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令和5年8月25日定例知事記者会見

 

令和5年度京都府総合防災訓練の実施について

本日の発表項目は、令和5年度京都府総合防災訓練の実施についてです。

京都府におきましては、例年、9月1日の「防災の日」を含む「防災週間」に合わせて総合防災訓練を実施しており、今年は9月3日(日曜日)に防災関係機関約70団体と合同で実施します。

今年は、大正12年9月1日に発生した関東大震災から100年の節目です。また、昭和28年8月14日・15日に発生した南山城水害から70年の節目に当たります。府民の皆様が防災について考え、災害に備える機会としていただければと考えております。

近年、災害の激甚化、頻発化が顕著であり、今年も石川県や千葉県など全国で強い地震が発生したほか、南海トラフ地震も、今後30年以内に発生する確率が70~80%程度と言われております。

また、8月14日から15日にかけての台風7号の影響により、舞鶴市、綾部市、福知山市に記録的短時間大雨情報が発表され、浸水又は土砂崩れなどの被害が発生するなど、豪雨災害への備えの重要性も高まっています。

こうした状況を踏まえ、今年度は、南丹地域における豪雨及び直下型地震による複合災害による被害を想定した訓練を実施します。

訓練は大きく2種類あり、まず、災害対策本部会議訓練では、府庁に設置する災害対策本部への報告等の訓練を行います。

次に、災害対応訓練では、亀岡市の会場において、各防災関係機関の連携による救出・救助訓練や避難所運営、また、臨時のヘリポートを設置しての救出訓練といった実動訓練などを行いますので、当日の御取材についてよろしくお願いします。

私からは以上です。

令和5年度京都府総合防災訓練の実施について(PDF:1,365KB)

質疑応答

記者

台風7号による被害について、北部3市を中心に被害が残っている状態である。府として今後の支援の方針はどのように考えているか。また、国への要望は行うのか。

知事

私からは、制度的なものも含めて、先週谷大臣に対して要望いたしました。他に個別にあれば当然要望しますが、被害の全容、特に農林分野の全ての被害の把握がまだできませんが、的確な把握を行うとともに、既に必要な補正予算の編成を指示していまして、9月定例会への提案に向けて編成作業が大詰めを迎えています。特に災害救助法を早期に適用しましたので救助費の積み上げと、道路、河川、農地、公共施設の被害への対応や、中小企業、農林水産事業者への支援などを積み上げて予算が必要なものは措置します。

既に足元では地域公響プロジェクトで様々な災害復旧の取組を支援しています。これは来月募集を開始しようと考えています。

中小企業者、農林水産事業者への相談窓口もすぐに開設しました。私としては、立ち上がりは早く、支援に向けたスタートを切ったつもりですが、予算が必要なものもありますので、それは補正予算の中で対応できるようにしていきます。

国への要望については、先日の要望よりも細かいこと、個別の省庁にお願いすることについては、担当部局から責任を持って要望いたしますが、私自身が要望を行うものについては、先日谷大臣への要望で一区切りついていると考えています。

記者

京都府としては今のところ、追加での要望は考えていないということか。

知事

復旧していく過程で何か出てくるかもしれませんが、必要なことは、とりあえず要望しています。ただ、要望というのは要望書だけが全てではなくて、それぞれの制度や事業の適用については、常に国と関係する場合は連絡を取り合っています。

この前、たまたま近畿地方整備局の幹部の方と御一緒する機会がありましたので、その場で整備局絡みの話についてはかなり強くお願いしましたが、そうでなくても、それぞれの部局で様々な制度の適用も含めてお願いしており、府庁が総力を挙げて生活の再建と災害復旧に努めてまいりたいと考えています。

記者

先日、台風7号の被災地を谷防災担当大臣が視察された時、知事も同席していたが、災害救助法の適用を受けた3市のうち、舞鶴市長だけが呼ばれなかった理由についてどのように認識しているか。

知事

この視察は内閣府が開催されたもので、谷防災担当大臣が福知山市の現場に入られるということで、内閣府の要請がありましたので、地元の知事として対応しました。私は内閣府のセッティングによって参加したものですので、参加メンバーについては内閣府に聞いていただければと思います。

記者

今日の谷大臣の会見では、内閣府と視察したそれぞれの府県の事務方とで誰を呼ぶかを決めたという趣旨の発言があったようだが、どうだったのか。

知事

誰を呼ぶかについては内閣府のセッティングに合わせたものだと認識しています。もちろん、被災現場にも行きますし、現場の状況を見るに当たって地元として内閣府の視察が円滑にいくように、また、市役所の中にも行くので、そうした視察についての御協力ということは最大限させていただきました。

記者

誰を呼ぶかは内閣府が決めたということか。

知事

はい、そうです。

記者

取材に対して、内閣府は、舞鶴市は距離が遠いから呼ぶのは忍びなかったと説明されているが、その理由は適切だと思うか。

知事

その時は急な話でもありましたので、呼ぶメンバーや理由についても分からなかったですが、距離がどうかということについては、内閣府が最終的にそう決められたということであれば、そういうふうに判断をされたものと思うということです。

記者

適切、不適切の話ではないということか。

知事

はい、そうです。元々時間的な制約もあり、現場は福知山市しか見られないということでした。鳥取、兵庫の後、最後に京都に入って来られました。

記者

現場にいる中で、違和感があったり、気にはならなかったのか。

知事

非常に短時間でしたし、意見交換させていただく中で、私からは、京都府としての要望を谷大臣にお伝えすることが基本的な使命でした。私からの要望としては、どこの市がどうというのではなく、京都府域全体の災害への対応についてのお願いをさせていただいたということです。

加えて、これからの防災・減災、国土強靱化についてのお願いもその場でさせていただきました。

記者

内閣府が決めた行程を見る中で、舞鶴市も呼ぶべきではというような意見を言うことはできたと思うが、事実としてそうしたことは言われていないのか。

知事

そうしたことは言っていません。そこは国が決められたことですので。防災担当大臣が来られるということでしたので、大臣と我々の関係としては、その際に京都府全体の被害も含めて御説明することであると考えたということです。

記者

舞鶴市長を呼ばなかった理由として、舞鶴市長が日本維新の会系の首長だったためではないか、政治的な理由ではないかという見方・批判が一部で挙がっているがどうか。

知事

内閣府がそういう理由だとは仰っていないので、私としては内閣府の説明を受け止めるだけです。

記者

舞鶴市長がその意見交換の場に行けなかったことで要望ができなかったと取材に対して答えていた。そもそも京都府を含めて要望したいという事実経過はあったのか。

知事

綾部市と福知山市からは、かなり早い段階から「要望したい」という話がありました。舞鶴市は視察・意見交換の場におられなかったので、終わってから「どうでしょうか」と私どもからお聞きしましたが、今のところ、それについての返答はないです。

記者

京都府からわざわざ投げかけたが、返答はなかったということか。

知事

投げかけたというか、地方自治において「要望しろ」というのは非常に横暴な形なので、「要望されないですか」という問い合せをさせていただいたということです。

記者

それに対しての反応がないということか。

知事

現時点ではないと聞いています。

記者

台風7号の視察において、意見交換会に出席するメンバーが西脇知事に伝えられたのはいつ頃だったのか。

知事

前日だったと思います。鳥取も兵庫も京都も絡むことであり、それを1日の間で朝から全部見なければならず、しかも、その日のうちに戻られるという非常にタイトな日程の中だったので。確定情報が来たのはかなり最終段階だと思いますが、出席者を聞いたのは前日だったと思います。

記者

舞鶴市長が参加できなかったことを受けて、府の方から舞鶴市長に何かしらの説明をする予定や、今後の対応について何か今の時点で考えていることはあるか。

知事

被災直後には広域振興局長が舞鶴市長とお会いして、意見交換を行い、その場で市長のお話は聞いています。私どもが災害救助法の適用を今回かなり早期に判断させていただいた段階においても、福知山市と舞鶴市と綾部市に対して、記録的短時間大雨情報が出ましたので対応いたしました。また、府の管理施設だけではなく、被災箇所の通行止めなど現場の対応ついては、当初から舞鶴市の事務方と密接に連携して対応しています。

ただ、先程少し言いましたように、要望については「どうされますか」と投げかけていますが、もちろん直接要望されるのであれば、当然聞かせていただかなければいけないと考えています。

私自身としては様々な手法で現場の状況を把握しながら、これまで対応に当たってきたつもりです。

記者

内閣府は、おそらく京都府北部の地理関係に明るくない状態で、スピード感を持って対応された結果、市役所同士の距離感から福知山から少し遠い舞鶴は外すという対応をされたと聞いている。そこは調整役として京都府に投げかけられたものとして、より地理に詳しい京都府が、参加するかどうかを自治体に聞くなどの対応があってもよかったと思うがどうか。

知事

今回は谷大臣がタイトなスケジュールの中で、政府として現場に入るということが一番の趣旨だったと思います。その趣旨の範囲内で判断されたものなので、もちろん相談があれば当然相談に乗るということになると思いますが、内閣府にもスタッフがかなりおられますので、ある程度地元の事情も、地理的な状況も踏まえた上での御判断だと考えています。

記者

発災からより早く対応することが最優先で、内閣府としてもまさにスピード感を一番重要視した結果が今回の対応になったということか。

知事

おそらく1日の間で多くの行程を入れなければいけないということと、最初の訪問地の鳥取にかなり広範囲な災害があった中で、最終的に行程上京都は最後でした。実際、当日は車が少し渋滞していて、予定よりもかなり遅れて入って来られました。そうした中での判断だったとは思います。

記者

今回の視察に関しては、場所の選定なども含めて内閣府の主導であり、意見交換会の出席者についてもこちらから何か案を示すというより、内閣府の決定をより重視したということか。

知事

重視というよりも、内閣府の開催の下に私が参加者として参加したということです。

記者

こちらから何か意見を出すようなことはなかったのか。

知事

少なくともメンバーについて意見を求められることもないし、話をしていません。

記者

都道府県と基礎的自治体でそれぞれ役割は異なるが、被災の現場であるという意味では、舞鶴市長が国に直接伝えたかったことがあるのに機会が失われたと言うのも理解できる。内閣府がメンバーを決めたとはいえ、被災県の知事として、メンバーの選定などについてもう少しやり方はなかったのか。見方によっては地方が軽く見られたのではないかと捉えられるが、被災県の知事としてどう受け止めるか。

知事

伝えるという意味では、京都府を代表する私がいれば十分かなと思いますし、内閣府が直接、基礎的自治体の話を聞きたいということについて、もちろん否定するものではありません。

ただ、本当に参加者が沢山になったら、話を聞くこともなかなか適わないという中での御判断なので、私自身としては、大臣が来られるに当たって、災害対応の責任を持つ私が府を代表して大臣に伝えさせていただくということで、まず目的は十分達せられると思います。その上で、内閣府が、直接、基礎的自治体からも話を聞きたいと思われるということも分かるので、あとは物理的、時間的範囲の中で、できる形で判断されたのではないかということだけで、地方をないがしろにしたということは全くないと考えています。

記者

政治的対立によって舞鶴市長が呼ばれていないのではないか、意地悪されているのではないかと感じる舞鶴市民もいると思うが、府民がそのように思っていることについて知事としてはどう思うか。

知事

自治体の首長というのは、施策が政党と全く一致するということではなくて、できる限り多くの方の支援をいただいて、できる限り多くの方の応援のもとに施策を進め、府民全体のために働くものです。

そういう観点に立ち、特定の政党によって市政が変わったり、その市に対して府も含めた他の団体がどうこうするという話は、基本的に筋が違うのではないかと考えています。

施策の違いや主張の違いはもちろんありますが、それはどのレベルでもありますので、そこを調整していくのがまさに行政の役割であり、利害というのは全部一致している訳ではないので、そうした観点に立って行うべきだと考えています。

舞鶴市民も京都府民なので、舞鶴市民の皆様のために働くというのは、私も含めて、首長たる者の当然の仕事だと考えています。

記者

嫌がらせしたりすることはあり得ないということか。

知事

そう思います。特に災害であり、通常の様々な施策よりも緊急性があり、スピード感と早い対応がより求められるので、とりわけそういうことはない施策の分野だと考えています。

記者

4期に渡って京都市長を務められた門川市長の退任について、改めて所見を伺いたい。

知事

まずは、4期16年という長い間、京都市長という重責を担われたことに対して、本当にお疲れ様でしたと申し上げたいと思います。

特に景観問題や環境問題にいち早く取り組まれ、それを踏まえた将来のまちづくりを進められまして、都市のランキングを見ても、京都市を世界有数の魅力ある都市に導かれたのではないかと思っています。財政が非常に厳しい中で行財政改革を進められ、財政再建への道筋も一定つけられ、多くの実績を残されました。

私の立場からすれば、府市協調ということで、様々な仕事を一緒にさせていただきました。

何といってもコロナ対策が一番印象深く、これまで築いてきた府市協調の土台が最も効果を発揮した場面だったと思います。緊急事態宣言が京都には出なかったので、出してもらうようにと、3年前の4月に共同で記者会見をしたところから始まり、その後も、例えば相談窓口を一本化することや、医療提供体制について入院医療コントロールセンターを我々の方に置いて一元管理すること、それから飲食店の時短営業について、時短給付金の支給を一括して我々の方でするということを行いました。飲食店の見回りについても、今まで京都市内の繁華街に京都市の職員と府の職員が一緒になって見回るようなことは、おそらく無かったことだと思いますが、その辺りのコロナ対策ができたのは、やはり府市協調の土台があったからだと思っています。

それから、府と市が一緒になってオール京都で取り組んだという意味では、何といっても文化庁の京都移転が実現したことです。市長は誘致の時から関わっておられた訳ですから、それが実現したことは感慨深かったのではないかと思います。また、経済センターの設置などもまさにオール京都で取り組ませていただきました。

特に私が知事になってからで言えば、山科区の安祥寺川と四宮川の改修について、一度、府市協調の枠組みを作ったものを、もっと早めようということで協定を結ばせていただきました。あれもまさに府市協調を軸に実現させたことだと思っています。

まだまだこれから、例えば文化庁移転のPRや文化政策の推進を一緒にやっていきたかったので、大変残念ですが、熟慮された上での決断だと思いますので、その御決断を尊重したいと考えています。

知事就任当初から私もお世話になってきました。来年の2月まで任期がございますので、まだしばらく一緒に仕事をさせていただくということですが、心から感謝申し上げますとともに、改めましてお疲れ様でしたと申し上げたいと思います。

記者

門川市長は会見で退任理由の一つに多選ということを挙げておられた。西脇知事は首長の多選に関してどのように考えているか。また、自身はどのように処する考えを持っているか。

知事

基本的には、首長に限らず、選挙というのは、任期の期間についてその職に対する信任を与えるということなので、首長の場合、任期が4年ということであれば、基本はその4年の中でどういうことをするかを託されたということであり、単純に多選が良い悪いはないと考えています。

ただ、多選によって起こり得る弊害というのは当然ある訳でして、自分自身のモチベーションの問題もあると思いますし、職員との関係など色々な観点があると思うので、多選がどうこうよりも、多選によって生じる弊害が府民のためによくないということであれば、当然ながら多選はすべきではないと考えています。

そこはその時々の状況によるものであり、何回をもって多選とするのかということもありますが、門川さん御自身の口から仰られたということは、様々なことを総合的に考えて多選がよくないと、御自身の立場としてお話しされたということであり、それぞれの首長さんによって考え方は違うのではないかと考えています。

記者

門川市長は記者会見の中で、次の市長選の候補について、政党レベルでは今まで自分が支持を受けた枠組みで候補を選んでほしいと仰った。府市協調のパートナーとして次の市長にはどういう候補が望ましいと考えるか。

知事

京都市は、人口においても経済的な規模においても府内で大きな存在感があり、府市協調で仕事をしなければいけないのは当然だと思っていますので、私自身としては京都府と京都市が協調して政策を運営していけると考えられる方が市長に相応しいと考えています。どういう政党や枠組みかは別にしても、府市協調ができる方に是非とも市長になっていただきたいです。

記者

次期市長に求めるのは府市協調ということであるが、もう少し具体的に何を求めるのかを伺いたい。

知事

今までやってきたことの延長かもしれませんが、文化庁が来たことによって、京都が文化首都・京都としてふさわしくなるために何をするのかということです。地元に課された責務は大きいと私も常々思っていますし、門川市長もそう仰っています。これからいよいよスタートする時なので、文化庁は国の役所ではありますが、地元として、全国の地方創生に繋がる取組の模範になるということがすごく重要です。

もう一つはやはり万博です。万博推進委員会を、経済界、関係団体を含めてオール京都で作っており、基本構想に続いて今アクションプランを作ろうとしています。これについてもやはり京都市の役割が非常に多いですし、様々な団体の役割も大きいので、京都府と京都市が一緒になって、そこがコアとなれば、経済界や関係団体も含めて同じ方向を向くので、当面はやはり万博について取り組んでいきたいです。

あとは、「子育て環境日本一」推進の取組の中で、よく言われているのが、京都市からの人口の流出が多いとか、子育て世代が滋賀県に移り住むとか様々なことを言われます。京都府内の合計特殊出生率を押し下げているのは、当然ですが、大都市部である京都市です。京都市にはまちづくりという面で、規制緩和として一部、高さ制限の緩和等を始められましたが、京都府と同じ方向を向いた形で是非努力をしていただきたいです。

関係している施策が多いので沢山ありますが、今思い浮かぶのはそういったことです。

記者

施策について府と市が同じ方向を向けて、きちんと信頼関係ができるような方が次期京都市長として望ましいということか。

知事

どういった立場の方がなるかは分かりませんが、我々がやっていることにだけ賛成すべきと言っている訳ではなくて、アイデアや施策についてきちんと議論をして一つの形にしていける方であれば、府にとっても市にとっても良いのではないかと考えています。

記者

福島第一原発の処理水放出で、中国が日本からの海産物を全面的に輸入禁止するということであるが、京都府内に影響はあるのか。

知事

京都の海産物の輸出につきましては、例えばサワラやツバスなどが京都府の漁業協同組合から商社を経由して輸出されており、そのうちの約2割が中国向けだと聞いています。

それらを取り扱っている商社によると、他の輸出国にも振り分けられるということで、府内への影響は少ないのではないかということです。ただ、京都府内への影響が少ないから良いという話ではないのですが、京都府内に直接的な影響は少ないと聞いています。

記者

今回の福島第一原発の処理水の放出について、知事の所見を伺いたい。

知事

まず基本的には、政府の判断ではありますが、科学的根拠に基づく報告書を踏まえて政府が責任をもって判断されたことなので、それはそれとして受け止めています。

ただ、様々な影響があります。一つは、やはり漁業者の方の信頼回復は当然必要だと思いますし、それからやはり風評被害があります。事実としては安全であっても、不安を取り除く必要があります。消費者も、事業者も、海外も含めて風評被害がないよう、丁寧に、かつ正確な情報発信をしていくことが重要です。

それからもう一つは、外交努力は国としても絶対的に必要です。

私も復興庁の事務次官として、また、その前の国土交通省時代からも福島の復興に関わってきました。今回は海産物が話題になっていますが、未だに海外では農林水産物の輸入を禁止している所もあり、風評被害というのは今までずっと継続しているものです。私が復興庁の事務次官だった頃は、ホヤが7,000トンほど宮城県で捨てられたことがありました。なので、そこは外交努力も必要です。

それからもう一つ、今回は福島産の海産物の消費拡大については国を挙げて取り組むべき課題であり、そこをきちんとするというのは、我々も含めて、大きな役割があるのではないかと考えています。

記者

先程、京都府内への影響は軽微でないかという話があったが、とは言っても輸出していた内の約2割を占めていて、府内の商社などには経済的に何かしらの影響はあると思う。その辺りについて、府としてはどのように対応するのか。

知事

先程の話はピンポイントで、輸出については影響が少ないということを申し上げましたが、私が国交省の時からずっと言っていたのは、最終的には国内も国外も含めて、皆さんが被災3県、とりわけ福島県の産物を消費されることが最も復興を支援するということなので、そうした役割はどこででも果たせると考えています。

ただ水産物の支援は意外と難しく、加工品ならば流通の過程が非常に捉えやすいのですが、今回の処理水放出を受けて何ができるかについては、私も京都府としてきちんと考えたいです。

今までも風評被害に伴う消費拡大には取り組んできましたが、やはり関西と東北は遠いので、なかなか風評対策が浸透できないというのは昔からの課題でした。処理水の放出は相当長いタームでの取組になりますので、どのようなことができるかについて、仕組みも含めて考えさせていただきます。

記者

北陸新幹線の敦賀-新大阪間について、昨日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの会合が開かれ、自民党の高木委員長が2024年度の着工は厳しいとの見方を示した。当初2023年度着工としていたものが更に遅れるということになるが、知事の受け止めはどうか。

知事

いつ着工するかということについては、今まさに機構の方で環境アセスメントが行われている段階なので、いつも言っているように慎重な調査と丁寧な地元への説明、後は様々な環境の影響への配慮をお願いしているところであり、私どもがいつ着工などと言える段階ではないですし、高木委員長の発言についてはコメントする立場にありません。

いずれにしても、法定の手続も含めて、しかるべき手続きを踏んだ上でステップが進んでいくものだと思っていますので、引き続き従来から話していますようなお願いはさせていただかなければいけないと考えています。

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