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令和5年6月30日定例知事記者会見

「こどもまんなか応援サポーター宣言」について

本日の発表項目は、「京都府こどもまんなか応援サポーター宣言」についてです。

こども家庭庁では、企業・個人・地方自治体などが「こどもまんなか応援サポーター」となって、自身が考える「こどもまんなか」なアクションを展開する「こどもまんなか応援プロジェクト」を5月から開始されておられます。

京都府がこれまで進めてきた「子育て環境日本一」の取組は、まさに、この「こどもまんなか」なアクションであることから、この度、「こどもまんなか」の趣旨に賛同しまして、私が「こどもまんなか応援サポーター」に就任することを宣言いたします。

宣言の内容は、モニターに映しますが、3点あります。

1点目は、「こどもまんなか」の趣旨に賛同して、「こどもまんなか応援サポーター」に私が就任します。

2点目は、京都府のこれまでの「子育て環境日本一」の取組を更に進化させていきます。

3点目が、府民の皆様や企業、府内市町村など、幅広い方々に「こどもまんなか」な取組の発信や参加を呼びかけます。

なお、3点目の取組の発信や参加の呼びかけとして、私が出演する動画を作成しました。この動画は、この後、京都府の公式YouTubeやSNSで公開しますので是非御覧ください。

また、「こどもまんなか応援サポーター」としてのアクションの一つとして、「みんなで子育てグッドプラクティスコンテスト」を開催します。

これは、我が子に接するように、他人の子どもさんにもやさしく気にかけてあげる事例を広く紹介し、府民お一人おひとりの具体的な行動に繋げようするものです。

子育て中に、地域や外出先等で周囲の人から、かけてもらった嬉しかった言葉、厳しいけれども心に響いた言葉など、自身が遭遇した「心温まる」エピソードを、明日7月1日から8月31日までの間、募集します。

応募いただいたエピソードから最優秀賞及び優秀賞を選考し、受賞したエピソードの動画やアニメを作成し、公共交通機関のサイネージ等で放映する予定にしています。

今後とも、「子育て環境日本一」の取組を更に進めていきたいと考えていますので、こうした取組の周知についてよろしくお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

こどもまんなか応援サポーターへの就任は今日からということか。

知事

そうです。今、宣言したということです。

記者

こどもまんなか応援サポーターへはどういう経緯で就任することとなったのか。こども家庭庁からお誘いがあったのか。

知事

それはまさにそうで、今月6日に国への政策提案に行った時に、小倉大臣から紹介があり、是非宣言に参加してくださいと要請がございました。

小倉大臣には、前回、国の政策提案に行った時にも、我々の施策について「京都府はこんなことやってます」と紹介しておりましたので、京都府が子育て環境に非常に熱心だということはわかっておられたので、それなら是非と言われたので、その場でお受けしました。その後、どういう宣言内容にするかといったことを検討していましたので、少し時間がかかったのですが、今月6日に大臣から要請がありましたので、それを受けた形ということです。

記者

今回「みんなで子育てグッドプラクティスコンテスト」を実施するとのことだが、今後、より具体的な施策にどのようにつなげていきたいと考えているのか。

また、全国で他にも宣言した知事がおられるが、西脇知事は何番目か。

知事

我々が調べた限りでは、6月28日15時現在で7道県が宣言されていますので、私が都道府県としては8番目になります。

元々、京都府では、子育て環境日本一を府政の最重要課題としてきましたし、その中で子育てにやさしい風土づくりというものをやってきましたので、今回のこども家庭庁の「こどもまんなか応援サポーター宣言」というのは、まさにその趣旨に合致しているということで、私も参画をさせていただくことといたしました。

具体的な施策について、今回の宣言に伴う施策としては「みんなで子育てグッドプラクティスコンテスト」なのですが、京都府総合計画でも記載しておりますように、今、「子育て環境日本一推進戦略」の改定に着手をしておりまして、秋頃までには新しい戦略を策定したいと思っており、その中に様々な施策を盛り込んでいきたいと考えています。その中身の若干先取り的なものとして、今回このグッドプラクティスの施策を進めさせていただくということです。

記者

子育てに関する知事のお考えや、今後の取組、また御自身のグッドプラクティスの御経験などについて伺いたい。

知事

元々「子育て環境日本一」を目指してやってきましたし、今回の総合計画で、社会全体で子育ての負担や苦労、また喜びも分かち合うという、「社会で子どもを育てる京都」を目指すことを将来の到達点として、これまでやってきた「子育て環境日本一」への様々な取組を進化させようと考えています。その思いには全く変わりはないです。

国も「次元の異なる少子化対策を」と総理が言われてから、様々な議論をし、こども家庭庁も出来ました。そうした世の中の流れが出来てきているので、私としては、今、自ら色々な方の御意見も聞きながら取り組んでいますので、この際、そうした思いを戦略の中に集約したいと考えています。

私のグッドプラクティスということではありませんが、私が子どもの頃は、夕方になると家の前に床几を置いて、中高生や商店主など年代の違う人が来て将棋を指したりしていました。私はそこで缶蹴りなどをやっていて、近所の方に叱られたりもして、色々なルールも学びました。まさに社会の中で、みんなで子どもを大事にしようということで、京都の地蔵盆はその象徴なのですが、地蔵盆の時だけではなくて、日頃から常に声かけをしてもらっていました。

そうすると、親がそこにいなくても、子どもたちは色々な人に遊んでもらい、場合によっては「うちでご飯食べへんか。」と言われ、「じゃあ、ちょっと御馳走になります。」といったこともあり、コミュニティの中で温かく見守られ、育てられてきました。

今、その頃と同じように戻せと言っている訳ではないですが、子育て世代の孤立、孤独がよく言われていますので、出来る限り周りから子育てを見守っていくことが大事だと考えています。

今回のグッドプラクティスコンテストは、子育て中の方が感じたことを募集するということで、需要側から言ってもらうというものですので、子育て中の方がどのように感じるのかが周囲の人にとってわかりやすいのではないかと思います。私の子ども時代の話とは少し違うのかもしれませんが、是非広く応募していただきたいと考えています。

記者

コロナの報告数が少しずつ上がっている状況であるが、現状の受け止めを伺いたい。

知事

京都府の定点あたりの報告数は速報値で4.92人で、4週連続で数値は上昇しているので、増加傾向にあることは間違いないですが、急激な増加には至っていないので、緩やかな増加傾向だと考えています。

医療機関については、聞き取り調査を行っていますが、患者が少し増加しているものの、ひっ迫している状況ではないと伺っていますので、現状は落ち着いている状況だと考えています。ただ、過去にも5波や7波で夏場にも感染拡大しています。

それから沖縄では、6月25日までの速報値で39.48人というかなりの数になっています。過去にも、いつもではないですが、全国的な感染拡大の前に沖縄県で感染拡大が起こった時もありましたので、感染状況については十分に注視したいと考えています。

記者

先日の府議会の代表質問で、向日町競輪場の余剰地で屋内スポーツ施設の整備について検討していることを明らかにされ、京都府内にスポーツ施設が少ない現状にも触れられたが、改めてその狙いと、今後開かれる懇話会の開催時期と話し合う内容について教えてほしい。

知事

向日町競輪場については、競輪事業の継続と併せて、施設や機能を集約化することで余剰スペースが生じますので、その余剰スペースを有効活用し、また余剰スペースについては、やはり地域の方や府民の皆さんに親しんでいただき、また地域の活性化に繋がるようなものにしたいというベースの考え方の下に、屋内スポーツ施設の整備を検討していきたいと考えています。

具体的な規模やスケジュールについてはまだこれからですが、これまでもサッカースタジアムやアイスアリーナといったスポーツ施設の整備の際には、京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会を開催して、そこで専門家の皆様からの御意見を頂いて、それに基づいて整備を進めてまいりましたので、今回も同様にこの懇話会を開催して、そこでの検討も踏まえて、我々の方針を決めていきたいと考えています。

出来る限り早く開催したいと思っていますが、人選や準備もありますので、時期は改めてお示ししたいと考えています。

記者

懇話会では、京都府内にスポーツ施設が少ない現状を前提に、どういった規模の施設がいくつ必要で、整備するとした場合の最適地はどこかといったことを検討するのか。

知事

あまり詳細なところまでというよりも、方向性や必要性について、過去の懇話会では競技団体やスポーツの専門家の方もおられましたので、府内全体のスポーツ施設の状況であったり、どのような施設が必要であるかやその場所も含めて御検討いただきたいです。それから、近隣の府県との関係や最新のスポーツ施設の現状など、様々な角度から御検討いただきたいと考えています。

ただ、最終的には、整備主体や整備手法は、責任ある主体として府が決めなければいけないので、それを大前提として、専門家の御意見をお伺いする場として懇話会を活用したいと考えています。

記者

どれぐらいの規模の施設が必要かをゼロベースで話し合った上で、場所を決定するというのであればわかるが、先に向日町競輪場という場所が出ていることについて、どのような整理になるのか。

知事

まだ具体的な懇話会の進め方を決めている訳ではないのですが、先程も言いましたように、今回の議論の発端は、向日町競輪場における余剰スペースの活用についてですので、府内全体で元々スポーツ施設が足りていないという現状も踏まえて、どういった施設が必要なのかを議論していただいた上で、向日町競輪場の余剰スペースを活用してスポーツ施設の整備をする場合に、どのようなものがふさわしいかという話をしていただくということです。

府内全域のスポーツ施設について話し合いをしていただくというよりも、府内全体の現状を踏まえつつ、向日町競輪場での余剰スペースの活用と府内のスポーツ施設の整備との関連という形で議論してもらった方がいいのではないかと考えています。ただし、色々な方がおられますので、様々な御意見が出るとは思います。

記者

向日町競輪場の余剰スペースの活用を大前提として、議論するということか。

知事

1つのケースとして考えています。

記者

先日の向日市議会の市長の答弁では、過度な集客による交通渋滞の対策も含めて今後要望をしていきたいという話があった。懇話会ではそこも含めて検討していくのか。

知事

懇話会でどの範囲まで議論するのかについて、まだイメージは湧いていませんが、あらゆる施設整備については、そこに来られる方へのアクセスの確保や周辺に与える影響が地元としての考慮事項になることは間違いないと考えています。

そういったことに絞った専門家の方が懇話会のメンバーに入るかどうかは分からないですが、そういった御意見も前提とした上で、過度な集中かどうかは別にしても、何か施設を造る際には、アクセスや利用者の方にとっての利便性は大きな要素なので、それも併せて検討されることになると考えています。

記者

京都府文化施設政策監付中地企画調整理事が7月1日付で向日市の副市長に就任されることとなるが、府で文化施設を担当されていた方が就かれるということで、向日町競輪場の整備との関連はあるのか。

知事

あまり関連はないと思います。あくまでも向日市が選任されたもので、しかも向日市議会の全会一致で同意された市の人事です。彼は乙訓地域で勤務していたこともあり、ある程度土地勘があるということも考慮されたのかもしれません。経歴や人柄などを前提に採用されたと考えています。

記者

北山エリアの整備計画の中で、府立大学の共同体育館の整備を検討しておられて、メインアリーナは1万席程度設けると発表され、向日町競輪場とは別議論として、北山エリアは北山エリアで有識者会議を開催されている。向日町競輪場とともに2つの検討が同時並行で進んでいて、2つアリーナをつくるようにも見えるが、それについて説明いただきたい。

知事

府立大学の共同体育館につきましては、元々老朽化と耐震性の課題があり、この解決というのがまず大前提にあります。また学生の利用を大前提にした上で、多目的・多用途な利用を図れないかということ、しかも府民の皆様との合意形成や府立大学全体の施設整備との関連の中で検討しています。今も専門家の方や学生、府民の皆様の御意見を聞いていますので、そこは検討を進めていきたいと考えています。

元々府立大学の共同体育館は、いずれ建て替えなければいけないものですので、それをどういうものにしようかというものであり、我々は規模については言っていないのですが、アリーナというより、外部の利用も含めた共同体育館としての構想があるということです。

いずれ議論が進めば、2つの関係性は整理しなければいけなくなると思いますが、その2つが関係するかどうかも含めて、ある程度並行して議論を進めていきたいと思っています。

ただし、アリーナが2つ必要だと言っている訳ではないです。

記者

今の時点で北山エリアでのアリーナ計画を諦める訳ではないということか。

知事

元々アリーナとは言っていません。あくまで共同体育館としての多機能、多目的利用を前提にした検討については、引き続き皆様からの意見を伺って、検討を進めてまいりたいと思っています。

記者

北山エリアのスポーツ施設について、以前の有識者会議で2,000席程度にするという案も出たが、これについてどう受け止めているか。

知事

2,000席の話は有識者会議の座長から紹介がありましたが、学生の方との話し合いの中で出てきた案だと聞いています。2,000席の話だけではなく、学生のワークショップでの話や専門家の意見も聞いている中での一つの案ということなので、それだけを取り立ててコメントはしませんが、一つの考え方だという意味で受け止めています。ただ、座長案ということではなく、座長が紹介された学生の方からの御意見の一つということです。学生の方も含め、色々な方から多くの意見を賜っている中の一つだと受け止めています。

記者

先程「アリーナが2つ必要だと言っている訳ではない」と言われたが、1つは府内にあった方がいいということか。

知事

元々京都府の屋内スポーツ施設の状況でいうと、色々な統計の取り方がありますけれども、全国的に見ても少ないことは間違いないと考えています。ただし、スポーツ施設をつくるためには当然負担も生じますし、立地の問題等もあります。

いつもスポーツ競技団体から整備の要望も伺っておりますから、全体としてスポーツ施設の必要性については認識をしており、1つは必要だとか、2つは必要ないとか、そういうことを言っている訳ではありません。あくまで今回は、向日町競輪場の余剰スペースの活用として、地元も含めてそういった声が上がってきているので、検討の俎上に載せるということです。

2つは必要ないと言っている訳ではなくて、ベースが違うものとして、検討を開始したいとということです。

記者

財源としては、アリーナと呼ばれるような大きい施設を複数つくることは可能なのか。

知事

府の財政は厳しく、府民負担も伴います。ただこれまでも、出来る限り府民負担を少なくする工夫はしています。サッカー場の整備についてもネーミングライツを使うなど、民間の知恵や活力を活用してきました。

もちろん負担を減らす努力はしますが、基本的に、京都府が事業主体に入る場合は、一定の府民負担が出てくる可能性は当然否定できません。それも含めて検討していかなければいけないと考えていますが、まずは必要性などを議論していただこうということで、建設のスキームについては、まだまだこれからの話です。

記者

5年前の西日本豪雨では京都府内でも大きな被害が出たが、5年経った知事の今の受け止めはどうか。またそこで得られた教訓を今後、どのように活かしていくのかを教えてほしい。

知事

平成30年の西日本豪雨は、私が知事に就任した年のことで、鮮明に覚えております。

当時、最初は桂川水系で非常に雨が降り、日吉ダムが満杯になって緊急放流をしました。桂川の久我橋で土のうを積み始めた夕方に雨が小康状態になり一旦私が家に帰った後、北部で線状降水帯が発生し、舞鶴市で1名、綾部市で3名、亀岡市で1名、計5名の方がお亡くなりになられました。改めて、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りします。

線状降水帯は非常に急激に雨が降るということで、改めて自然災害の怖さを痛感いたしました。過去の雨量に比べてかなり降ったのですが、一定のインフラ整備が整った所では被害がある程度抑えられていました。

西日本豪雨は京都だけではなくて西日本一帯に大きな被害があって、その後、国も防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などで河川改修や土砂災害防止施設、防災の重点ため池の整備等を実施しています。インフラ整備はお金も時間もかかるのですが、やはりこれは着実に命を守るために進めなければいけないというのが、教訓の1つです。

それから、当時、避難指示・避難勧告の対象者が約62万人おられたのですが、避難者は4,000人程度と、全国に比べても非常に低かったことから、避難情報の発令が住民避難に結びつかなかったということが1つの教訓としてありました。その後、市町村と連携して避難行動のタイムラインの作成を始めて、特に最初は、比較的被災が多かった地域からモデル的に作成していただきましたので、まさにその時の教訓を活かして進めさせていただいたと考えています。

もう1つは、私が知事になる時から先進的な危機管理体制の構築を掲げていて、これは自然災害だけではなくて、あらゆる危機事象に対応するものと考えていますが、それが今年度開設する常設の危機管理センターの整備に繋がったと考えています。

ただ、その後も全国的に見てますと、自然災害が激甚化、頻発化しています。今年も府民だよりやLINE、Twitterを活用して、府民の皆様に出来る限り気象災害への備えや情報の収集、避難の指示があった場合は迷わず避難に繋げていただきたいというようなことを呼びかけています。

引き続き、災害に対しては万全の体制で取り組んで参りたいと考えています。

記者

西日本豪雨から5年経過したということで、自治体によっては、防災イベント等を開くところもあるが、京都府としては何か考えているか。

知事

府内自治体すべてを把握していませんが、府としては現段階では考えていないです。

記者

昨夜、和束町の堀町長が北海道で公務中に交通事故で亡くなったという報道があった。知事の受け止めを教えてほしい。

知事

堀町長の訃報に接しまして、大変衝撃を受けております。哀悼の意を表し、改めて心より御冥福をお祈り申し上げます。

堀町長は平成13年御就任で、6期の長きにわたり町長を務められておられ、町民の皆様からの信頼も厚いです。何といっても相楽東部はそれぞれの町村が非常に過疎に悩んでおられる中、連携して様々な地域課題に取り組んでおられますが、そのリーダーというか、引っ張っておられた方でもありまして、本当に残念な気持ちでいっぱいです。

私にも非常に温かく接していただいておりましたので、御遺族の気持ちを思うと言葉もありません。改めてお悔やみを申し上げ、故人が安らかに眠りにつかれますようにお祈り申し上げます。

記者

マイナンバーに関して総理から総点検の指示が出されたが、それに関する受け止めを伺いたい。

知事

マイナンバーカードの活用にあたっては、当然個人情報の取扱いに十分配慮しなければいけません。一方で、府民生活の向上を図るために必要なデジタルトランスフォーメーションを進める上では重要なインフラなので、起こっている様々な問題を解決して、早急に信頼回復を図ることが重要だということは間違いありません。

そうした中で、国が6月21日に総点検本部を作り、国を挙げて総点検をされることについては当然だと思いますし、我々も府民の皆様の不安を払拭するために協力していかなければいけない立場だと考えています。

ただ、今は「総点検」という言葉だけが先行していますが、我々が持っている情報はそんなに多くありません。しかも、状況が日々動いていますので、自治体としてどれぐらいの作業量になるのかは今の段階では見通せていない状況です。我々としては、どういう作業になるのか、まず全貌を把握することが、現時点においては非常に重要だと考えています。

既に関係部局長を集めた庁内会議を開催し、総点検について、それぞれの関係部署に来ている情報を情報部門に集約する体制を構築しましたので、徐々に情報を集めているところです。

我々の方でマイナンバーカードを利用する事務だけでも48あり、当然影響も大きいですし、関係部局も多岐に渡っておりますので、全体を俯瞰して対応していきたいと考えています。

それから当然、市町村の事務が非常に多いですので、我々も市町村と協力をしながら情報を集めていきたいと考えています。

記者

庁内会議の立ち上げや市町村との連携というのが、国からの指示に基づく府としての対応という理解でよいか。

知事

総点検と言っても、まずは各省庁が紐づけを実施する機関に対して、紐づけ方法を確認され、その結果を踏まえて、全ての個別データの総点検が必要なケースを整理し、該当する場合には、その実施機関に対して全データの点検や誤った紐づけの修正、情報漏洩の有無の確認をすると仰っています。まずは全データを総点検する必要があるのはどういうものかを整理することがこれからの作業だと聞いています。その上で、各関係の機関に指示があるということです。

我々と市町村との関係では、都道府県がきちんと市町村に協力するようにという指示を国から受けていますので、協力していきますが、それが具体的にどういう作業や事務に繋がるのかは、私自身もまだイメージが湧いていないです。

ただ、信頼回復なしにはカードとして機能しないと考えていますので、関係者全てで、全力で当たっていく必要があると考えています。

記者

来年秋に紙の保険証が廃止され、マイナンバーカードに移行するという国の方針は基本的には変わらないということであるが、これに対する所見を伺いたい。

知事

今、色々な関連法律が成立しており、法令的には今仰ったように来年の秋に紙の保険証が廃止されることになっていますが、色々なトラブルが発生しています。例えばカードが読み込めなかったり、医療費負担が10割になったり、別人の情報が誤って紐づけされているなど色々とあります。

今、日本では、病気や怪我をした時に安心して必要な医療が受けられることを前提に様々な施策を展開しています。それも保険証1枚あれば、どこの医療機関でも診療を受けられるという、医療保険制度の信頼性や安定性が確保されて初めて、様々な施策も活きてくると考えています。

まずは信頼性を回復していただかないと、医療保険制度やマイナンバー制度を大きく揺るがすようなことになりかねないのではないかと非常に心配をしています。法令的には来年の秋に紙の保険証が廃止されますが、そのためにも国民の皆様の信頼を回復することが必要です。その手立てが今回の総点検だと思いますので、そこでの様々な取組に自治体も協力をして信頼回復に努めていきたいと考えています。

記者

あまり時期にはこだわらない方がいいということか。

知事

時期をこだわる、こだわらないというよりも、法令的に来年の秋となっているので、それを実施するためには信頼を回復しないといけないということです。

記者

亀岡の保津川下りの再開が発表されているが、その受け止めはどうか。安全性の確保等に対する知事の考えはどうか。

知事

保津川遊船の企業組合から6月12日に公表された事故再発防止対策案で、安全運航のための船体の構造の改良、操作しなくても膨らむ救命胴衣への変更、全ての船への新型無線機の搭載、無線が通じる地点のマップ化など、具体的な再発防止対策や安全対策が講じられています。また、水難救助や救命救急の訓練を実施しておられることも承知しています。

事故防止・安全対策に最善を期していただくことは当然で、やはり安心があってこそ御利用いただけると思っていますので、そこは万全を期していただきたいです。

再開については、我々も前から言っていますように資金繰り支援などは金融機関、保証協会と連携しながら可能な限りの支援に取り組みたいと考えています。

いずれにしても事故防止、安全対策に万全を期して再開をしていただきたいです。

記者

保津川下りは観光客が集まる大事なスポットで、再開を待っている人もいたと思うが、再開に当たってその辺りのお気持ちはどうか。

知事

もちろんこれまでから極めて貴重な観光資源であったし、再開を楽しみにされている方も多かったと思います。ただ、先程言いましたように、安心して安全な形で御利用いただかないと、せっかくの楽しみも台無しになってしまいます。そこは利用される方が不安な気持ちにならないように、万全を期した上で再開されるということなので、引き続き慎重に事業再開に取り組んでもらいたいです。

記者

LGBT理解増進法が成立し、この後は都道府県や市町村が、関連した条例を作るか、今ある差別撤廃関係の条例を改定するか、あるいは既存のままにしておくかなど、色々と判断が分かれてくると思うが、知事の考えはどうか。

知事

まずは、今回、法律が制定されたことで、LGBTについての認識が更に一段進むこと、それに伴う具体的な施策が行われることは、当然ながら歓迎すべきだと考えています。京都は、「共生の京都」と言って、非常に寛容に、様々な立場の方とともに生きていこうという土地柄でもありますので、当然そういう流れだと考えています。

ただ、具体的に、条例をどうするかについては、これからですが、法律に基づく様々な動きがこれから起こることは十分想定しております。

記者

これまでLGBTへの理解促進運動をしていた団体がいくつか反対声明を出している。これは理念法の宿命かもしれないが、この現状についてどう考えるか。

知事

今回の法案について様々な意見が出ているのは当然承知しています。ただ、この法案の成立を推し進められた立場の方は、懸念されているようなことは毛頭意図していないと仰っています。意図が正しく伝わっていないということであれば、よく話し合いをして、誤解なら誤解を解き、もし何か修正すべきという話であれば、別に法律だって変えられない訳ではないので、そういう動きを国はすべきだと思います。

今はまだ法律が成立したばかりなので、それに基づく世の中の動きや影響も見ながら、全ての法律がそうですが、定着度合や進捗を見ながら次の段階に進んでいくべきだと考えているので、成立したばかりですぐに何か評価をするのは少し早いような気がします。

記者

先日、神戸市で子どもが亡くなるという痛ましい事件があり、児童相談所の対応等も問われている。京都府としては何か対策等を考えているか。

知事

まずは子どもの命が奪われるというのは、本当に最悪のケースです。それだけではなく、いじめの問題など様々あり、非常に不幸なことで、あってはならないことです。

特に児童相談所の関係では、やはり親御さんが同意しないと対応できないなど、非常に難しいです。京都の場合は、警察と児童相談所など関係機関が集まり、本当に重大な事態に陥る前に出来る限り連携しようという動きを進めています。制度というよりも、その仕組みをしっかりと機能させるということが一番重要なことだと考えています。

ただ根本としては、やはり子どもや子育て世代が社会の中で孤立したり、非常に孤独な思いをされていることがあります。先程も少し言いましたけれども、出来る限り周りの方との触れ合いや結びつきを強化していくということも、少し遠回りのような気もしますが、このような悲惨な事件を防ぐことに必ず役に立つと私は考えています。

児童相談所は非常に大変な仕事をされているので、いろいろ悩みも多いと思います。そこは関係機関としっかり連携して、全員で子どもを支えていくという形にしないと解決しないと考えています。

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