコロナが長引いた上に、ロシアによるウクライナ侵攻など、1960年代以来経験したことのない激動を感じたと仰っている中で、子ども達のことを仰っている事もありますので、高校生や若い世代の方に、(今回のことを)5冊を広めていくことです。

あとは、いわゆるリトルフリーライブラリーというのは子どもたちが絵本などに触れる機会なので、我々は植物園を管理していますので、そうした機会を増やしていきたいと考えています。

京都府では、コロナの時に一人親家庭の支援として図書カードの未就学児への配布などを行いましたが、それとは違う、リトルフリーライブラリーのようなものができないかなど、京都府だけがプレイヤーではないので、団体や市町村との兼ね合いがありますが、いずれにしてもビル・ゲイツ氏の思いを府内に広く知らしめるためにはどういう方法がいいのか、今回は図書ということを媒介に何かできないかと考えています。

記者

(植物園のきのこ文庫が)世界100箇所のうちの1箇所に選ばれた訳だが、寄贈の書籍が見つけられたことを知った時にはどのように感じたか。

知事

正直に言うと、「本当か」と思いました。ビル・ゲイツ氏が本を寄贈した場所は、(ブログには)「Japan Kyoto」と書いてあるだけで、植物園とは書かれておらず、もし違っていたら大変なことになるので、本当にビル・ゲイツ氏が寄贈したものかということがまず一番でした。

ただ、色々な根拠を見せてもらうと、ほぼ間違いないということになりました。

まず驚いたことが1つと、それからやはり選んでいただいたことに感謝したいという思いがありました。

それと、これを機会にビル・ゲイツ氏の色々な思いを綴ったものを読むと、ビル・ゲイツ氏は色々なことを考えられていて、自分の今までの経済人としての活動の成果を社会に還元したいという非常に崇高な思いに触れて、流石だなと思いました。

記者

ビル・ゲイツ氏が寄贈された5冊の書籍の一覧を見た感想は。

知事

5冊を選ぶには、ビル・ゲイツ氏も悩まれたはずだが、一冊目は「大人のSF入門」で、最後は『Mendeleyev’s Dream』は、元素記号を発見したメンデレーエフの話が中心で、ギリシャ時代から科学が存在したという内容の本です。他には、ロックスター、リンカーン大統領、それからテニスコーチであり、意識的に様々な分野から選ばれたのではと思いますが、選ばれた趣旨は、それぞれについて(ブログで)仰っています。

私はどれも読んだことは無いのですけれども、非常にバラエティに富んで、示唆に富む本を選択されたなと考えています。

記者

写真を撮ってオンラインで共有されるとのことだが、これからされるのか。

知事

これからします。

記者

フェイスブックやツイッター等のSNSで共有するのか。

知事

京都府のホームページやSNSで共有します。

記者

ビル・ゲイツ氏からの贈り物を持ち込んだ方は誰なのかを調べるのか。

知事

いろいろな周辺状況から寄贈があったことは間違いないと思っていますし、財団の日本の代表の方からも、我々がどう活用するかはこちらの意向に任せると言われています。

誰かが持ち込んだと思いますけれども、私どもはそれを追及するつもりは今のところありません。それよりも、どのようにその思いを実現して活用していくかということに全力を尽くしたいと考えています。

記者

京都には沢山の大学があるが、書籍を活用した大学生との取組など何か考えていることはあるか。

知事

この書籍をどう活用するかについては、できる限り幅広い方にビル・ゲイツ氏の思いを伝えて、読んでいただくことが重要だと考えています。それが、大学生や高校生といった若い層なのかといったことも含め、どういう形でその思いを活かすのかについては、少し時間をいただいて考えさせていただきたいです。

記者

ビル・ゲイツ氏から寄贈された本は、一般の方はいつからどのような形で、どこで見られるのか。

知事

明日から、まず植物園会館で現物を展示させていただきます。今は現物しかないので、その後どうやって取組を広げていくかは検討中です。

記者

昨日、舞鶴で高浜原発の地域協議会の幹事会が行われ、夏に再稼働予定の1号機と2号機について各自治体から関西電力に厳しい意見が出されたが、知事はこの件についてどのように考えているか。

知事

原子力発電所の運転については、安全性が最優先という基本認識は今後も一切変わるものではありません。その中で、高浜原発の1号機、2号機については、令和2年から3年にかけて、京都府とUPZ市町で構成する地域協議会を何度も開催し、国や関西電力からの安全対策の説明聴取や現地確認、住民説明会を経て、令和3年4月に安全に万全を期すようにという要望を国と関西電力に求めておりました。

昨日の幹事会については、京都府と各市町それぞれから、関西電力と国に対して意見を申し上げ、改めて安全対策を強く求めたということです。今後もその姿勢は変えずに対応していきたいと考えています。

記者

原発の再稼働に対する事前了解についてどう考えているか。

知事

原発の再稼働については、一番最初から、立地県と非立地県で権限に差があることや、計画作りには参画していても法的な権限は無い等の課題について、法的な枠組みの中でその辺りの仕組みを作るべきだと主張してきました。その思いは変わりません。

それから、隣接県には権限があるけれども、一つ離れた県には権限が無いということが東海地域でもありました。地方公共団体がどの範囲でどういう手続を踏むべきかについて、法的枠組みをきちんと作るべきだというお願いはこれまでもずっとし続けていて、それについては変わらないです。

記者

過去に多くの知事、特に滋賀県の嘉田元知事が、電力事業者と安全協定を結ばせて欲しいと言っていたが、知事は関西電力と安全協定を結びたいという考えはあるか。

知事

先程言いましたように、協定を結ぶべき対象を法的にはっきりするべきです。協定を結びたいと思っても、向こうがその気にならないと駄目ですし、協定を結ぶにしても中身にもよります。

制度上、自治体がどのように関与をすべきかを経済産業省にお願いしているので、そこは変わらないです。そこをはっきりしてもらった方がそれぞれの自治体の立場が鮮明になるのではないかと考えています。

記者

今月2日に、山下副知事のセクハラ発言について、調査委員会が一部の発言についてはセクハラに該当すると認定した。知事も1日に副知事に対して厳重注意を行ったということだが、改めて受け止めとどのように再発防止をするか聞きたい。

知事

まずは、山下副知事の言動により山本様に精神的苦痛を与えたことに対して、改めて心よりお詫びを申し上げます。

4月28日に調査委員会から報告書をいただき、その中で副知事の発言の一部がセクシュアルハラスメントと認定されました。また、一刻も早くお詫びしたいという気持ちからですけれども、山下副知事が山本様に個人的にメールを送ったことが、軽率で不適切な行為であったということ。また、副知事としての発言には十分注意する必要があったということが報告書にありました。我々としては報告書の内容を真摯に受け止め、今後しっかりと対応しなければいけないということから、私から5月1日に山下副知事に対して厳重に注意をいたしました。

その際、副知事からは「自らの軽率で不適切な言動が引き起こしたものであって、深く反省をしている」「自身のアンコンシャスバイアスに気付いて、それを意識することで、常に改善して、二度とこのような事態を引き起こすことが無いように自らを律する中で、今後も府政の推進に向けて全力で取り組んでいきたい」という発言がございました。

私自身も研修を受けまして、自らのアンコンシャスバイアスに気付いて意識することの大切さ、それから、やはり時代によって(価値観が)変わっていきますので、意識を改善するように、絶えず研鑽し続けることが大事だと再認識しました。

報告書で指摘されていますけれども、今回の事案を山下副知事の個人の問題として捉えるだけではなくて、府の組織全体の問題として捉えることが必要だと考えておりまして、ハラスメント撲滅に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えています。

記者

他の自治体でマイナンバーカードによりコンビニで証明書が誤発行されるケースが相次いでいるが、知事の所見を伺いたい。

知事

マイナンバーカードは、デジタルトランスフォーメーションの推進にとって一つの大きな基礎的なインフラなので、必要性はあるのですが、やはり常に個人情報保護など、利用される方が不安に思うことが利活用にとって一番の阻害になりますので、そういうことはあってはならないことだと考えています。

総務省からは、システムの再点検と個人情報の漏洩等事案の報告について通知を受けていますが、今のところ府内の市町村から証明書の誤交付の報告は受けておりません。また、誤交付を引き起こしている富士通ジャパンのサービスを導入している自治体は、府内市町村にはありません。

システムの信頼性が非常に重要だと考えていますので、府民が安心してマイナンバーカードを利用できるように、システムの事業者は勿論ですが、各自治体でもサービスの安定的な運用と、ヒューマンエラーの可能性も含めて、信頼を勝ち取るように努力をしていきたいと考えております。引き続きマイナンバーカードの活用のためにも信頼性の確保に努めたいと考えております。

記者

先日、放流に伴い宇治の天ヶ瀬ダムの対岸が崩れたことがあった。今後出水期を迎えるが、使い方が難しくなってくることも考えられるがどうか。

知事

トンネルから出てきた所の護岸と、少し下流の右岸側の橋のたもとで洗堀や崩落がありました。そこへの対応は勿論万全にしなければいけません。

一方で、放流量については、報道されている数字と地元宇治市で聞いている数字とで若干違っていたり、天ヶ瀬ダム本体から流す分とトンネルから出ていく分では多分流れ出る方向が違いますので、大きな流量の水をトンネル側から流した時に下流への影響がどうなるのかなど、様々な論点があります。

国土交通省が「きちんと検証して今後のダム操作に活かす」と言っていますので、そこはきちんとやっていただきたいと我々も言っていますし、当然、地元として協力することもあると考えています。

まずはどうしてああいうことが起こったのか、国にきちんと検証していただくことが重要なのかなと考えています。

川の流れが真っ直ぐ下がっていれば護岸に圧力がかからないのですが、斜めに入ると圧力がかかります。それと、あれだけの多くの量を放流する実証実験はおそらくやっていないと思います。その辺も含めて、国土交通省の当然の仕事として、全体の護岸の強度などを、きちんと検証してくださるようにお願いしています。

出水期までの暫定的な対応と、ある程度時間をかけた対応があると思いますが、その辺りのストーリーは聞いていないですが、まずは起こったことをちゃんと検証していただきたいと言っていて、そこには京都府の担当部局からも積極的に参加させたいと考えています。

 

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