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令和5年9月15日定例知事記者会見

「京都府あけぼの賞」の受賞者の決定について

1点目は、令和5年度「京都府あけぼの賞」受賞者の決定についてです。

京都府では、男女共同参画社会の実現による豊かな地域社会の創造、また、女性の一層の能力発揮に向けて、各分野において先駆的に活躍されております女性や女性グループに「京都府あけぼの賞」を贈ることとしております。

今年度は、35回目を記念した「特別賞」と合わせ、個人6名と、2団体にお贈りすることといたしましたので、順に簡潔にご紹介させていただきます。

1人目は、Flora株式会社 代表取締役CEOのアンナ・クレシェンコ様です。

ウクライナから来日され、京都大学在学中に女性のメンタルケアサービスを手がける会社を京都で創業されました。そのビジネスモデルは、関西財界セミナー賞で「輝く女性賞」を受賞するなど、注目を集めています。

2人目は、落語家の 桂 二葉様です。

「女性に落語は難しい」という風潮を打ち破り、「NHK新人落語大賞」で女性初の大賞、また、「繁昌亭大賞」を女性で初めて受賞されるなど、女性活躍推進のロールモデルとして大きく貢献されています。

3人目は、プロテニス選手の 加藤 未唯様です。

今年度のテニス全仏オープン混合ダブルスにおいて、日本人としては3人目の優勝を成し遂げられ、スポーツ振興において多大な貢献をされました。

4人目は、脚本家の 桑原 亮子様です。

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」のメイン脚本家としてご活躍されました。聴覚障害を乗り越え、脚本家だけでなく歌人としても活躍されるなど、府民に希望を与えていただきました。

5人目は、小説家の千早 茜様です。

女性の人生の機微を描く名手として知られ、今年、初の時代小説長編『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞され、文化芸術部門において多大な貢献をされました。

最後に、宇川加工所の皆様です。

過疎・高齢化が進む京丹後市・宇川地区において、地元食材を活用した特産品の開発や販売、それから高齢者の移動支援など、地域の困りごとを自ら解決する活動で地域活性化に大きく貢献されました。

続いて、「35回記念特別賞」です。女性の活躍に多大な貢献をされた1個人・1団体に特別賞を授与します。

個人では、京都華頂大学教授の 武曾 惠理様です。

医学界において、腎臓学の研究業績を重ねつつ、女性医師等のキャリア形成や、男性も女性も働きやすい環境づくり、管理栄養士や看護師などとの医療連携を進められ、男女共同参画の推進に大きく貢献されました。

団体では、社会福祉法人 青谷学園様です。

女性管理職の割合が54.6%、育休取得率が男女とも100%を達成するなど、女性活躍や、仕事と子育ての両立支援を積極的に推進され、国の認定制度であります「プラチナえるぼし」と「プラチナくるみん」を、府内では初めて、全国でも2例目となる同時認定を受けられました。

紹介は以上です。

表彰式は、10月21日(土曜日)に、京都パルスプラザで開催する「第35回KYOのあけぼのフェスティバル2023」において行います。更なる女性活躍の励みとなりますよう、当日の取材について皆様のご協力をお願いします。

「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」企業へのアンケート調査結果及び「職場づくり元気塾」の開講について

2点目は、「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」企業へのアンケート調査の結果と、それを踏まえた「職場づくり元気塾」の開催についてです。

京都府では、子育てに優しい職場環境づくりに向けた具体的な行動を宣言した企業の登録や支援を行っており、宣言企業数は、8月末時点で2,197社となっています。

宣言企業は増えてきた一方で、「宣言内容が実践できた」と届出のあった企業数は約半数に留まっていることから、今後の施策の参考とするため、宣言企業に対してアンケートを実施したところ、実践に至っていない企業が求める支援としては、「働き方改革のための柔軟な補助金の拡充」のほか、「先進的な事例の紹介」、「同じ悩みを抱える企業とのネットワーク」、「専門的なコンサルタントによる分析」という結果がありました。

そこで、ジョブパークで例年開催している「人材確保塾」の枠組みを活用し、今申し上げましたニーズにも対応した連続セミナー「職場づくり元気塾」を新たに開講することとしました。

先進企業との意見交換や現地視察などを含む全6回の連続講座となっており、参加企業は9月27日まで募集いたします。

その他にも、国や府、市町村の職場づくりに関する支援メニューを集約した「職場づくりに関する支援策ワンストップサイト」を今回、新たに開設しました。

こうした取組を通じて、府内企業における子育てに優しい職場環境づくりを一層推進していきたいと考えておりますので、広く周知をお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

府あけぼの賞では、これまで35回女性を表彰されているとのことだが、近年はかなり女性の社会進出も広がっているところであり、女性によっては性別に関係なく実績等で評価して欲しいという声も最近よく聞くが、それでもこうした女性活躍を後押しするような表彰制度がまだまだ必要であると考えているのか。

知事

あけぼの賞という名称自体、過去にも議論がありまして、元々、女性活躍の黎明期なので「あけぼの賞」と名付けまして、それからかなり回数も重ねて定着してきたという意見もありましたが、それでも、やはりまだまだジェンダー平等が実現されていないのではないかという声もあり、やはり女性の活躍に焦点を当てるということの必要性はそれほど下がっていないという声もあり、あけぼの賞の名称を続けたということです。

男女の差がなくなってきているというのは当然ありますし、女性で男性以上に活躍されている方もいると思いますが、全体を見ますとまだまだ諸外国に比べてもジェンダーの指数がかなり下位にあるということは、まだまだこれからだということもあるので、私自身としては当面はやはり女性にある程度スポットライトを当てて、より活躍を後押しするということです。それによって、ジェンダー平等を実現していくという手法が現時点では必要だと考えています。

もう少しこの形を続けていきたいと考えています。

記者

「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」企業へのアンケート調査結果について、「生産性向上・働き方改革のためのより柔軟な補助金」を求める企業は68.9%ということで、ここから読み取れるのは宣言をすることや、宣言を実践することのメリットがなかなか感じられないという部分が大きいのではないかと考えられるが、今回、この調査結果を受けて補正予算を編成することもあるかも知れないが、よりメリットがあると感じていただけるような取組は何か考えているのか。

知事

それを考えるために、このアンケート調査を実施しました。

どのような内容のものがいいのかというところまでは掘り下げられていないのですが、このアンケート調査結果を施策に置き換えるためには、もう一段のステップが必要だと考えています。

ただ一方で、宣言するだけでメリットがあったと言う企業の方も結構いらっしゃいます。というのは、社員にその姿勢を示せたであるとか、私が訪れた伏見区の農家では、宣言をすると、従業員の方が、府の担当者が来て色々と教えてくれることが京都府のホームページに書かかれていたことを見つけられ、実際に担当者を派遣すると、農家で時間単位年休が実現したという例もありました。

企業によってはどういった制度があるのかということが意外と浸透していないこともありますし、例えば時間単位年休や短時間勤務は就業規則の変更だけで良いので、そうすると、専門家派遣のような補助金を活用いただけます。

また、子連れ出勤のために子供のキッズスペースを作るのであれば、若干の設備投資が必要です。それから、働き方改革でリモートでの仕事をするということであれば、電子機器等が必要です。

メリットと一言で言っても、企業次第であり分かりませんが、おそらく改善する余地はあるはずなので、そこは補正予算というよりも、私自身は当初予算できちんとやるべきであると考えています。

現に2,000を超える企業が宣言をされているということで、子育てに優しい職場にしなければならないという企業の方のニーズが高いことは間違いありません。

これは人手不足ということもあると思いますし現に働いている方からもそうしたニーズが強いということで、補正予算で緊急的にということよりも、このアンケート結果をより具体化していく過程が必要だと考えていますし、今回の職場づくり元気塾に結びつけたというのも、その中の一つとして、「先輩の話を聞きたい」ということや「先進的な事例を知りたい」というアンケート結果を受けての取組だということです。

記者

目標としては、3,000社ということか。

知事

総合計画ではそうなっています。数だけの話ではないですが、数値的目標が必要だということで、KPIとしてはそうしています。

記者

季節性インフルエンザについて、昨日京都府から発表があったが、新型コロナと並行して流行している状況で、背景には夏休みが明けて学校が再開したからという分析もあるようだが、知事としてどのように対応していこうと考えているのか。

知事

新型コロナウイルス感染症については、定点当たりの患者報告数は速報値で17.49人で、横ばいからやや増加傾向が見られます。新型コロナの方も年齢階層別の患者の割合を見ますと、5歳から19歳の患者が全体の3分の1ということで、学齢期の感染者の増加が見られます。ただ、医療機関については外来診療・入院とも府全体としてひっ迫した状況にはないと聞いています。

一方、御指摘のあった季節性インフルエンザについては、定点当たりの速報値で4.01人ということで、前週から見るとやや増加傾向にあるということです。今後の推移を見ていく必要はありますが、コロナが大きく流行している時には季節性インフルエンザは流行していませんでしたが、例年なら夏場にほぼ収束して秋から冬にかけて流行期に入るものです。前のシーズンである令和4年は12月28日に1を超えて流行期に入り、4月下旬に1を下回ってピークを終えましたが、今回はそのままくすぶり続けていて、国が新シーズンと定めている9月に入りました。やはりインフルエンザは例年より早く流行期に入ったと考えています。

インフルエンザの感染者数を年齢別に見ると19歳以下の割合が75%ということなので、明らかに夏休みが明けて集団生活が再開されたことが増加の要因と見て間違いないと考えています。

感染防止対策ということで言いますと、コロナと同じく、こまめに換気する、人込みを避ける、手洗いを励行する、咳やくしゃみが出る時はマスクを着用して咳エチケットに努めるということが有効です。また、体調が悪ければ医療機関に行くということについてもコロナと同じことですので、是非とも心掛けていただきたいです。

暑さが和らいできますと、マスクの着用がしやすくなったり、冷房が終了して窓を開けて換気しやすくなるということもありますので、冬まで急激な感染拡大が起こるかどうかはまだ分かりませんが、現在は流行期に入っているということです。

また、インフルエンザのワクチンについては、10月開始予定と聞いておりまして、是非とも接種を希望する方は接種を行っていただきたいと考えています。市町村によって接種の開始日は違いますので、市町村の担当課や府の予防接種相談センターにお問い合わせください。

記者

現在のところコロナはあまり重症度は高くないようだが、患者数が増えると外来にも影響が出ると思うが、その辺りの対応はどうか。

知事

季節性インフルエンザについてはどのような特徴があるかは分からないが、新型コロナについては御指摘のように重症度は高くないと聞いています。去年の冬のシーズンもコロナとインフルエンザが同時流行して外来の混雑を心配して、今年も今のところ病院からはインフルエンザ、コロナ合わせて外来診療についてはひっ迫した状況ではないと聞いていますが、季節性インフルエンザも流行してきましたので、これからの各診療機関に対する調査では季節性インフルエンザの動向も注視していきたいと考えています。

記者

新型コロナの無料検査事業をめぐって全国的に不正が相次いでいる。担当課に確認したところ、京都府ではそうした不正はしていないと認識しているとのことだが、それは、現実に確認されていないということか。改めて不正がないか調査をするということは今のところ考えていないのか。

知事

まず、京都府の無料検査事業において不正と認められる事案というのは、現時点では確認していません。

京都府では、他府県と違って、無料検査事業の補助金申請の際に、検査申込書の原本の提出を義務づけており、全ての申込の現物を点検・確認した上で交付決定しており、これが不正の防止が図られている理由ではないかと考えています。なお、原本は府で保管しています。

再調査といっても、この事案があったということで既に点検していますので今すぐ何かをすることはないですが、もし必要性が生じれば、検査申込書の再点検等を含めて対応していきたいと思いますが、今のところは再調査は考えていません。

記者

その原本には個人の名前などが記載されているのか。水増しや架空請求はし難い仕組みになっているということか。

知事

そうです。

記者

アリーナ整備に関しては、有識者会議で主に北山と向日町競輪場の大きく2つが議論に上がっており、取材をする中で、委員からは向日町競輪場を推す声がそれなりに聞こえてくるが、途中経過としてどう見ているか。

知事

途中経過といっても、一度懇話会を開いており、8月25日には現地調査をしまして、当然様々な意見を頂いています。

スポーツをする人と見る人の双方にとって利便性の高い施設がいいのではないかという意見や、府立大学は学生と地域が交流できるようなスポーツ施設を目指すべきであるという意見、向日町競輪場で議論を深めていく価値があるのではないかという意見や、環境面では府立大学の方がいいという意見など、今、様々な意見を頂いているところです。

我々はそれらの意見を踏まえながら更に検討を深めているところなので、今の時点で途中経過として私どもの方にまとまった考えがあるという訳ではありません。更に検討を深めていきたいと考えています。

記者

昨日、京都市の門川市長の記者会見で、京都市内に府立のアリーナを造って欲しいという要望があった。やはり市長としては北山への思いがあると察するが、門川市長の発言を含めてどう思うか。

知事

これは過去からの積み重ねですが、京都市だけではなく、京都府内全体でスポーツ施設が非常に不十分だという状況は明らかです。

だからこそ、京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会を過去に作り、その都度議論してきた経緯があり、具体的な施設立地もあるし、支援制度を作ることにも生かしてきました。

もちろん市長も、京都市も京都府内の一部なので、その所在市においてスポーツ施設の整備が不十分だと認識されているということで、府の方でも造って欲しいという要望を持たれているというのは、気持ちとしてはよく分かります。現にこの間実施した京都市長との懇談会の中でも、議題には上がっていませんでしたが、御挨拶の中でそういう要望を聞いています。

それは取り立てて新しい発言ではなく、京都府内の市町村の1つとして、地元に京都府の施設を造ってほしいという要望の気持ちを表明されたということで、そのまま受け止めたいと考えています。

記者

先日内閣改造が行われたが、それついての受け止めはどうか。

知事

まず現在の足元の状況で一番大変なのは、物価高騰が国民生活や府民生活に影響を与えて、かなり厳しい状況にあります。これは中小企業等事業者なども資材価格や燃料費の高騰で厳しい状況にあります。

新しい岸田第二次改造内閣は経済対策を作ることを表明されていますが、できる限り早く経済対策を固めて、しかもその実現に必要な補正予算の編成についても急いでいただきたいです。それによって国民生活をしっかり守っていただきたいというのが、全体としての要望です。

その上で、物価高騰対策をはじめとする経済対策や、次元の異なる少子化対策と表明されている子育て支援、原発処理水を巡る様々な風評被害問題、皆さんが心配されているマイナンバー、自然災害が激甚化・頻発化していることなど、様々な課題がありますので、それに対して、布陣を見ますとある程度主要なところでは留任されている方がおられますし、実績のある大臣経験者の方が再入閣されています。一方で、女性閣僚が過去最多の5人ということや、11人の方が初入閣ということもあるので、非常に多様性のある布陣になったのではないかと思っています。

とりわけ女性が5名と過去最多に並んだということは、これは女性の声をしっかりと政策に反映したいという岸田総理の思いが表れたのではないかと思っています。

記者

台風7号の被害から今日で1か月になるが、改めて知事の所感と今後の災害復旧に向けた取組について伺いたい。

知事

台風7号による大雨の影響で府民の方に負傷者が出ましたし、住戸被害と公共施設の被害も出ました。被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

通行止めなどの応急的な対応は、ほぼ作業が完了しています。八幡市の流れ橋だけはまだこれからということです。

現在は、9月定例府議会の冒頭で災害復旧についての補正予算を議決いただきましたので、その補正予算も活用しながら公共施設の復旧に向けての災害査定を行います。農林被害についてはまだ一部調査が完了していませんので、被害額の調査等に努めているところです。

今回の台風7号による大雨については、幾つかの教訓がありました。

台風の上陸前から雨が降ったので、災害救助法の適用をこれまでに比べてかなり前倒しさせていただきました。そうした気象予報との兼ね合いの問題があります。それから、今までは由良川本川やその支川の内水被害が多かったのが、山間に雨がかなり集中的に降ったことで、谷筋から土砂が流出して川を塞いだり、道路に土砂が流れ込んだり、場合によっては農地等に流れ込んで作物に影響を及ぼしたところがありました。後は元々倒れた木や伐採木のような危険木が雨で下流に流れ出したということがありました。

そうした様々な教訓をしっかりと検証して、今回の出水期の間の緊急的な対応にも生かしていきたいし、長期的には来年の地域防災計画の改定にも盛り込んでいきたいと考えています。

もう一つは、これまでの対策が効果を発揮したこととしては、タイムライン等を作っていたところでは、行政の呼びかけ前から自主的に避難されたところがあったと聞いています。それから、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を使用して一部整備した様々な施設については、今回の大雨による被害の軽減に明らかに効果が出ました。こうしたタイムラインの作成や防災・減災のための施設整備については、計画的に、的確に進めていかなければいけないと考えています。

いずれにしても、被災者の方の生活を一日でも早く取り戻すことや、支援をすること、早期の復旧・復興については全力で取り組んでまいりたいと考えています。

記者

秋の観光シーズンがこれからやって来るということで、府内ではオーバーツーリズムが懸念されている。今日、京都市の門川市長も観光庁へオーバーツーリズムについて要望を出されたと伺っているが、オーバーツーリズムについての知事の考えと府内での取組について改めて伺いたい。

知事

これはいつも言っていますが、京都に観光に来られる方も、地域の住民も、お互いがきちんと満足する、お互いにとっていい形での観光を行えるのが大原則であり、そのためにオーバーツーリズム対策は必要だと考えています。

オーバーツーリズムが最も多く起こっている京都市では、京都観光快適度マップで観光地の混雑情報や混雑予測の情報発信をされています。できる限り観光の時間帯を分散させるために、朝・夜観光を実施することや、なるべく閑散期に誘客するキャンペーンも実施されています。それからもう一つは、観光客が地域の方を思いやる行動を呼びかける「京都観光モラル」として、市民生活と観光との調和を図るよう進められています。こうした取組を着実に推進していただくことです。

京都府では、どちらかというと場所の分散化を支援していきたいと考えています。それには周遊観光を促すということで、今年も紅葉シーズンに府域で公共交通機関の利用を促進するデジタルスタンプラリーなども実施して、京都市内に来られる観光客の方をできる限り府域に分散したいと考えています。

8月30日に実施しました門川市長との懇談会の中でも話したのですが、我々が行っている「もうひとつの京都」と、京都市内でも実は全ての観光地が混雑している訳ではなく一部に集中しているため、「とっておきの京都」というキャンペーンを張られており、この連携を強化することによって、京都府と京都市の周辺部の二つのエリアを繋ぐような周遊観光ルートを造成することで、より分散化が図れるのではないかと考えていますので、そうしたことはこれからも続けていきたいです。

それから、国の方でもオーバーツーリズム対策を検討し始めておられます。門川市長に要望に行っておられますが、我々としても国にお願いすることがあれば、できる限りそうした政策に我々の考え方を乗せられるように努力したいと考えています。

記者

先日、京都府の財政の健全化の指数の発表があり、実質公債費比率が16.5パーセントで、将来負担比率が272.1パーセントということで、いずれも前年度より微増になった。全国的に見ても下位に位置しており、改めてその受け止めをお聞きしたい。

知事

まずは、京都府の財政が厳しいことは間違いありません。一方で様々な行政ニーズに対応するという形で、税源の涵養や国の補助金等をなるべく入れることにより何とか必要な行政需要を賄ってきたという現実は全く変わりません。

一方で、企業業績が好調だったこともあり足元の税収が若干伸びましたが、その分をどう積み立てるかということがありました。色々なやり方はありますが、我々は返済基金の方に積み立てることで将来の負担に備えるという形にしました。どこに積むかということはありますが、その結果としての数字だと考えています。

いずれにしても行財政改革プランがありますので、それに基づいて取り組んでいますし、また、例えばふるさと納税をある程度積極的に活用していくことなど、様々な行財政改革の努力はしてまいりたいと考えています。社会保障費の累増とか災害などもありますので、その中で様々な工夫をして、少しでも財政健全化に近づける努力はしていきたいと考えています。

記者

返済基金に積み立てるという話があったが、財政調整基金ではなくそうするのはどういう考え方によるものか。

知事

我々としてはそれほど大した額ではありませんが、公債の返済に積む方が、より財政の安定化のためには必要だという判断です。

記者

先日、北海道の元職員が、同性パートナーを配偶者と認めず扶養手当を支給しないことに対して、支給を求めて訴えた裁判があった。京都府では、現段階では同性パートナーの扶養手当は支払われていないが、今後支給について検討し直す考えはあるか。

知事

元々多様性や性的マイノリティを取り巻く社会全体の意識というのは、法律も出来ましたし、変わってきていると思います。ただ、なかなかデリケートな問題でもあり、京都府の条例上、扶養手当の支給対象は、北海道や国と同様に「配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)」と書いており、「配偶者」と規定されているので、異性間の場合でしか扶養手当の対象にしていません。

今まで同性パートナーの扶養手当を申請された事例がないので、もし仮に今後申請があれば、給与の取扱いは国家公務員に準拠するというのが基本の考え方ですが、支給を認めている自治体もありますので、申請があれば、他の自治体の状況も参考にしながら対応を検討する必要があると考えています。

今どうこうすると決めている訳ではないですが、原則はやはり国家公務員準拠という基本的な考え方は変わらないと思うのですが、参考にして考えたいです。

記者

ホーユーという給食業者が営業を停止したことにより府立高校2校が影響を受けた。現在、2校とも何とかやりくりして食事の提供を続けているとのことだが、今後、この業者に対する対応は何か考えているか。

知事

今、ご指摘がありましたように、北桑田高校と農芸高校の寄宿舎の給食調理業務をホーユーに委託していたところ、事前の連絡なく突然営業停止になったということで、まず非常に驚いています。

現在、教育委員会の方からは、朝食はおにぎりやパン、昼食と夕食についてはお弁当を緊急手配しており、食事の提供は欠かさず行われていると聞いています。

今後はできる限り早く給食が提供できるようにということで、契約を結ばなければいけないので、実績のある業者の中から代替の業者を選定して、一日も早く新たな業者との契約ができるように、今、最終調整を進めていると聞いています。いつとまでは聞いていませんが、私としてもできる限り早く契約締結をして、安心して寄宿舎生活ができるように対応していただくよう教育委員会の方にも申し上げています。

詳細が必要であれば、教育委員会の方にお聞きいただければと思います。

記者

昨日阪神が優勝したが、関西の球団なので一言お願いします。

知事

まずは18年ぶりの優勝ということで、おめでとうございますと申し上げたいです。岡田監督の采配にも結構スポットライトが当たっていますが、野球の内容を見ると、しっかりと守って、かなりの競り合いのゲームを制されたということで、心からお祝いを申し上げます。

18年前は日本シリーズで確か千葉ロッテに負けて日本一になれず、1985年以来、日本一にはなっていません。クライマックスシリーズまでは1か月以上あって、まずそれを乗り切らなければいけないのですが、是非とも日本一を目指していただきたいです。

しかもパ・リーグではオリックスが結構独走していますので、オリックスも同じ道を歩まなければいけないですが、もし関西同士の戦いということになれば、経済効果も含めて盛り上がるということです。

優勝が決まってから期間が長いと、意外と調子を維持するのが大変だと過去から言われていますので、是非とも日本一に向けてご奮闘をお祈りしたいと思います。

記者

知事は野球に詳しいので伺いたい。タイガースがかなり差をつけて優勝したことで、岡田監督の采配を褒め称える報道がなされているが、府政の采配を振るわれている知事の観点から評価する点や参考にしたいと思うところはあるか。

知事

府政の参考になるかどうかは分かりませんが、まず「優勝」という文字を使わなかったというのは、過去、タイガースは天王山と言われる試合に負けることが多かったためということで、非常に正しい選択だったと思います。

これは報道でしか私には分からないことですが、選手との付き合い方について、コーチを間に介して選手に指導することを原則とされているということです。監督さんによっては、直接選手を指導し評価する方もおり、それを意気に感じる選手もいるでしょうし、どちらがいいのかは分かりませんが、コーチもそれぞれの分野に責任を持って任されている訳ですから、コーチを通じて指導するというのは、組織運営としては正しいのではないかと常々感じています。一定プレイヤーと距離を置くということは、長短ありますが、組織運営としては適切なやり方ではないかと思います。

記者

そのやり方を府政に生かすのか。

知事

選手についつい直接言いたくなる訳ですが、そこをどうするかです。岡田さんも1回監督をやっておられるからではないかなという気もします。今、監督の中では最年長ということなので、実際にどうなのか分かりませんが、そうした経験を積んだ上で、過去の経験を組織運営に生かされているのかもしれません。

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